タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日は主人が仕事だった為、帰りに一緒にご飯にしようとのことで
渋谷に行くついでに明治神宮まで行ってきました。
結婚式が二件も入っていてめでたい一日でした。
原宿エリアの中でも、神宮の敷地は広いし、あれだけ混雑していても
なんとかゆとりがあって、好きな場所です。
外国人の方の参拝も多かったです。
でもどんな神様(明治天皇ですよね~)かご存じなのか、
気になる森伊蔵でした(^_^;)
さてハワイ話、第六弾。
つーか六話も書いて、まだ一日しか経ってないんですけど!
もう腹くくって20話くらいまで書くか、と考え中です。
お話は続き記事からです。
渋谷に行くついでに明治神宮まで行ってきました。
結婚式が二件も入っていてめでたい一日でした。
原宿エリアの中でも、神宮の敷地は広いし、あれだけ混雑していても
なんとかゆとりがあって、好きな場所です。
外国人の方の参拝も多かったです。
でもどんな神様(明治天皇ですよね~)かご存じなのか、
気になる森伊蔵でした(^_^;)
さてハワイ話、第六弾。
つーか六話も書いて、まだ一日しか経ってないんですけど!
もう腹くくって20話くらいまで書くか、と考え中です。
お話は続き記事からです。
◆◆◆
振袖は着てみると、それほど派手な物ではなく、
しかも恐らく年代物で最高級の品だった。
「思った通りです。君なら似合うと思ってた」
ミシェルは何処から持って来たのか、
このホテルのスウィートルームには似合わない、
事務用の回転式の椅子に背もたれに向かって座っていた。
まるで子供のようだ。
「あの、御名形さんは?」
「史紋は一度部屋に戻った」
「…そうですか」
奈々は少し心細くなった。
タタルさん、どうしているだろう?まだ警察にいるのだろうか。
彼のことだから、どんな状況でもそれほど困ってはいないだろうが、
しかし今回の旅行は新婚旅行だったのだ。
やはり海外など無理があったのかもしれない。
崇の行きたかった九州に行っていれば、こんな目には…。
「奈々は僕のグラン・マに似てるんだ」
「え?」
「僕の父方のお祖母さんは、日系人でね。ハワイに住んでた。
ここで僕の祖父と知り合ったんだよ」
「まあ…」
目の前の男は日本人とは、かけ離れた顔立ちをしている。
きっと母親は白人なのだろう。
「僕はずっと日本に親しみを持って来ました。
フジヤマとゲイシャだけの国じゃない。ニンジャがいないことも知ってる。
あ、でも史紋がコミックみたいなニンジャじゃなければ、
いるって言ってたかな」
確かにいた。崇の同級生は今でも、忍術を継承している家系の出身だった。
「奈々みたいなヤマトナデシコもいるし」
「ミシェルさんは」
奈々は思い切って尋ねることにした。
「わたしのことを良く知ってらっしゃるようなんですが、
何処かでお会いしたのでしょうか?」
「……出来れば思い出して欲しかったけど」
ミシェルは苦笑して、肩を竦めた。柔らかい色の金髪が、
窓からの夕焼けの光を受けて揺れる。
「奈々にはサオリって言う四歳下の妹さんがいるでしょう?」
「はい」
「小さな頃鎌倉に住んでた」
「今でも両親は鎌倉にいます」
…と言うことは、子供の頃に知り合ったのだろうか。
外国人でミシェル程印象に残る容姿なら、奈々は忘れない自信があったが、
ミシェルのことはまるで思い出せない。
「僕は父の仕事柄、悪い大人に誘拐されたりしないよう、
子供の頃は学校には通っていませんでした。
ハイスクールになって、やっと寄宿舎のある学校に行きましたが。
なので祖母が自分の一族の為のお墓参りに日本に来た折に
着いて行った時は、初めて身の回りにセキュリティのない状態
だったんです」
確かにエルガーホテルチェーンの会長の息子では、
子供の頃から自由が少なかったかもしれない。
ミシェルのやや強引な性格はこう言った育ち方に、
起因しているのだろうか?
