タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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GW最後の日、皆様どうお過ごしでしたでしょうか?
流石に人ごみに疲れが出たのか、今日は半分廃人状態でした(^_^;)
年はとりたくないものです。
さてお調子にノリノリのまま、第七弾。
お話も中盤戦になってきました。
タタルさん、こういうのって物置デティクティヴって言うのかしら…。
もし日本の旅館だったら、布団部屋ディティクティヴとか
押入れディティクティヴになってたので、
ハワイで良かったね!って感じで。
お話は続き記事からです。
流石に人ごみに疲れが出たのか、今日は半分廃人状態でした(^_^;)
年はとりたくないものです。
さてお調子にノリノリのまま、第七弾。
お話も中盤戦になってきました。
タタルさん、こういうのって物置デティクティヴって言うのかしら…。
もし日本の旅館だったら、布団部屋ディティクティヴとか
押入れディティクティヴになってたので、
ハワイで良かったね!って感じで。
お話は続き記事からです。
◆◆◆
二日目の昼。
取材から戻った小松崎は、ホテルの玄関で意外な人物と
出会った。
「あんたは…」
「桑原くんと話すことは出来ますか?」
能面のように微塵も表情を動かさない御名形史紋だが、
この様子だと小松崎を待ち構えていたようである。
「ああ…タタル以外の出入りは自由だからな」
本当のことを言えば、このプアラニ・リゾートから出なければ
ホテルへの出入りは、奈々も崇も自由の筈だが、
皆そのことに気付いていない。
「桑原くんは最上階の部屋ですね。行きましょう」
史紋は白いサマースーツの裾を翻すと、さっさと歩き始めた。
部屋に戻ると崇は相変わらず昼寝に余念がなかった。
昨夜小松崎からある程度の状況を聞き出した後は、寝てばかりいる。
長い付き合いの小松崎には、これは崇が何かしか考えている時だと
解るので放置しているが、傍から見たら明らかに
『妻に家出され、見捨てられた男』と言った雰囲気だった。
史紋は物置部屋の扉を閉めると、小松崎を相手に静かに話し始める。
「彼女はこのすぐ下の階の部屋にいます」
「奈々ちゃんが?」
「この窓の下がスウィートルームのバルコニーになっています。
此処から縄梯子でも下ろせば…」
「奈々ちゃんに会えるってか」
「彼女がこちらに昇って来る方が、桑原くんが下に降りるより
効率的でしょう」
「ぶっ…。確かに」
あまりに冷静沈着な史紋の指摘に小松崎は吹き出した。
「ミシェルは事件の解決を、明後日ホテルで行われるパーティで
披露するつもりのようです。彼は以前やはりハワイで起きたセレブの
殺人事件を解決したことがあり、警察から信頼されています。
今回も毒の特定に彼は呼び出されているようですが」
「莢竹桃の毒は花粉や蜜にまで及ぶかな?」
目を瞑ったまま、崇は史紋に尋ねた。
「腐葉土にしても毒性が残ります」
「それで十分だ」
相変わらず余人には解らない会話をする二人である。
小松崎はため息をついて、とりあえず自分の解ることを話すことにした。
「奈々ちゃんの為に縄梯子、調達してくるわ。
多分奈々ちゃんの知ってることと合わせれば、
タタルが有利になるんだろ?」
「それはどうでしょうか?でも彼女に彼が必要な頃なのでは」
崇は眠たげに瞼を開けた。
「彼女は我慢強い性質ですが、いつもと環境が違います。
そろそろ限界かもしれない」
毒草師の意外な言葉に、小松崎はいささか驚いた。
「……あんた、もしかして」
「この部屋を出る時は、僕が部屋まで彼女を送ればミシェルを
誤魔化すことが出来ます。それでは」
余計な発言は一切避けて、史紋はさっさと部屋を出ていった。
小松崎は閉まる扉を見つめて呟いた。
「…沙織ちゃんは怪しい、怪しいと散々言ってたけど、案外イイ奴だな」
