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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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かなりお調子にのって、もう五話目。
あわわ、まだお話初めの方なんですけど…まだ彩子ちゃんハワイに
着いてませんけどなどとあわてつつ、更新します。

昨日の今日で、関節じゅう痛くて(T_T)仕方なくごろ寝しながら
続きを書きました。

やっぱ史紋さんと奈々ちゃんの会話を考えるのが、
実は楽しい森伊蔵です。悔しがれ!タタルさん(笑)

※ちょっと訂正のお知らせです。あれこれサイトを見た所
毒物の名前が間違っていました(^_^;)慣れないことはするものでは
ありませんね(苦笑)訂正させて頂きます。ミステリーだったら
ものすごいヒント?になっちゃうかもしれない訂正ですが、
これラブコメだから(爆)


お話は続き記事からです。

拍手[3回]


◆◆◆



コテージの受付のフロントで崇と小松崎の二人は、
疲れたようにソファに埋もれた。
なんと崇と奈々の申し込んだ部屋の予約は取り消されており、
二人の荷物は移動されていた。
フロントマンがやって来て言う。
「お客様のご予約は、改めてエルガーホテルに取り直されて
 いらっしゃいます。お荷物もそちらの方に、移動してございます。
 ただいまご案内致します」
恐らく奈々もそちらにいるのだろう。
崇はだるそうに立ち上がり、フロントマンの後に、小松崎と共に続いた。
―――ところが。
同じ敷地内にあるエルガーホテルで案内されたのは、
なんと最上階にあるどう見ても物置部屋だ。
「…………」
「当ホテルのオーナーが貴方の身許引き受け人になったようです。
 お客様が警察より、解放されたのはその為で、
 オーナーからの指示で当分こちらのお部屋で見張るようにと」
「おいおいおい~。そいで奈々ちゃんはどうしてんだよ。
 コイツの連れなんだ」
「ナナ・クワバラ様はやはりオーナーからの指示で、
 別のお部屋にご滞在なさってます」
エルガーホテルのフロントマンは、きちんとした発音の英語で、
淀みなく答えた。
まるでそつがなく、これ以上あれこれ質問してもきっと必要以上には
答えがないに違いない。
崇はため息を付くと、部屋の奥に置かれた、
背もたれ部分が破れているソファに寝転がった。
「まあ、あの様子なら彼女は大丈夫だろう。それより――」
小さな窓を開ける小松崎に、崇は視線を向けた。
「事件の概要を初めから話してくれないか、熊つ崎。
 英語の会話ばかりだったんで、今一つ頭に入らない」
「…珍しいな。お前から事件の話を聞きたがるなんて」
「…そうでもしなきゃ、彼女が戻って来れないだろう」
「奈々ちゃんの為か」
小松崎はにやにやしながら、振り向いた。
「…………自分の為だ」
「その替わりお前の見たことも話せ」
小松崎はメモ帳を胸ポケットから取り出すと、話し始めた。




「アレルギー?」
「はい。この時期だと花粉症だと思うのですが、
 伊達さんは目を真っ赤にしてました。飛行機の中からです」
「スギやヒノキはもう鎮静化している時期ですね」
「ええ、多分シラカンバかイネ科…でももしかしたらヨモギかも」
「ハワイに着いてからはどうでしたか?」
「……バーでお会いした時に、漢方薬を飲んだって言ってましたけど」
「それは桑原くんの専門ですね」
ミシェルはまだ戻らないようだ。
豪華な応接セットに腰掛け、史紋と奈々は向かい合って話していた。
先程史紋がフロントに頼んで、目の前にはアイスのハーブティーが
置かれている。
ローズマリーの静かな香りが鼻をくすぐる。
「倒れてた時の伊達さんの様子は?」
「真っ青…と言うより真っ白でした。一瞬もう亡くなられてるのかと、
 思ってしまったくらい。……あ、でも」
奈々はハーブティーを一口飲むと、思い出したように呟いた。
「一言だけですけど、話してました」
「なんと?」
「聞こえにくかったので正確ではないかもしれませんが『マナ』って」
「マナ?」
「はい」
「連れの女性は確か…」
「秋月愛、アキヅキアイさんだと思います」
「マナ……か」
「御名形さん、何か思い当たることがあるんですか?」
考えこむ表情を見せた史紋に、奈々はそっと尋ねてみた。
「ここがハワイだと言うことが問題かもしれません」
「ハワイに関係のある言葉なんですか?」
「ハワイ…と言うか、日本の沖縄や九州なども含めた、
 ポリネシア文化に」
「ポリネシア?」
「日本の主たる神は『天照大御神』…太陽神ですね」
「あ、でもそれはタタルさんが…」
「ああ、貴方に話す時は一般論では話せないことを忘れていた」
珍しく史紋が微笑んだ。
史紋が自分も一般的ではないことを棚に上げていることを、
奈々は考えないことにした。
「例えばよく『九十九神』などの、『モノ』に宿る霊の話は
 聞いたことがあるでしょう」
「はい。確か長い間使われた楽器が自分で動いたりしたって
 言う話ですね」
「玄象の琵琶の話ですね。今昔物語だ。――そう言った万物に宿る神
 …霊力、呪、その概念をマナと、太平洋に散らばる島々で
 呼んでいるのです。とても簡便な説明ではありますが」
崇と持っている知識の重なりを感じる御名形史紋だが、
つい詳しく話過ぎる崇と違って(奈々には特に)、
史紋の言葉は明瞭でかなり簡潔だった。素っ気ないとも言える。
「その『マナ』が伊達さんと関係があるのでしょうか?」
「さあ、それは。じきにミシェルが戻ったら解るでしょう。
 伊達さん個人の情報が少なすぎますし、
 秋月と言う女性も行方が知れないと聞きましたが」
「………」
伊達がプルメリアの木の下で倒れていた時、
秋月愛は足早にあの場を立ち去っていたのだ。
もし――伊達が亡くなった原因が事故でないのであれば、
一番怪しいのは彼女だろう。




