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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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ぼちぼち蒼太本に向けて、作品をまとめ始めました。
蒼太のシリーズは、なけなしの飛行機の知識を絞り出して、ないものは書けないw
と、投げ出した部分も多く、今でもフォローして書けないところは数あるのですが、
お話の筋から、いらない伏線と引っ張りたい伏線を考えて、最初の『Singin'for the sky』
だけでも前の物を切り貼りしながら、書き直している最中です。

こちらは支部にUPせず、ブログにだけ置いておこうかな。

コメント、拍手ありがとうございます。
次回記事で、返信させて下さい。
お話は続き記事からです。

拍手[4回]


◆◆◆

2038年、春。
百里の春は他の関東の地域から比べるとやや遅い。
桜の開花は東京より一週間遅れる。
だから四月始めの今は、ようやく蕾が解けた花があるかないかと言う所だ。

「おーい!蒼太」
TACネームや苗字に階級付きで呼ばれることが多いパイロットや隊員同士のやりとりだけど、彼は始めから自分を名前で呼んでいた。
「なんすか?」
表面では素っ気なく応じても、彼に呼ばれたならば内心喜んで返事をした。
先輩にあたる彼からの話は、大抵明るくて楽しいものが多いからだ。
「まだ内密に頼むな」
耳元で急に声をひそめた。
背後でF-35の爆音が響く。

2019年にF-4でずっと運用されて来た301飛行隊が、三沢への異動と同時にF-35の導入を開始し、続いて長くこの百里基地で親しまれて来た302飛行隊も、機体を交代。これで最後だからと父と母に連れられて行った2018年の百里基地航空祭が、通称ファントムで親しまれたF-4の機動飛行を見た自分の最後の記憶だ。
それでもたった3歳だったから、辛うじて記憶に残っているだけ、良い方かとは思うのだが。
現在、自分が所属しているのは305飛行隊。梅の柄を部隊マークとして所有する飛行隊だった。
長く宮崎の新田原基地に所属していたが、F-15の運用を減らす計画が10年程前から開始され、百里基地に戻り機体をF-35へと移行していく事になった。
一部国産のF-3への移行も囁かれたが、数を考えて結果性能や運用の点で似ていた、F-2の部隊をF-3に交代することにしたらしい。

尤もようやくウィングマークが取れたばかりのパイロットとしては、配属される部隊に否やはない訳で、自分自身の目指す目標もある事から、喜んでこの飛行隊に所属している。
「あのな、俺第11飛行隊に異動になりそうなんだ」
「え、じゃあブルーに?」
思わず先輩の顔を見た。
複雑な表情をしている。
無理もない。
「今更T-4でアクロもないんだけどさ…俺たちの世代、飛行機の墜落事故が高校生の時に多くて、親の反対からパイロット断念した奴多いんだよな。エアラインすら人材不足とかで、かなり苦しい状況だから…」
「先輩、でももう承諾したんでしょう?そう言う表情(かお)してますよ」
「ハッハ…。やっぱりお前に隠し事は出来ないよな。実は結構嬉しい」
「先輩、子供好きですもんね」
「確かに複座な上もうF-35乗ってると、T-4乗るのは結構厳しいような気もするんだけど、チビッコ達に騒がれて乗るのも悪くない。美人の追っかけもいるかもしれないし」
彼は彼特有の優しい笑みでニヤリと笑った。
「お前ブルー希望してたよな」
「子供の頃からの夢で」
「まあ、チビの時から見てたら憧れるよなー。確か親父さんも内示が出た事あったんだろ」
「…事故でP免にはなりましたが」
「お前、俺の後からでも来いよ。一緒に複座乗ろうぜ」
「先輩とまた同じ隊だなんて、しょっちゅう合コンに呼び出されるに決まってる」
つい本気で渋い顔になる。
アルコールにあまり強くないせいか、ただでさえ異動シーズンに宴会の多い自衛隊勤務なのに、これ以上酒の出る席を増やしたくない。
「今夜はお前メンバー入ってるぞ」
「すみません、風邪気味で。体調優先させて下さい」
「コイツっ…」
ガシっと腕が首にかかった。
顔を見合わせて笑う。
そうこの時は笑えた。
まだ……。
一緒に笑う人がいたから。