「……沙織くんは奈々の為にそう言っているだけだ。さて」
崇は半身を起こすと、小松崎を見た。
「熊に幾つか調べて貰いたいことがある。
それでもパズルの最後のピースが嵌まらない感じではあるが
…もしかしたら彼女が」
崇は細い指を顎にあてた。
「まあ、いい加減――良い加減が大切だからな」
崇はメモと鉛筆を取り出すと、さらさらと何か書き込み、小松崎に渡した。
「しばらく寝る。宜しく頼む」
さっきまで寝てなかったか?と言う突っ込みはせずに、
小松崎はメモを受け取るとまた部屋を出ていった。
「え?!こ、これ着るんですか」
目の前に置かれた服に、奈々は真っ赤になった。
今着ているのは、レースの沢山ついた可愛らしいエプロンの
メイド服である。
「アキバ系って言うんですよね~」
ミシェルの妙な日本通ぶりに奈々は驚きながら、
とりあえず御名形史紋のアドバイスに従い、
ミシェルの言いなりにコスプレに付き合っていた。
そして。
今、奈々の目の前に置かれているのは濃紺のセーラー服だった。
丁度奈々の通っていた、雪ノ下女学院の制服に似ている。
「ミシェルさん…」
流石にこれは断ってもいいだろう。
奈々は勇気を出して、断りの言葉を探した。
すると部屋に史紋が入って来た。
史紋は一瞬奈々に目を止めた。
「……………」
「あの!ミシェルさん」
するとミシェルが振り向くより早く、史紋は奈々の側に寄り、
口早に囁く。
「今夜桑原くんに会うことが出来ます。だからそれまでは」
「……………」
崇に会える。
奈々は思わず表情に出そうになるのを抑えた。
「シモン、これは日本の学校のユニフォームですよね?」
「そうだ」
「ならば奈々は何故恥ずかしがるのでしょうか?」
「そ、それは…」
奈々は恐る恐るセーラー服に手を伸ばした。
まだ崇だって奈々のこんな姿は見たことがない。
大体何故三十も過ぎて、セーラー服を着なければならないのだろうか。
奈々は言いたいことは沢山あったが、傍らでもしかしたら奈々を心配して
くれているのか、静かに立っている史紋を見て、決心した。
成田国際空港に、一人の女性と一人の多分男性らしい姿があった。
女性はすらりとしたスタイルの美人で、顔立ちは若干気が強そうにも
見える。
五十嵐彩子は奈良から近鉄線で名古屋へ出て、新幹線で東京に来た。
母親の代理で出た奈々たちの結婚式で聞いた奈々の妹、
沙織の携帯に電話をかけるとすかさず青山に向かう。
そしてそこで一人の、多分男性をタクシーに乗せ、
成田空港にやって来たのだ。
「やっと奈々さんに会える~」
母親からの注意もそこそこに、彩子はマゼンダ色のスーツケースを引いて、
出国カウンターに向かう。
「それにしても桑原さんをドレスアップ出来る人を連れてけって、
一体ハワイで何があるんだろう?」
母親の話では奈々と崇は、殺人事件に巻き込まれているとのこと。
それなのに『今回の事件は桑原くんがきちんとしないと、
奈々さんが帰れないかもしれない。桑原くんは奈々さんを
逃したら先がないでしょう』と言っていた。
先見の明の有りすぎる母だが、一体何が見えているのか。
彩子は後ろに付いてくる、多分男性にうなずくと、
パスポートを取り出し、カウンターの係員に渡した。
「夕方、僕がミシェルを外に呼び出します。
そうしたら、バルコニーに出て待っていて下さい。
ハワイで夕暮れ時に、ホテルの壁など見ている人間はいないから、
きっと上手く行くでしょう」
御名形史紋のアドバイス通り、奈々はバルコニーに
一人佇んでいた。
昨日もそうだがハワイの黄昏時は特別だ。
どうせなら崇と見たかった…。
すると。
上の窓からするすると、縄梯子が降りてきた。
「まあ!」
奈々は驚いたが、これが史紋の言っていたことだとすぐに理解し、
縄梯子に足をかけた。
ここは八階である。
正直な話、崇が此処に降りて来るのは止めた方がいいだろう。
ならば自分が行くしかない。
奈々は縄梯子を身軽に昇って行った。
上の階の小さな窓に手がかかった時だった。
