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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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書けちゃったので、アップしときます。

いやはや戦闘機どころかF-35乗ってる人の視点なんて、もう
乗ってみなきゃ分かんないもんね(^_^;)←自信満々で開き直る

ひどい見切り発車ですが、色々見てみて、わかったのは
マスコミに結構取り上げられてますが、F-35って割と安全な飛行機だって
言うこと。
アメリカの戦闘機開発はイコール事故だと思ってたっ程なのですが、
年々減っては来ていて、F-35は開発中にはなかったんだそうです。
空を飛ぶ限り100%ナシでは済みませんが、限りなくゼロに
近いところを目指すのが、この世界、なんですよね。

いつもいつも飛んでいく飛行機には、必ず戻ってきてほしいと
思うのです。


小説は続き記事からです。

拍手[2回]


◆◆◆



白地にブルーが斜めに入った尾翼のペイント。
……何処かで見たようなカラーバランスだ。
こちらは白い尾翼にブルーで稲妻が描いてあるようではあった。
「何だ、羨ましいか?オレのブルーイカロス号だぜ」
アルヴィンがニンマリと笑って、隣に立った。
「…あんまり言いたくありませんけど」
やはり空を飛ぶ者には禁句だろうなぁとは思ったが、彼なら許されるような気もしたので、やはり口にする事にした。
「イカロスって、縁起悪くないですか?あれって空飛んで墜落した話ですよね」
「んーっ」
低く唸ると、アルヴィンはヘルメットを持たない方の手で頭を掻いて答えた。
「まあなぁ、だからこそかな」
「え?」
「空を飛ぶ事に慢心しないように、戒めっつーか」
それは普段余裕綽々に見える彼から出る、言葉らしくない言葉に感じた。
「何だよ、意外そうな顔すんな。一瞬なりと油断しちゃならんってのは、パイロット共通の話だろ」
「確かにそうですけど」
「目の前で事故を見ちゃうとな――色々考えるのさ。さっきまで地上で笑ってた奴と帰投したら会えなかった、なんてのはオレは二度と勘弁願いたいからさ。まあ、お前みたいに若いヤツにはまだ分からないだろうけど」
「――分かりますよ。じゃあ、また明日って別れて次の日からはもう会えない――一緒に複座乗ろうぜって約束した人が、もういないって意味がどういう意味か」
アルヴィンが、じっとこちらを見ているのが分かった。
彼も――知らない情報があったらしい。
「そうか…悪かったな。デリカシーの無いこと言った」
「いえ、俺も悪かったです。もしかして貴方は新型機の開発に、六ヶ国の計画段階から関わって来た方なのでは?」
「当たらずとも遠からず、だ。ただその話は此処だけにしとけ。――それより、お前の機体の尾翼にもペイントするか?お揃いで。ウン、それが良いな。オーイ!アリサ!」
アルヴィンはこちらの話は聞かずに、整備士たちの集まりの方に向かって行った。
一緒に飛ぶようになって、アルヴィンの呼吸には大分慣れたつもりでいたが、まだまだ予想外の部分は沢山あった。
以前ブルーで一緒だった平田先輩とも、また大分違う。
アルヴィンは荒っぽいように見えて、決められたミッションはまるで予め線が引いてあるかのようにきっちり熟すタイプのパイロットだった。
かなり目が良い。
そう言えば「オレの眼は片側だけで2.5以上あるんだぜ」って自慢してたような。
操縦は繊細で、並んで合わせて飛んでいるとこちらもそれなりのテクニックを要求される。
故にレベルアップもするのだが。
まだまだ自分には粗さがあると、反省する事頻りだった。



「今日お父様とリカさんが来ます」
「…うん」
父のことはお父様と呼ぶのに、母のことは付き合い方の違いなのか、妻はリカさんと名前で呼ぶ。
尤も父が空幕広報室で室長していた頃は、空井室長と呼ばれていたから、少しはくだけたのだろうか?
母とはしょっちゅうラインで連絡を取り合っていて、実際に夫の自分より妻の好みや感情は、母の方が詳しいかもしれなかった。
玄関を出ると外は快晴。
雲一つなかった。
沖縄は台風シーズンに入ると気の休まる暇がないと、基地からも基地の外からも聞かされていたが、今年は7月に2件通り過ぎただけで、割と穏やかな天候らしい。
そっと彼女にキスをした。
「あら」
彼女がお腹に手を当てて言った。
「また動いた。この前もピアノ弾いてて動いたんですよ」
「日に日に大きくなるな」
「11月下旬が予定ですけどね。蒼太さんと一緒にいられるのは8月いっぱいです」
ちょっとしょげた様子の彼女が可愛かった。前から良く知る彼女の姿だった。
「いつも忙しくて、悪いな。前にアンタのホームになるって約束したのに、やっぱり俺が待たせてる」
「いいえ、蒼太さんにはアメリカ滞在中ずっと待ってて貰いましたし――今だって、毎日クラブで待たせてますよ」
「全くだ。お陰様で俺はいいカモにされてる。最近アルヴィンなんか『もう、俺が揶揄わなくてイイな』なんてニヤつくし」
「皆んな蒼太さんに興味あるんですよ。突然入って来たスマートな日本人が、練兵訓練に顔色変えずに着いて来たって、結構クラブでは噂になってました」
あの後何度吐いた事か――
正直この訓練のメニュー考えたヤツをシメたくもなったが、知りもしない相手に何が出来る訳でもない。
「行ってらっしゃい、蒼太さん。今日は家で待ってます」
「うん、頼むな」
軽く手を振って、ゲートに向かった。