「由比ヶ浜を散歩していた時でした。何人かの子供がいて、
浜辺で鬼ごっこが始まった。一人だったし、
外国人には声がかけづらかったのでしょう。
皆、僕のことは見てるのに、遠巻きにしていた。そしたら」
奈々がミシェルを見ると、ミシェルは大きく開かれたバルコニーに
続く窓を見ていた。
鮮やかなハワイの黄昏時だ。
まるで何かの映像のように、現実感のない美しさだった。
「貴方が来て言ったんです。『一緒に鬼ごっこしよう』と」
「………すみません、わたし覚えていないみたいで」
「その時だけのことだし、僕は貴方が折角誘ってくれたのに、
変に意地を張って、鬼ごっこには加わらなかった。
覚えていなくても仕方ないです」
椅子にもたれてじっと外を見るミシェルは、少し寂しそうに見えた。
「帰って祖母に話したら由比ヶ浜の『ゆい』は縁を結ぶと言う意味の、
結いだと教えてくれました。だから奈々とも必ず縁があるだろうと」
「まあ…」
「その口癖も変わりませんね」
ミシェルは微笑むと立ち上がった。
「奈々は今幸せ?」
「え?え、ええ、はいっ」
「あんなボサボサの案山子で君を幸せに出来るの?」
「案山子…タタルさんのことですか」
崇のひょろりとした姿が思い浮かんで、奈々は吹き出してしまった。
「ふうん。僕は初恋の女性を『出来ない男』には渡したくありません。
彼が奈々に相応しいと証明出来ないようなら、
奈々を返すのやめようかな」
「ええっ」
ミシェルはにやりと笑うと、奈々にウィンクした。
「次の衣装持って来ます。花も女性も美しく着飾ってこそ、です。
――その着物、グラン・マのものでした。
日本からハワイに来る時に持って来て、唯一手元に残った品だそうです」
「…………」
奈々は困ってしまった。ミシェルは悪い人物ではない。
しかし簡単な理屈では誤魔化せない相手でもある。
ミシェルの後ろ姿を見ながら、思わずため息が出てしまった。
夜になると、少し涼しげな風が部屋に吹き込んだ。
崇は小松崎が仕入れてきたフォアローゼスをグラスに注ぐと、口をつけた。
事件の概要は判った。
被害者の伊達には、恨みを買っても仕方のないような要因が
いくつかあること。
――例えば、仕事の美術品ブローカーも不透明な部分が多く、
伊達の扱う品物は、市価より安いものが多かった。
それ故客も多かっただろうが、品物の真贋については
確かではなかったのである。
ただでさえも美術品、骨董品の世界は値段などあってないような
ものなのだ。
そして、現在行方の解らない秘書の秋月愛だ。
小松崎が東京に問い合わせた所、まだ秘書になって一年と経たない
ようだったが、伊達がぞんざいに扱うことが多く、
取引先の者たちはほとんどが愛に同情していた。
奈々はまだ生きていた伊達に出会している。
奈々から話が聞けたら、何か気付くことが出来るだろう。
小松崎が外から戻って来た。
「沙織ちゃんと連絡が取れたぜ。ガイシャやあの秘書の女性の
情報が入ったら、知らせてくれるそうだ。
『全く何も予想通りに巻き込まれなくてもいいだろう』
って言ってたぜ」
「…………」
小松崎もグラスを出して、氷も入れずにグラスにバーボンを注ぐ。
琥珀色の液体が揺れた。
「奈々ちゃんを保護してるのも、此処のオーナーなんだな」
「……多分」
「何でもMITの研究員で、植物の品種改良では有名な
男らしいぜ。子供の頃は金持ちで天才児で騒がれたって。
それでイケメンだろ。お前心配してないのか?」
「何を?」
「…何をって。お前のかみさんだよ」
「彼女なら大丈夫だ」
あっさり言い切る崇に、小松崎はやれやれと手を振った。
「少し心配してやった方がいいぞ」
「お前に言われたくない」
小松崎は本人も気付かないうちに、奈々の妹の沙織に失恋した
経緯がある。
「無くしてからじゃ遅いぞ」
「もう結婚してる」
「だから、安心って言うのか?」
にやりと笑う小松崎を横目で見て、崇はぐいっとグラスを空けた。
ハワイに着いて最初の夜が更けていく。まだ後五日。
早く厄介な事は片付けて、平穏無事に過ごせるよう、
努めるつもりだった。
翌朝。
奈々がかなりゴージャスなベッドで目覚めると、
ホテルのメイドがカフェオレを持って現れた。
「あ、さ、Thank You」
慣れないサービスに戸惑いながら、奈々はそっとベッドから降りる。
九階建てのホテルの八階に当たるこの部屋の眺望は、素晴らしかった。
ビーチには奈々たちが泊まる筈だったコテージも見える。
「…タタルさん」
全く気のない崇をハワイに連れてきた罸が当たったのだ。
例え四六時中、神社や歴史の蘊蓄だらけの旅になったとしても、
それがなんだと言うのだろう。
こんな風に離れ離れになるくらいなら、それくらいいくらでも
聞いていたのに。
崇と暮らし始めるまでは、ひどいと一年に一度しか会わないような時も
あった。そのことに少しの淋しさはあっても、不満など感じなかった