奈々のよく知ってる、白い細めの指が、奈々の手を握った。
ぐいっと体が持ち上げられて、目の前には肩でぜいぜいと
息をしている崇が現れた。
「タタルさん!」
奈々は構わず抱き付いた。
こんなに会いたかったのは、伊勢で離れ離れになって以来だろうか。
崇は奈々の背をポンポンと軽く叩き、そっと奈々を抱きしめた。
タタルさんだ…。
奈々もきゅっと更に抱き付く。
「……あのう、よ」
「まあ!小松崎さん」
「よう、奈々ちゃん」
奈々は薄く頬を染めた。
「助っ人に来たぜ。…それにしても」
小松崎はコホンと咳払いした。
「奈々ちゃん、なんでそんなカッコウなんだ?」
「あ、これは……」
ミシェルの要望に従って(奈々としては仕方なく)、
半日セーラー服姿で過ごしていた。
「奈々ちゃんも大変だったんだな」
崇は奈々のセーラー服をちらりと眺めると、
大きなため息をついて言った。
「奈々。伊達さんが植物園で倒れていた時、顔色はどうだった?」
「真っ青、と言うより真っ白でした。それでタタルさん」
奈々は崇を見つめた。
「ダイイングメッセージって言うんでしょうか。
伊達さん、救急車に運ばれる前に『マナ』って言ったんです」
「マナ…」
「ええ。御名形さんはハワイの宗教に関わりのある言葉だと」
「…確かに。『マナ』は器物や自然に宿る呪力のような物だ。
折口信夫などは日本の天皇にもこの概念が適応されていると
言っているし、太陽を神とする概念は太平洋の島々でも一般的だ」
「つーことは、伊達が取り引きしようとしてた新興宗教の団体が
怪しいのかな?」
「…それはどうだろう?そう言えば秘書の秋月さんは、
まだ見つからないのか?」
「ああ、そうみたいだな。お前に言われた通り、
新聞社に秋月って女性の身上調査は頼んでおいたが」
「沙織くんに頼んだ方は?」
「そちらもまだ。世田谷区の薬剤師会なら、お前が尋ねた方が早いだろ」
「あそこの会長は……彼女のファンなんだ」
崇はちらりと奈々に視線をやった。
「妹の沙織くんが尋ねた方が、多く情報を得られる」
「了解」
小松崎は崇に同情の目を向けながら、手を上げて頷いた。
※続く(^_^;)
二日目の昼。
取材から戻った小松崎は、ホテルの玄関で意外な人物と
出会った。
「あんたは…」
「桑原くんと話すことは出来ますか?」
能面のように微塵も表情を動かさない御名形史紋だが、
この様子だと小松崎を待ち構えていたようである。
「ああ…タタル以外の出入りは自由だからな」
本当のことを言えば、このプアラニ・リゾートから出なければ
ホテルへの出入りは、奈々も崇も自由の筈だが、
皆そのことに気付いていない。
「桑原くんは最上階の部屋ですね。行きましょう」
史紋は白いサマースーツの裾を翻すと、さっさと歩き始めた。
部屋に戻ると崇は相変わらず昼寝に余念がなかった。
昨夜小松崎からある程度の状況を聞き出した後は、寝てばかりいる。
長い付き合いの小松崎には、これは崇が何かしか考えている時だと
解るので放置しているが、傍から見たら明らかに
『妻に家出され、見捨てられた男』と言った雰囲気だった。
史紋は物置部屋の扉を閉めると、小松崎を相手に静かに話し始める。
「彼女はこのすぐ下の階の部屋にいます」
「奈々ちゃんが?」
「この窓の下がスウィートルームのバルコニーになっています。
此処から縄梯子でも下ろせば…」
「奈々ちゃんに会えるってか」
「彼女がこちらに昇って来る方が、桑原くんが下に降りるより
効率的でしょう」
「ぶっ…。確かに」
あまりに冷静沈着な史紋の指摘に小松崎は吹き出した。
「ミシェルは事件の解決を、明後日ホテルで行われるパーティで
披露するつもりのようです。彼は以前やはりハワイで起きたセレブの
殺人事件を解決したことがあり、警察から信頼されています。
今回も毒の特定に彼は呼び出されているようですが」
「莢竹桃の毒は花粉や蜜にまで及ぶかな?」
目を瞑ったまま、崇は史紋に尋ねた。
「腐葉土にしても毒性が残ります」
