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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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またしても一日2更新(^_^;)
…にしようと思ったら少し過ぎちゃいました。
少し短くなりました。


明日エピローグで怒涛のタタ奈々ハワイ編も終わります。
本にする際に、もう少し事件部分の描きこみをして
ミステリー?らしい体裁になるようにしたいと思います。


お話は続き記事からです。

拍手[3回]


◆◆◆



目が覚めて最初に奈々の目に飛び込んできたのは、
水平線の彼方に丁度上り始めた朝陽の煌めきだった。
「………綺麗」
空は僅かに薔薇色の光を反射させている。
ふと気付くと、奈々の顔のすぐ傍に崇の手のひらがあった。
ほっそりと、白くて長い指。
昨夜、この手が飽くことなく、奈々の身体のあちこちに触れて、
奈々を翻弄した。
床下から聞こえる波の繰り返しに、思わず昨夜の行為のあれこれを
思い出してしまい、奈々は恥ずかしくなってしまう。
そっと寝返りをうつと、崇の長い睫毛が伏せられていた。
崇は奈々を背中から抱き締めたまま、眠ってしまったようだ。



「愛してる」


普段はなかなか、真っ直ぐな愛の言葉を囁かない崇である。
……昨夜だって、いい加減奈々の意識が行為に翻弄されきった頃に、
耳にかすめるように、滑り込んできたのだ。
「いつもズルいな」
奈々は小さく呟いて、愛しく感じる気持ちそのままの眼差しで崇を見つめていた。
今日は一日、何をして過ごそうか。このビーチはプアラニ・リゾートの客すら
やって来ない。聞こえるのは潮騒ばかりなのだ。
昨夜はあまり部屋の中に何があるのか、気にしていなかったので、
奈々は起きて見てみようと、頭を起こした。
ところが、突然眠っていたと思っていた崇が、腕を巻き付けて、
奈々を抱き締める。
「…起こしちゃいました?」
「もう少し」
まだ眠たげな目が奈々を見ている。
「まだ早い。だからもう少し…」
このままで。
その言葉はかすれて聞こえなかったが、奈々は拘束された腕の中で、
そっと崇の胸に頬を寄せた。
崇の細い腕が、奈々の背に触れている。
瞼にキスが落とされた。
また波の音に溶けて行きそうな感覚が襲って来て、
奈々は目を閉じたまま、崇に身を委ねていた。
空はゆっくりと明けていく。奈々の聞いたことのない鳥の鳴き声がした。
そして崇の口唇が緩やかに、奈々の肌に滑り落ちて来た。



朝食はルームサービスを頼んだ。
「日本食が恋しいな…」
丁寧に作られた、スクランブルエッグをフォークでつつきながら、
崇が呟く。
「ここ、キッチンありますよ。もし材料が揃えばわたし作りますけど」
「材料は揃うだろう。ハワイは日系人が多い」
「じゃあ買い物に出ますか?沙織にもお土産を買いたいし」
「ホノルル市街に出よう」
朝食を終え、フロントに頼んで二人はホノルル市街まで車を出して貰った。



大型のスーパーには日本食の材料が、思ったより揃っていた。
崇が「日本を発つ前の日に食べてたものがいい」と言うので、
揚げ出し豆腐を作ることにした。
奈々がスーパーを出ると、崇が街頭に出ていた果物や野菜を売る露店で、
オレンジとライムを袋一杯に買っていた。
「ハワイがアメリカなのを忘れてた。オレンジが良いものが多い」
「そんなに沢山、どうするんですか?」
「シャンパンがあっただろう?」
「あ、もしかして…。でもミモザにしちゃったら、
 勿体ないくらい高いシャンパンなのでは?」
今日の崇は奈々が髪を整えるのに抵抗しなかった為に、
幾らか見られる状態だった。
「それは…あの男が君の為に置いて行ったものを、そのまま君が」
そう言うと崇は急に言葉を止め、眉をしかめて後ろを向いた。
奈々は目を丸くした。これってもしかして……『ヤキモチ』?
離れ離れになっていた時、崇はまるで気にしていないようにも見えた。
憎たらしくなるくらい、それはいつもの崇に、奈々には見えていた。
……でも。
昨夜と言い、崇ももしかしたら気が気ではなかったのかもしれない。
「タタルさん」
奈々はするりと崇の左腕に自分の腕を絡ませた。
やっと小松崎が言い残して行った言葉の意味が解り、
奈々は崇を見上げて微笑った。
「ミモザに合うお食事にしましょう」
路面電車、トローリーが行き過ぎる。
カラフルなワンピースや、アロハシャツの人の波を過ぎて、
二人は海沿いの道をゆっくり歩いていた。




翌朝ホノルル空港を発ち、奈々たちは成田空港に着いた。
到着ロビーには沙織が迎えに来ていた。
「いや~、お約束通りの展開でしたね」
沙織は笑いながら、奈々の荷物を持った。
空港の食事も出来るカフェで、三人は落ち着いた。
「それで?お姉ちゃん。エルガーグループの御曹司に、
 突然一目惚れされた感想は?」
「ひとめっ…て、そんなんじゃないわよ」
奈々は少しムキになって言う。この件に関しては
崇も結構許容範囲が狭いことが、奈々にももう解っている。
「…そう言えば、沙織」
奈々は自分に来たカフェオレを一口飲む。
「ミシェルって男の子と、由比ヶ浜で遊んだ記憶って…ある?」
「ミシェル?」
沙織はうーん、と腕を組んで天井を見上げた。
「ミシェル…ミシェル……ん?!」
沙織はぱっと奈々を見た。
「あの赤毛でそばかすだらけで、分厚い眼鏡かけたチビだ!」
「え?」
「なんかさー、皆声かけにくかったのをお姉ちゃんが誘ったら
 『僕は君たちの遊びを検証している最中だから』とか
 なんとか言って、断ったヤツだ!」
「……………」
「まさか、アイツがその御曹司?」
白人の人は幼い頃と成人してからで髪や目の色が変わる者がいる、
と言うが…。
「お姉ちゃんって、タタルさんと言い、毒草師と言い、
 マニアックな人材に好かれやすいね」
「毒草…て御名形さん?」
「沙織くん」
ずっとジントニックを飲んで奈々たちの会話を聞き流していた崇が、
急に沙織を見た。
「世田谷区の薬剤師会の会長には何か言われなかったか?」
「あ~、色々と。タタルさん当分は世田谷方面には
 近付かない方がいいですよ」
「?」
奈々には解らない会話が交わされる。
それでも一つだけ解った。
結婚式でもそうだったが、今回の旅行でも多くの人に助けられた。
何せ崇の中学時代の恩師まで来てくれたのだ。
自分たちだけじゃない。
多くの人が自分たちに関わり、手助けしてくれた。
ミシェルだってそうだ。
奈々はハワイを発つ前に気になり、フロントで事件のことを聞いてみた。
支配人が出てきて言うには「ミシェル様がすぐにエルガーグループの
顧問弁護士を手配致しましたので、悪い事にはならないでしょう」
とのことだった。
色々あったけど、自分たち夫婦はこれからも二人だけじゃない。
きっと一つずつ乗り越えて行ける。
奈々はほんのり温かい気持ちになって、崇をそっと見つめた。




※成田離婚にならずにヨカッタね、タタルさんw
あとでカテゴリーをまとめて変えるかもしれません。
いや~なんとか終幕に向かえてヨカッタ(^^ゞ
明日エピローグです!
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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