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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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結局今日が二更新。
少し短くなっちゃいましたが、無事タタ奈々を帰還させることが
出来ました。

始めた時は『こんなに大風呂敷広げて、わたし畳めるんですか!!??』と
自分に聞いてみたい心境だったんですけど、
かなり荒い畳み方であれど、拍手やコメントに助けられて
なんとかなりました。

明日イラストつきで、拍手御礼を少し盛大にやりたいです。


サイト掲載時は…多分挿絵とか挿し漫画とか、
昨年やったメロドラマの時みたいに、あれこれ楽しめるよう
工夫して載せていきたいです。
しばらくお待ちください。


連載?期間中お声掛け下さったツイ友の方々に感謝!


小説は続き記事からです。

拍手[4回]


◆◆◆



「全く海外なら少しは違うだろうと思ったのに」
外嶋一郎は盛大なため息をつきつつ、山積みになった
ファイルを整理していた。
「貴方がそんな仏心で、行き先を選んでくれたとは思いませんね」
ブツブツと呟くように言いながら、崇はバラバラになってしまった
製薬会社のパンフレットを揃える。



ホワイト薬局は閉店作業後、調剤室の片付け作業に終われていた。
奈々は今日――風邪をひいて38度の熱を出してしまい、
本人が出ると言うのを崇が止めて(とどめて)休みを取ったのだ。
「奈々さんの風邪はどうです?」
器具類を外嶋の指示に従って洗い、相原美緒は崇に聞いた。
「夕方には熱は下がったようだ。明日には来れるよ」
「どうせ『長風呂』でもさせたんだろう」
低く呟く外嶋にピクリと反応した崇だったが、黙々と作業に集中している。



奈々が新婚旅行で休暇中、ホワイト薬局には代理の薬剤師として、
外嶋の叔母が来ていた。
今までにも何度か奈々の代理や外嶋の代理を務めたことのある人物だったが、
これがまた何とも表現のしようのない人物で、
彼女の歩く所、必ず物が壊れたり、散らかったりした。
外嶋は『嵐を呼ぶ叔母さん』と呼んでいる。
今、外嶋と崇は昨日までその人物があれこれと起こした、
トラブルの後片付けに追われているのである。
崇は奈々の頼みで、帰宅中立ち寄っただけなのだが、有無も言わさず、
手伝いに回された。
そしてかなり端折った、今回の旅行中の事件のあらましを
崇が外嶋に話しながらの作業となった。
「確かに誰かが信仰していなければ、仏像にしても鏡にしても、
 ただの『モノ』だからな」
「だが『モノ』には鬼や霊などの副次的な意味もある」
「まあ――誰だって愛着のあるものは捨てがたい」
「あ、解ります。わたし今だに小さい頃一緒に寝てた、
 うさぎのぬいぐるみ、捨てられません」
美緒は笑って言った。
「――あの手足千切れかかったヤツか。君に愛着されてうさぎは
 さぞ迷惑だろうな」
「え?!」
驚く美緒を余所に、外嶋は話を戻した。
「そう言った『魂』の宿るもの…人々の敬愛する気持ちを
 全く無視して、売買したんだから、まあ罸が当たったとも
 言えるのかな?」
「巻き込まれた俺は大変迷惑でした。やっぱり東に向かうべきじゃなかった」
パンフレットをファイルに綴じながら、崇はため息をついた。
「何を言ってるんだ。それに今月のうお座は南もアウトだぞ」
崇は顔を上げ、さも嫌そうな表情で外嶋を見た。
「貴方が西洋占星術のホロスコープの信仰者とは知らなかった」
「毎朝ニュース番組でやってるんだ。信じるも信じないも時の運だね」
外嶋はファイルを何冊かまとめて棚にしまった。
奈々がいれば、この辺の作業は手早く終わるのだが、
テンションの低い崇では進行率75%と言った所だ。
「それにしても奈々さん、すごーい。
 エルガーホテルって、この間もポール・モッカートニーや
 レディ・ギャギャが来日した時泊まったホテルですよね。
 そこの会長の息子さんに一目惚れされるなんて!」
「…………」
「まあ、無事戻って来てくれる、稀少な気持ちに感謝しとくんだな」
外嶋はファイルをしまい終えると、振り向いて崇にポンッと箱を一つ投げた。
「これで終わりにしよう。帰って奈々くんの看病に務めたまえ。
 それにお前も何だか酷い顔色だぞ。ビタミン剤でも飲んどけ」
外嶋が投げて寄越したのは、有名メーカーの総合ビタミン剤だ。
「そうさせて頂きます。今日は店からも、色々漢方薬を持たされた」
こう言った――ある種のお節介を煩わしいと思わず、
受け止められるようになったのは、奈々のお陰だった。
何せ彼女は『事件に出会す症候群』なのだ。
トラブルが起きれば、それは周りの人を巻き込み、
嫌でも関わる人間は増える。
でも…。
崇は思う。
奈々の側にいることを、厭う人間なんて見たことがなかった。
誰もが――あの毒草師の御名形史紋ですら、
奈々の側から離れ難そうにしているように――見えた。
自分はどんな『縁』なのか、法律的にも奈々の一番側に
いられる立場なのだ。
それは――どんな言葉ならば表現出来るだろう。
ふとすっかり日の暮れた空を見上げた。
一番星が首都圏の霞んだ夜空にも、輝いて見えた。




※実は我が家のタタ奈々のベビーはハネムーンベビーだったり^m^
以前書いたSS『七の魔法』に続きます。
続けてお読みくださった方、ありがとうございましたm(__)m

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