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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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後篇できました(#^.^#)
お話の中に出てくる、航空公園は出来たら取材したかったな。
15年前の記憶を掘り起こして、無理やり書きました(笑)


サイト、ブログとも拍手ありがとうございますm(__)m
タタ奈々、サイトでハワイ祭りをぼちぼち始めています。
途中挿絵を挟んでいきますので、お時間ございましたら、
見てやってください。


小説は続き記事からです。




拍手[24回]


◆◆◆



窓から射し込む陽で、目が覚めた。
彼女が腕の中で、あどけない顔をして眠っている。
昨夜も明け方も、今の顔が信じられないくらい、
艶めいた表情をしていた。
『溺れること』彼女はそう言っていた。
彼女がそうだったから、つられて自分もそうなったのか、
自分が深く彼女に溺れて彼女がつられたのかそれは
定かではなかったけれど、今この場からとても離れがたいのは、
二人で共に、一つの何かを感じたからだろう。
彼女の滑らかな頬に口唇で触れて、静かに起き上がった。
まだ彼女を起こしたくなかった。
 
 
 
官舎から車で十分程の場所に、アウトレットモールがあり、
彼女の服を買いに来た。
彼女は申し訳なさそうな表情だったが、自分は少し楽しみだった。
思い浮かべると仕事中の彼女か、仕事帰りの彼女しか知らないせいか、
彼女の服はすっきりとした、寒色系が多く、大抵はパンツ姿だった。
彼女の職場は動きも多いから、スカートは邪魔なのかもしれない。
ふと通りかかったショーウィンドウに、
青みがかったピンク色のワンピースが飾られていた。
上部はレースで、可愛いらしいデザインだが、背中の開き加減が大きくて
どことなく色っぽい。
「………」
彼女が着たらどんな風だろう。想像しかねて、立ち止まっていたら、
中から店員が声をかけてきた。
「贈り物ですか?」
そこで昨日の事情を簡単に話すと、店員は頷いて言う。
「そう言うことでしたら、合わせて靴なんかもご入り用ですよね…」
自分が見ていたワンピースを奥から出して来て、
カウンターに置くと、合いそうな靴を何足か持って来る。
そう言えば足のサイズまでは知らなかったので、
電話して聞いてみた。
「後でお金払います」
いかにも彼女らしい、生真面目な答えが返る。
「…それは構わないけど、似合わないって怒らないで欲しいかな」
「……どんな服を買ったんです?」
「……内緒」
言ったらその場で反対される気がして(空幕広報室に来ていた頃も、
彼女がピンク色のワンピースなんか着ている所を見かけたことは
なかったから)、こう答えた。電話の奥で彼女のため息が聞こえる。
「仕方ないから、今日一日は我慢します」
店員から包みを受け取ると、すぐに官舎に戻った。
 
 
 
袋ごと彼女に服を渡すと、彼女はきゅっと結んだ口唇のまま、
寝室に入り扉を閉めた。
少し経つと「えーっ!」と驚く声がする。
「………」
何だか随分待たされたような気持ちがした。
引き戸を開けて、彼女が顔だけ出した。
「…膝上のワンピースなんて、久しぶりです」
頬が薄く染まっていた。
「少し何か食べて、外に出よう」
早くどんな風か見たい気持ちでいっぱいだったけど、
それを素直に言うとまた扉を閉められそうな気がする。
彼女と二人で会うようになって三ヶ月が経っている。
自分も少しは学んだつもりだった。
彼女はそっと扉から滑り出るように、居間に来た。
そして……思わず視線が釘付けになった。
自分の想像より、ずっと彼女に合っていたからだ。
「…に、似合わない…ですよね」
彼女は眉をしかめて、上目使いでこちらを見ている。
「……何でだろう」
「え?」
「この服、君が着たらどんな風だろうって想像しながら、
 買った筈なのに」
「………やっぱり似合…」
「今すぐ脱がせてみたいって思うなんて」
「…………」
彼女は一瞬きょとんと見上げた。
その表情を見て「しまった」と思った。
すぐに視線を反らした。あんまりにも本音を言い過ぎた。
これから出掛けようと、自分で言っておきながら、
これではベッドに逆戻りだ。
「……そ、それって?」
彼女はまだピンと来ないらしい。
「…つい服の中身を想像した」
「……!」
似合わない、と言うことではないことを伝えたいあまり、
誤魔化しようのない言葉の連続になってしまった。
「そっ空井さっ…じゃない、大祐さんがそー言う人だと
 思わなかった!」
「…リカがどう思ってるか解らないけど、僕だって
 …ましてや今は君は僕の家にいる。どうしたって考えるさ!」
彼女は呆気に取られて僕を見たが、何か言いたいのを押さえて、
口許をきゅっと結んだ。
「もう、出掛けよう。これ以上此処にいたら
 …我慢出来なくなるから」
手を引くと彼女はびくりとしたが、素直に手を握り返す。
「ど、何処に行くんですか?」
「…君を僕が操縦する飛行機に乗せようと思って」
「え…」
玄関を出ると、鮮やかな夏の陽射しが降り注いだ。
 
