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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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今日中に4、5と更新できそうです。
すみません、ほとんど直していません(^^ゞ

これでテーマが絞りこめたので、月光の終わりまでで本にまとめようかなと
考えています。

挿絵が描けるかなー。
平田君と蒼太の掛け合い漫才のマンガが増えるだけかもしれんww

お話は続き記事からです。


拍手[2回]


◆◆◆

「鷹島さん!大変ですっ。来客です!イケメンですっ」
「は?」
ここはファッション雑誌の編集部なのだから、稀にメンズのファッションモデルが来る。

中には売り出し前の、ジェニーズのアイドルの男の子も営業で来たりするから、
特に『イケメン』は珍しいことじゃない。
「ほら、鷹島さんがこの前取材に行った!空の人っ…」
「…もしかして」
とりあえず立ち上がり、編集部の入口に向かった。
廊下の自販機の側に、少し隠れるようにして彼は佇んでいた。
空井蒼太。
航空自衛隊、松島基地第四航空団飛行群第11飛行隊所属、
早い話がブルーインパルスのパイロットだ。
それが何故此処に?
しかも松島にいるはずの彼が。
そこまで考えて、彼が東京出身だったことを思い出した。
「休暇で昨日松島から帰ってきたから…」
基地で他の隊員や整備士たちにてきぱきと冷静な口調で話していた彼とは違い、
何やら決まり悪そうに口を開いた。
「わざわざすみません。それで、あの今日は?」
「今、時間ある?」
「え?ああ、はい。そう言えばもうすぐお昼ですね。早めに出ちゃおうかしら。
 蒼太さんもご一緒にいかがですか?」
彼はこっくりと頷いた。
こんなに――はにかみやだっただろうか?
確かに少し素っ気ない印象は受けたものの、基地ではもう少し大人びて見えた。
今日は――着ている細身の黒いパーカーのデザインのせいもあるのだろう。
何だか年相応な、いや、まだ学生のような感じだ。
「美味しいコーヒーの店、知ってます。ランチメニューもありますから、行きましょう」
わたしは慌ててデスクに戻り、チラリと鏡を見て、
バックと朝一で渡されたファイルを持つとまた入口に向かった。

編集部のあるビルを出ると、そこはすぐ神田の古本屋街だ。
目当ての喫茶店は古本屋街の中にある。
四月も終わりに近付いた今日は、吹く風も麗らかで陽射しは暖かかった。
横に並んで歩く彼をそっと見上げた。
モデルたちに比べたら背は低めだが、確かに女の子たちが騒ぐのは納得が行く。
彼には人を振り向かせる、独特の雰囲気があった。
彼の父親の空井室長も、年齢を感じさせない、整った顔立ちの人だが、あまり人にプレッシャーを与えるタイプではない。
気が付くとすぐ側で微笑んでいるような、そんな感じだ。
だが息子の彼は、遠くから歩いて来るだけで、すぐ彼だと解るような存在感がある。
だから先程オフィスの廊下にいる彼を見た時は――ちょっと心臓が止まったかと思った。

老舗の喫茶店に入ると、彼は少し珍しそうに中を見回した。
「変わった店…」
「確かにインテリアがややアフリカンですよね。でもこの店古いんですよ」
店員が注文を取りに来る。
わたしはいつも通り、ハムサンドを注文する。
「…タマゴサンドとカフェオレ」
彼はポツリと呟くと、こちらに向き直った。
「コレ…」
ポケットから取り出されたのは――
「わたし、基地に落としてたんですか?!」
「ブルーの腹の下に落ちてたって。田宮さんが見つけたんだ」
それは、もう手元に戻ることを諦めていたアクアマリンのピアスの片方だった。
「ありがとうございます!これ、お祖母ちゃんの形見で、もう戻らないと諦めてました」
「……」
ふと視線が合う。
アレ?今、微笑ったかしら?
「あ、あの」
何だか頬が熱くなり、俯いたついでに持っていたファイルに気が付いた。
「ああ、そうだ。今日ゲラが完成したんです。まだまだ知らないことが多いので、未熟な記事で申し訳ないんですが、見て頂けますか?」
「俺の?」
「ええ」
彼は受け取るとファイルを開いて挟まれたゲラを取り出した。
じっと記事を見つめる。
こんなにドキドキしたのは、初めて書いた記事を編集長にチェックされた時以来かもしれない。
彼の伏せがちな目の縁に並んだ、長い睫毛がよく見えた。
「…最初この取材の話を聞いた時は、こんなにきちんと書いて貰えると思わなかった」
「そうですか?やっぱり対象は20代から30代の女性ですし、随分噛み砕いて書きました――と言ってもわたし自身が飛行機も航空自衛隊も未知の世界で、パイロットの蒼太さんには物足りないと思いますけど」
店員がそっと彼の注文したカフェオレと、わたしの注文したキリマンを目の前に置く。
コーヒーの湯気がふわりと薫りと共に立ち上る。
「いや、いいと思う。…親父がいつも言ってた。普通の人に解って貰うってすごく大切だって。でも――パイロットやってるとつい専門バカになりがちだから、こんな風に外側から書かれるのって、違うなって。俺が担当している5番機は広報活動が中心の第11飛行隊の中でも外部からの取材や広報を担当するから…」
「そう言う任務もあるんですね。飛行機のフォーメーションだけではなくて」
「うん、後はその日の天候を報告する、なんてのもある。天気、フライトには大事だから」
「やっぱり面白いですね」
コーヒーを一口飲んで、彼を見ると彼は少し頬を染めて俯いた。
「………食っていい?」
「え?はい。どうぞ」
気付くとテーブルにはハムサンドとタマゴサンドが置かれていた。



