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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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えー昨日もちらと書いたのですが、何か月かに一度
おしゃべりも兼ねて、リンクしてる主婦同士wで
『桑原崇をどつく会』を開催しています。

まあ、タタルさんに関係なく読んだ本なんかについての
話題も出るのですが、毎回お題と言う奴が出ます。

1回目は『チューブトップブラにホットパンツ+裸エプロン』
(あ!しまった(・_・;)終わらせてない!!)
2回目は『セーラー服』
3回目は『結婚式』

二回目の『セーラー服』をお題に書かれた彦多さんの
ほんとにハートフルな小説がこちらです(*^_^*)
無理やり拉致って、挿絵を描かせていただきました。
でも描きたい瞬間が多々ありまして、一コマだけ切り取るのは
とてもーーーとても難しかったです。
ロングの構図を捨て、二人の表情を中心に描きました。


お話は本当に素敵です。
このタタルさんはかわいすぎて(タタルさんに付くとは思えない形容詞!)
とても蹴飛ばせません!次回作ではぜひ奈々ちゃんに幸せにしてもらってね、
タタルさん!


小説は続き記事からです。

拍手[9回]


◆◆◆



とある地方都市。
とある駅のホーム。
とある神社に向かうため、電車待ちをしている男女がいた。
タタルと奈々だ―

「あの・・・気のせいかもしれませんが、お顔の色が
   優れないように見えます・・・」
奈々が心配そうに見つめている。
「・・・大丈夫だ」
その視線から逃れるように、目を逸らす。

「でも・・・」
珍しく食い下がる奈々に
「大丈・・・」
言い掛けたところで、グラリと倒れそうになり・・・
「タタルさん!!」
慌てて支えられる。

「とりあえずこれを・・・」
奈々が差し出したハンカチからは、ふわりと優しい香りがした。

その瞬間、意識が数年前へと飛んだ―

―――

大切な人を亡くし、積極的に死ぬことも出来ず、かといって、
生きる気力もなく・・・
ただ、あてもなく何かを求め、社寺を巡っていた日々。

不意に空腹感を思い出し、ベンチで休息していると
「大丈夫ですか?」
見知らぬ少女に声を掛けられた。

逆光になってしまって、顔はよくわからなかったが、
セーラー服の襟が風になびいていた。

その時に初めて、自分が額を怪我をしている事に気が付いた。
どこで引っ掛けたのだろう?

「あの、これ・・・」
差し出されたハンカチ。
日光の眩しさ―
見知らぬ自分を、気遣ってくる気配。
街のざわめき―
儚げなのに、心に響く少女の声・・・
全てが煩わしくて、お礼もそこそこに逃げた。

逃げて、逃げて、ふと立ち止まった時に、泣いた。
あの人を失ってから、おそらく初めて・・・

そのまま、気の済むまで泣いて―
死にたいという思いも、涙にとけて消えた・・・

―――

「私、お水でも買ってきます」
その声に我に返る。

自分のために走る奈々の姿が、あの日の少女と重なる・・・

まさか!?・・・いや、あの時は京都にいたから、彼女がいるはずは・・・
しかし、似ている・・・
そうだ、修学旅行!
中学生の時、いつ何処へ行ったか聞けば・・・
でも多分、そんな偶然は・・・

ぐずぐずとそんなことを考えてしまっている事に、愕然とした。
自分は、あの時の少女が、奈々であって欲しいのだろうか・・・

「タタルさん、お水をどうぞ」
「ああ・・・」
差し出されたペットボトルを受け取り、一口飲む。

そして、さも今気付いたように
「奈々君さっきのハンカチを・・・」
と、差し出すふりをして―

ハンカチを受け取ろうとしていた奈々の手を、ハンカチごと握り締め、
口づける。
「!?・・・タ、タタル・・・さん?」
焦って手を離し、真っ赤になる奈々。

そんな彼女の姿を見て、ほんの一瞬顔をほころばせると、また真顔に戻り・・・
奈々と、その後ろに浮かぶあの少女を見ながら
「ありがとう」
ゆっくりと呟いた。



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