 
 
所沢市の航空公園は蝉が今は盛りとばかりに鳴いていた。
此処には航空発祥記念館がある。
元々日本の最初の飛行場でもある場所に作られた公園に、
航空機の技術や原理、歴史などについての展示や
実物の飛行機などを展示している博物館だ。
自分も航空学校の学生時代に来たことがある。
此処には――フライトシュミレーターがあった。
自分が操縦して、彼女と空へ――は出来ない望みであっても、
気分だけでも味わえるだろうか?
そう言えばP免になってから、操縦管を握ったことはなかった。
そして二度と握ることはないと思っていただろう。
「こんな場所あるなんて知りませんでした」
「マスコミに騒がれたのはオープンの時だけだしね」
「この公園自体が昔の飛行場だったんですね」
「今でも航空管制塔は近くにあるよ」
あれこれ話しつつ、館内を廻る。
彼女はどうもスイッチが入ってしまったようで、
しきりにメモをしたり、写真を撮ったりしていた。
館内の最後にフライトシュミレーターがある。
大型機、小型機、ヘリの三つが備えられていた。
流石に戦闘機はない。
「…………」
「学生時代に散々授業でもあったけど、結構難しいよ」
「わ、わたしがやってみていいですかっ」
「え」
「空井教官、ってことで」
やけに真面目な表情で敬礼してこちらを見た。
フライトシュミレーターの椅子に彼女はさっと腰掛ける。
「それじゃあ、稲葉操縦士、離陸から始めましょうか」
座る彼女の後ろで、モニターを見つめた。
 
 
 
「ちょっ、まっ、待った!」
流石に画面酔いしてきた。
「け、結構操縦管、重いんですね」
「これじゃあ、三回は墜落してる」
「パイロットの人は墜落しそうになっても、最後まで必ず人気(ひとけ)の
 ない場所を探すって聞きました」
彼女は必死な顔で操縦管を握り、画面を見つめる。
「空を飛んでる時点で、自分以外の多くの命を背負うんだと、
 学生時代から教えられるから……って、代わって。見てられない」
背後から手を伸ばし、彼女の代わりに椅子に座った。
シュミレーション…とは言えど、後味の悪い終わりは勘弁して貰いたい。
そう思った。
 
 
 
無事着陸して終わると、彼女が微笑んでこちらを見ていた。
「お疲れ様、空井教官」
その表情を見て気が付いた。
彼女は最初、わざと自分から始めたんだと。
こちらの内心、複雑になりえるしかない心境を慮ったのだ。
「………」
彼女と一緒に空を飛ぶことは出来ない。
でも。
彼女と空を見ることは出来る。
そっと肩を引き寄せた。
ふわりと柔らかな香りが、鼻をくすぐる。
「少し公園を歩きますか?」
彼女がこちらを見上げた。
「…ん」
記念館を出た途端だった。
彼女の電話から着信音。
「阿久津さん?」
彼女は僕から離れて、電話に出る。
「はい、え?いえ、二時間もあれば…」
彼女はこちらをちらりと見た。
「わかりました。原稿はわたしの机の引き出しにあります。
 でも到着まで待って頂ければ――はい、至急」
電話は切れた。
そして休日も終わりが来たことが解る。
「ごめんなさい。わたしでなければ難しい案件みたいで」
「うん」
「阿久津さんが、あんまり謝るから行かずにはいられないです」
「…じゃあ、我慢する代わりに」
さっと右腕を引いて、素早くキスをした。
「駅まで送るよ」
 
 
 
夜、官舎で一人缶ビール片手に本を読んでいたら、
メールの着信音が鳴った。
彼女だ。
『大祐さんのプレゼント(ってことでいいですね?)
 してくれた服のまま行ったら、職場の仲間たちに
 驚かれました。
 阿久津さんまで「なんだ、しっかり溺れて来たんだな」
 なんて言われて。……次に会うときも着ていきますから、
 脱がしてもいいですよ。            リカ』
「本当にそうしたら…怒るのに」
そう呟いてみたが、またメールを読み直す。
別れ際見た彼女の笑顔を思い出して――愛しいと言う言葉の、
意味を知った。


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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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