「旨かった。タマゴサンド、あちこちで食べるけど、なかなか旨いのに当たらなくて」
「パンのあるお店なら何処にでもあるメニューですよね?」
彼が御茶ノ水駅に出ると言うので、わたしも駅まで送ることにした。
ようやく彼の関心がこちらに向きかけているのだし、……もう少し彼と話したかった。
「タマゴサンドばかりは家で食うのが、一番だと思ってたけど…」
「お母様、お料理上手なんですね」
「いや、お袋が失敗しないメニュー、その2なんだ」
「?」
「あのさ」
急に彼が振り向いたので、わたしは飛び上がってしまった。
「…明日――明日会えるか?」
「え?明日はみどりの日ですよね」
「アンタは休みじゃないのかな?鷹島郁さん」
「い、いいえ。休み、休みですっ」
勢いこんで答えて、思わず転びそうになり―――差し出された、男性としては細身に感じる腕に支えられた。
「アンタと歩くのは、すごく心臓に悪そうだ。この前も基地の門前でこけたし」
「す、す、す、すみませんっ」
慌てて腕から離れる。
ちょっとウンザリしたような、困ったような表情の彼を見上げた。
「――明日、新宿御苑の正門で。
 時間は後で名刺にあったメアドにメールすれば、いい?」
一瞬時間が止まったような気がした。
これは――もしかして。
わたしは自分でも飲み込み切れない展開に、表面的には頷くことしか出来ない。
楽器店が建ち並ぶ緩やかな坂道を昇り、明治大学の前を過ぎても、わたしはまだ何が起こったのか解らなかった。
彼はその後はずっと黙ったまま、医科歯科大前の、丸ノ内線の入口まで来ると
「じゃあ」と軽く手をあげて地下鉄の階段を降りて行った。



午後はまるで仕事にならなかった。
いや、表向きは仕事はしていたのだが――空井蒼太、昼に見た彼の仕種や話す言葉をひとつひとつリピートしてしまう。
そこでふと空幕広報室の空井室長のことを思い出し、ゲラをJPGデーターにして槙二尉にメールで送った。
一時間もしないうちに、空井室長直々にメールが来た。
『鷹島郁様
 ゲラのデーターありがとうございます。
 非常にしっかりした良い記事ですね。
 きっと蒼太も喜ぶでしょう。今から雑誌の発売が楽しみです。
 またAZULさんで空自をネタにしたい時は、いつでもお声がけ下さい。
 鷹島さんの取材なら、大歓迎です。』
空井室長の柔らかい笑顔が、目の前に浮かぶようだ。
今日見た彼の笑顔とは少し違う。
「蒼太さんもあんな風に微笑うのかしら?」
思わず呟いたのに気付いて、慌てて周囲を見回してしまった。



夜、家で会社用のメールアドレスをチェックすると、
内心待ち望んでいたメールが届いていた。
高鳴る胸を押さえながら、クリックする。
『鷹島郁様
 明日、午後二時に新宿御苑正門前で大丈夫でしょうか?
 都合が悪かったら連絡下さい。
 あの記事を書いた貴方になら話せる気がする』
「………」
どういうことだろう?
耳まで熱くなっているのを、自覚しながらも、落ち着かなければと、
呪文のように心の中で繰り返した。少し震える指を押さえて、返信する。
『空井蒼太様
 明日指定の時間で大丈夫です。わたしのスマホのアドレスはこちらです。
 何かありましたら、ご連絡下さい』
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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