360度を視認するF-35のコクピットは、正直前時代機とも言えるT-4から比べると格段の違いがあった。
殆ど違う乗り物に乗ってると考えた方が早いくらいで、3年前まで乗っていてもやはり3年間のブランクは大きかった。
アルヴィンはその辺りこそ、詳しく報告を受けていたようで、何故未だにT-4でアクロ飛行を行うのかとしつこく聞いて来た。
なのでこちらとしては軍隊を名乗るアメリカと、あくまで『自衛』を名乗る自衛隊との違いから、訓練機のT-4を使う意味、意外に少ない事故率などを話し、自分がパイロットを目指す頃、コクピットが多少現代機向けに改良された歴史まで話さなければならなかった。
アルヴィンはある意味呆れつつ――感心もしながら、日本の空を飛ぶ基準の厳しさには頷いていた。
「確かに日本じゃ市街地上空で何かあったら、逃げる場所がない。ハドソン川の奇跡でも起きなきゃ、パイロットはベイルアウトも出来ないもんな」
とため息をついた。
シビアな航空機の事故は何件も起きており、自分より少し前の年代はそのせいかパイロット自体少なかった。
こき使われてたまらん、と2年上の平田先輩は良く嘆いていたっけ。
「気象隊の話じゃ、今日南西上空は突発的な嵐の可能性があるらしい。まあ、飛ぶのは南に真っ直ぐから南東方面。巻き込まれる心配はないが」
じゃあなと手を振って、アルヴィンは自分の機体に去って行った。
自分もコクピットに座りヘルメットを被り、マスクを装着。ベルトをした。
システムを立ち上げると、管制からの声が入る。
「Icarus2,Stand by」
指示通り待機する。
先にアルヴィンの機体がコースに入った。



此処は何処だろう。
まさか計器を含むシステムがダウンするとは思わなかった。
一瞬機体に何かぶつかったような感触があり、アルヴィンから左に旋回するようにと出た指示に、少しの合間乗り遅れた。
どうやら南西に発生すると言われていた雨雲に、ダイレクトに突っ込んだらしい。
導入時に事故は起きたものの、F-35は比較的事故の少ない機体だった。
自分が覚えてる範囲だと艦載機として、離着陸出来るF-35Bが二度程エンジントラブルで墜落しているが、パイロットに死人は出ていない。
空自でも導入に高い費用をかけた上、改良を加えた為、シビアな事故は起きていなかった。
今は機体そのものを信じて飛ぶしかない。
「Hutenma Tower,Icarus 2」
無線も何度試しても無駄らしい。
ぶつかった何かがシステム部分に影響が出た?
かなりヤバい。
今までにない経験ではあったが、シュミレーションでは何度もやる事だった。
落ち着け。
すうっと息をしたら、ふと今朝の妻の様子が思い出された。
妊娠してから、本当はずっと心細かったんじゃないか?アイツ、意外と甘えるの下手だよな。本当は一人が苦手なくせに。
「お前、本当は一人が嫌いだろう?」
そう言って休みを変わってくれた人がいた。
彼を――どうして止められなかったんだろう。
ふと、急に視界が開けた。
雨雲から出た。
雨がコクピットに強く叩きつけてくるように降っている。
急に高度が下がっているが、下の海原にはタンカーが航行していた。
少しでも離れないと。
運が良ければ、タンカーの方で墜ちたのを発見してくれるだろうか?
大きく左に躱す。
翼が薄く自在に動くF-35だが、悪天候時はちょっと頂けない。風が強すぎる。
もう少し、もう少し。
頭の奥で、ふいに彼女が歌う「星に願いを」を聞いた気がした。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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