「それで十分だ」
相変わらず余人には解らない会話をする二人である。
小松崎はため息をついて、とりあえず自分の解ることを話すことにした。
「奈々ちゃんの為に縄梯子、調達してくるわ。
多分奈々ちゃんの知ってることと合わせれば、
タタルが有利になるんだろ?」
「それはどうでしょうか?でも彼女に彼が必要な頃なのでは」
崇は眠たげに瞼を開けた。
「彼女は我慢強い性質ですが、いつもと環境が違います。
そろそろ限界かもしれない」
毒草師の意外な言葉に、小松崎はいささか驚いた。
「……あんた、もしかして」
「この部屋を出る時は、僕が部屋まで彼女を送ればミシェルを
誤魔化すことが出来ます。それでは」
余計な発言は一切避けて、史紋はさっさと部屋を出ていった。
小松崎は閉まる扉を見つめて呟いた。
「…沙織ちゃんは怪しい、怪しいと散々言ってたけど、案外イイ奴だな」
「……沙織くんは奈々の為にそう言っているだけだ。さて」
崇は半身を起こすと、小松崎を見た。
「熊に幾つか調べて貰いたいことがある。
それでもパズルの最後のピースが嵌まらない感じではあるが
…もしかしたら彼女が」
崇は細い指を顎にあてた。
「まあ、いい加減――良い加減が大切だからな」
崇はメモと鉛筆を取り出すと、さらさらと何か書き込み、小松崎に渡した。
「しばらく寝る。宜しく頼む」
さっきまで寝てなかったか?と言う突っ込みはせずに、
小松崎はメモを受け取るとまた部屋を出ていった。
「え?!こ、これ着るんですか」
目の前に置かれた服に、奈々は真っ赤になった。
今着ているのは、レースの沢山ついた可愛らしいエプロンの
メイド服である。
「アキバ系って言うんですよね~」
ミシェルの妙な日本通ぶりに奈々は驚きながら、
とりあえず御名形史紋のアドバイスに従い、
ミシェルの言いなりにコスプレに付き合っていた。
そして。
今、奈々の目の前に置かれているのは濃紺のセーラー服だった。
丁度奈々の通っていた、雪ノ下女学院の制服に似ている。
「ミシェルさん…」
流石にこれは断ってもいいだろう。
奈々は勇気を出して、断りの言葉を探した。
すると部屋に史紋が入って来た。
史紋は一瞬奈々に目を止めた。
「……………」
「あの!ミシェルさん」
するとミシェルが振り向くより早く、史紋は奈々の側に寄り、
口早に囁く。
「今夜桑原くんに会うことが出来ます。だからそれまでは」
「……………」
崇に会える。
奈々は思わず表情に出そうになるのを抑えた。
「シモン、これは日本の学校のユニフォームですよね?」
「そうだ」
「ならば奈々は何故恥ずかしがるのでしょうか?」
「そ、それは…」
奈々は恐る恐るセーラー服に手を伸ばした。
まだ崇だって奈々のこんな姿は見たことがない。
大体何故三十も過ぎて、セーラー服を着なければならないのだろうか。
奈々は言いたいことは沢山あったが、傍らでもしかしたら奈々を心配して
くれているのか、静かに立っている史紋を見て、決心した。
成田国際空港に、一人の女性と一人の多分男性らしい姿があった。
女性はすらりとしたスタイルの美人で、顔立ちは若干気が強そうにも
見える。
五十嵐彩子は奈良から近鉄線で名古屋へ出て、新幹線で東京に来た。
母親の代理で出た奈々たちの結婚式で聞いた奈々の妹、
沙織の携帯に電話をかけるとすかさず青山に向かう。
そしてそこで一人の、多分男性をタクシーに乗せ、
成田空港にやって来たのだ。
「やっと奈々さんに会える~」
母親からの注意もそこそこに、彩子はマゼンダ色のスーツケースを引いて、
出国カウンターに向かう。
「それにしても桑原さんをドレスアップ出来る人を連れてけって、
一体ハワイで何があるんだろう?」
母親の話では奈々と崇は、殺人事件に巻き込まれているとのこと。
それなのに『今回の事件は桑原くんがきちんとしないと、
奈々さんが帰れないかもしれない。桑原くんは奈々さんを
逃したら先がないでしょう』と言っていた。
先見の明の有りすぎる母だが、一体何が見えているのか。