「伊達氏は美術品ブローカーなんだな」
「店は持たずに、あるのは事務所だけなんだが、
 あの世界は結構あるらしいな。『旗師』って言うんだ」
「ハワイには美術品の取り引きに来ていた?」
「美術品って程でもないかもしれないが…。
 俺がパリで追いかけてたのは、贋作や詐欺で有名な奴等で、
 かなり悪質だった。日本の美術品もかなり流失してるらしくて、
 中には天皇陵の盗掘品まであるって噂だった」
「まあ、ニューヨークのメトロポリタンにも仁徳天皇陵からの
 遺物があるって聞いたことがあるくらいだから…。
 大体幕末になるまで放置に近い扱いだったんだから、
 そんなこともあるだろう」
小松崎は大きな体つきには似合わない仕種で肩をすくめて、
煙草をふかした。
「伊達って男も、まともな商売ばかりしてた訳じゃないだろうよ。
 奴が会う予定だったのは、一組はハワイに住むアメリカ南部の
 石油会社の会長で、引退後趣味で集めてる浮世絵を伊達から
 買おうとしてた。問題はもう一人」
灰皿がないので、先程飲んだバドワイザーの空缶に吸殻を落とす。
「ヨーロッパにも支部がある宗教法人で、
 このハワイに本部がある。座禅組んだりヨガやったり、
 まあ流行りの新興宗教の団体があるんだが、
 そこの教祖と会う約束になってたらしい」
崇はソファからむくりと起き上がった。
「宗教法人と美術品ブローカー?」
「さっきハワイの州警察で聞いたんだが、伊達から買った呪具を
 受け渡して貰う予定だったそうだ。
 もう代金は支払われているとかで、警察に訴えがあった。
 しかしまだ伊達が死んだか死なないかのうちだぜ。怪しいだろ?」
「…………」
崇はまたゴロリと横になった。
「俺が先程警察官から取り調べ中に聞いた話では、
 伊達さんからは微量の強心配糖体…オレアンドリンなんかが
 が検出されていた。
 ただ致死量かどうかはこれから検証すると言っていたが――」
崇はシミだらけの天井の一点をじっと見つめた。
奈々は今どうしているだろう。
いつも揺るぎない性格の奈々である。
心配はしていないが、一応この旅行は新婚旅行だったのだ。
こんな風に自分以外のことを考えるようになったのは、
奈々の影響だった。
何せ彼女は『旅に出れば事件に出会す』症候群なのだ。
こんなことにはならないように、崇なりに祈りながらも
(ただし、何に?と問われても、よく解らなかったが)、
十中八九は予想通りの展開だった。
きっと九州に行っても、何かの事件に巻き込まれていただろう。
そう思ったら、奈々のふくれ面が思い浮かび、
崇は口許に微かな笑みを浮かべた。




「奈々!コレ、コレ着てみて!」
ミシェルが部屋に戻ったのは二時間後だった。
その手に、やけに高級そうな桐の箱を抱えている。
「……着物?」
微かに樟脳の香りがした。
「うん。ユウゼンって言うんでしょ」
「……………」
ミシェルが開けた箱を覗くと、そこには浅葱色から瑠璃色へと
暈しのかかった地に、鮮やかな花車の描かれた
かなり華やかな友禅の振袖が、折り畳まれて入っていた。
まさかとは思うが。
「奈々に着て欲しいナ」
ミシェルはニコニコと微笑んでいる。
「こんな……ミシェルさん」
奈々は戸惑った表情のまま、顔を上げた。
「日本では結婚した女性は振袖を着ません」
「本当か、シモン」
ミシェルは奈々の隣で、無表情のまま呆れている史紋に尋ねた。
「嘘ではない。尤も最近ではあまり気にしなくなってきてはいるが」
「なんだ~。じゃあ、気にしないでイイです。
 奈々、どうせ事件が解決するまで時間あります。
 コスプレして楽しみましょー」
「…コスプレ」
何と断ったものか奈々が迷っていると、史紋がそっと囁いた。
「此処は大人しく彼の言うことを聞いた方がいいかもしれません。
 きっとミシェルは警察から詳しい話を聞いた筈。
 貴方が上手く質問すれば、話を聞くことが出来るでしょう」
「…………」
ちらりと横を見ると、史紋は相変わらず涼しげな表情のままだ。
奈々は小さくため息をついて、桐箱を抱えた。
「あちらで着替えて来るので、待ってて下さいね」
奈々は自分の寝室へと向かった。




※奈々ちゃんはコスプレ大会決定(笑)さあ~何着せようかな♪
(私が楽しんでどうする)
なんかタタルさんが偉くまともに事件に取り組んでいます。
歴史薀蓄なんてハワイで繰り出すのは、ちょっと難しい~(^_^;)

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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
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著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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