「空井二尉ポーズこの辺りでお願いします」
「………」
今日の松島の天気は快晴。
冬から春に変わる不安定な季節には奇跡的な天候だ。
桜の花とブルーインパルスを一緒に撮影したいなどと、あまり現実的ではない申し出があり、
それを受けたのはなんと今空幕広報室に配属になっている父――空井大祐だった。
しかも企画の元々がふざけている。
『ガテン系のイケメン特集!』などと言うファッション雑誌の企画で、
 救急隊員から建築業界まで、中にはコレ、ガテン系か?と思えるような職種も含めて、あらゆる業種から毎月一人二頁程、写真付きで掲載されていた。
…いや一応目を通して見た所、写真がほとんどで文面はプロフィール程度だ。
そんな内容のない記事に、こともあろうに父親自ら空自の広報室長として、やっとブルーインパルスのパイロットになったばかりの息子を売り込むと言う、前代未聞の広報を仕掛けた。
隊長から『お前が出れば、他の嫁の来ないパイロット職にも希望が見えるかもしれない』と声を掛けられなければ、首を絶対縦には振らなかっただろう。

「空井二尉…あのうもう少し微笑ってくれませんか?」
「階級で呼ぶの、止めてくれませんか?空井で良いです」
「でも広報室のお父様も空井さん、ですよね?」
「父は――関係ありません」
広報室長ともなると、隊にいても父の話を持ち出される回数は多い。
ただでさえP免になるまではF-15に乗っていた異色の経歴の持ち主だから、息子の自分としては、なかなか越えられない壁でもあった。
父は父、自分は自分、なのだが、ブルーの内示も出ていたせいか、ブルーチームに異動してからTACネームがSKYからSKY jr.になってしまい、かなり煩わしい気分になる。
さっきから取材に付き合っているが、本当に頭の緩い女だ。
人をなんだと思っているんだろう。
笑顔なんか――出来る訳がない。
「じゃあ、フルネームで。空井蒼太さん、もう一枚。
 ウチ女性誌なんで、出来るだけ笑顔でお願いします」
「………」
「…ホント、お父様の仰ってた通りですね」
「父が…何て言ったんですか?」
「飛行機バカでクソ真面目だと」
「――!」
「あ、今の表情いいです!」
パチリとシャッターを切る音がする。失礼なヤツ!
「大体…普通ファッション雑誌って言ったら専属のカメラマンがいるんじゃねーの?」
つい口調が素に戻ってしまった。
「ええ、後程幾つか専属のカメラマンが撮影させて頂きます。
 でも企画自体が、なるべくイケメンの自然な表情を、と言う企画なので」
「…メイワクな企画だな」
「それでも普段は近寄りがたい自衛隊に、良い印象を持って貰えますよ。
 先日輸送機の事故があったばかりで、色々な広報の企画、流れたんじゃないでしょうか?」
「………」
「空井蒼太さんは、初の二十五歳前にブルーインパルスのパイロットになった方で、マスコミも注目しています。
今のような時期でなかったら、ウチみたいな弱小雑誌じゃ取材出来なかったかも」

「また来ます」
その一言を明るい笑顔で言い放ち、彼女は去って行った。
「空井蒼太さん、さっきコクピットに座った時の表情素敵でした。
笑わないと勿体ないですよ。次は是非笑顔を撮らせて下さい」
普通男に面と向かって言うか、そう言う言葉。本気に取るヤツもいるだろうに。
警戒心のない女だな、と溜息が出た。
こう言うのに関わると、後が結構面倒くさい。



二、三日経って父から電話が来た。
「蒼太、写真見たぞ。お母さんにも見せたよ」
「……母さんにも?」
「蒼太がこんな表情するの、初めて見たって喜んでた」
この夫婦の間には秘密と言うものが、存在しない。
だから親父にバレてるものは、お袋にもバレる。幼い頃からの我が家の鉄壁の『規則』だった。
「可愛いコだったろう?」
「は?」
「雑誌記者の」
「……頭緩いんじゃないのか、あの女」
「お前は本当に口悪いな。おっとりして見えるが、彼女五ヶ国語はゆとりで操る帰国子女らしいぞ。
蒼太には似合うんじゃないかと思ったんだけど」
「あのな…」
「まあ、生まれた時から世界一の美女ばかり見て育ったら、なかなか他の女の子に関心が向かないのは解るが」
「…………」
親父の愛妻自慢が出ると電話が長くなる。
明日飛行訓練があることを伝え、早々に電話を切った。
官舎の窓から東京の方角を眺める。
「……クソ親父!」
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
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