彩子は後ろに付いてくる、多分男性にうなずくと、
パスポートを取り出し、カウンターの係員に渡した。
「夕方、僕がミシェルを外に呼び出します。
そうしたら、バルコニーに出て待っていて下さい。
ハワイで夕暮れ時に、ホテルの壁など見ている人間はいないから、
きっと上手く行くでしょう」
御名形史紋のアドバイス通り、奈々はバルコニーに
一人佇んでいた。
昨日もそうだがハワイの黄昏時は特別だ。
どうせなら崇と見たかった…。
すると。
上の窓からするすると、縄梯子が降りてきた。
「まあ!」
奈々は驚いたが、これが史紋の言っていたことだとすぐに理解し、
縄梯子に足をかけた。
ここは八階である。
正直な話、崇が此処に降りて来るのは止めた方がいいだろう。
ならば自分が行くしかない。
奈々は縄梯子を身軽に昇って行った。
上の階の小さな窓に手がかかった時だった。
奈々のよく知ってる、白い細めの指が、奈々の手を握った。
ぐいっと体が持ち上げられて、目の前には肩でぜいぜいと
息をしている崇が現れた。
「タタルさん!」
奈々は構わず抱き付いた。
こんなに会いたかったのは、伊勢で離れ離れになって以来だろうか。
崇は奈々の背をポンポンと軽く叩き、そっと奈々を抱きしめた。
タタルさんだ…。
奈々もきゅっと更に抱き付く。
「……あのう、よ」
「まあ!小松崎さん」
「よう、奈々ちゃん」
奈々は薄く頬を染めた。
「助っ人に来たぜ。…それにしても」
小松崎はコホンと咳払いした。
「奈々ちゃん、なんでそんなカッコウなんだ?」
「あ、これは……」
ミシェルの要望に従って(奈々としては仕方なく)、
半日セーラー服姿で過ごしていた。
「奈々ちゃんも大変だったんだな」
崇は奈々のセーラー服をちらりと眺めると、
大きなため息をついて言った。
「奈々。伊達さんが植物園で倒れていた時、顔色はどうだった?」
「真っ青、と言うより真っ白でした。それでタタルさん」
奈々は崇を見つめた。
「ダイイングメッセージって言うんでしょうか。
伊達さん、救急車に運ばれる前に『マナ』って言ったんです」
「マナ…」
「ええ。御名形さんはハワイの宗教に関わりのある言葉だと」
「…確かに。『マナ』は器物や自然に宿る呪力のような物だ。
折口信夫などは日本の天皇にもこの概念が適応されていると
言っているし、太陽を神とする概念は太平洋の島々でも一般的だ」
「つーことは、伊達が取り引きしようとしてた新興宗教の団体が
怪しいのかな?」
「…それはどうだろう?そう言えば秘書の秋月さんは、
まだ見つからないのか?」
「ああ、そうみたいだな。お前に言われた通り、
新聞社に秋月って女性の身上調査は頼んでおいたが」
「沙織くんに頼んだ方は?」
「そちらもまだ。世田谷区の薬剤師会なら、お前が尋ねた方が早いだろ」
「あそこの会長は……彼女のファンなんだ」
崇はちらりと奈々に視線をやった。
「妹の沙織くんが尋ねた方が、多く情報を得られる」
「了解」
小松崎は崇に同情の目を向けながら、手を上げて頷いた。
※続く(^_^;)
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主婦
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読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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一切関係がありません。
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著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
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