奈々だったが、今は違う。
どんな時、どんな場所でも一緒にいたかった。
奈々はスーツケースに入れておいた、ハワイの歴史の本を取り出した。
近頃、崇の影響で自分たちが訪れる場所の歴史くらいは
自分で調べるようになっていた。
オアフ島を初めとするハワイ諸島には、人は住んではいなかった。
それがいつの頃からか、まるで椰子の実が流れ着いて根付くように、
海からやって来た人々が住み始める。
ミシェルが昨夜、奈々の「貴方はアメリカ人ですか?」と言う質問に
対して、こう答えていた。
「さあ、どうでしょうか?少し話しましたが、
僕の祖父はイギリスから来た移民ですし、祖母は日本から来ました。
母はフランス人ですが、ブルターニュの出身なので、
イギリスに近いような文化で育っています。
奈々、アメリカにはアメリカ国籍の住民はいても、
貴方たち日本人が考えるような、『アメリカ人』はいないんですよ。
皆流浪の民なんです。現実に僕はしょっちゅう研究の為に、
ヨーロッパやアジアに行きますから、アメリカ本土にいることは
少ないです。ハワイには年に三ヶ月くらいは滞在してはいますが」
と答えていた。
奈々は考える。
そう言えば奈々の好きなプルメリアはキョウチクトウ科の植物で、
いかにもハワイを感じさせるのに、ハワイ原産の植物ではなかった。
…キョウチクトウ。
確か漢方として使われることもあるが、かなり毒性の強い植物では
なかったか。
プルメリアも花はレイなどに使い、触れても大丈夫だが、
確か樹木には毒があったはず。
伊達はプルメリアの木の下に倒れていた。
―――後で御名形史紋が来たら聞いてみよう。
奈々はそう決めると、ベッドサイドに置かれたカフェオレを手に取った。
※原作にならって、事件関係者があまり直接出てこない展開に
なっちゃった(^_^;)
これ事件は解決するのでしょうか?←
振袖は着てみると、それほど派手な物ではなく、
しかも恐らく年代物で最高級の品だった。
「思った通りです。君なら似合うと思ってた」
ミシェルは何処から持って来たのか、
このホテルのスウィートルームには似合わない、
事務用の回転式の椅子に背もたれに向かって座っていた。
まるで子供のようだ。
「あの、御名形さんは?」
「史紋は一度部屋に戻った」
「…そうですか」
奈々は少し心細くなった。
タタルさん、どうしているだろう?まだ警察にいるのだろうか。
彼のことだから、どんな状況でもそれほど困ってはいないだろうが、
しかし今回の旅行は新婚旅行だったのだ。
やはり海外など無理があったのかもしれない。
崇の行きたかった九州に行っていれば、こんな目には…。
「奈々は僕のグラン・マに似てるんだ」
「え?」
「僕の父方のお祖母さんは、日系人でね。ハワイに住んでた。
ここで僕の祖父と知り合ったんだよ」
「まあ…」
目の前の男は日本人とは、かけ離れた顔立ちをしている。
きっと母親は白人なのだろう。
「僕はずっと日本に親しみを持って来ました。
フジヤマとゲイシャだけの国じゃない。ニンジャがいないことも知ってる。
あ、でも史紋がコミックみたいなニンジャじゃなければ、
いるって言ってたかな」
確かにいた。崇の同級生は今でも、忍術を継承している家系の出身だった。
「奈々みたいなヤマトナデシコもいるし」
「ミシェルさんは」
奈々は思い切って尋ねることにした。
「わたしのことを良く知ってらっしゃるようなんですが、
何処かでお会いしたのでしょうか?」
「……出来れば思い出して欲しかったけど」
ミシェルは苦笑して、肩を竦めた。柔らかい色の金髪が、
窓からの夕焼けの光を受けて揺れる。
「奈々にはサオリって言う四歳下の妹さんがいるでしょう?」
「はい」
「小さな頃鎌倉に住んでた」
「今でも両親は鎌倉にいます」
…と言うことは、子供の頃に知り合ったのだろうか。
外国人でミシェル程印象に残る容姿なら、奈々は忘れない自信があったが、
ミシェルのことはまるで思い出せない。
「僕は父の仕事柄、悪い大人に誘拐されたりしないよう、
子供の頃は学校には通っていませんでした。
ハイスクールになって、やっと寄宿舎のある学校に行きましたが。
なので祖母が自分の一族の為のお墓参りに日本に来た折に
着いて行った時は、初めて身の回りにセキュリティのない状態
だったんです」
確かにエルガーホテルチェーンの会長の息子では、
子供の頃から自由が少なかったかもしれない。
ミシェルのやや強引な性格はこう言った育ち方に、
起因しているのだろうか?
「由比ヶ浜を散歩していた時でした。何人かの子供がいて、
浜辺で鬼ごっこが始まった。一人だったし、
外国人には声がかけづらかったのでしょう。
皆、僕のことは見てるのに、遠巻きにしていた。そしたら」
奈々がミシェルを見ると、ミシェルは大きく開かれたバルコニーに
続く窓を見ていた。
鮮やかなハワイの黄昏時だ。
まるで何かの映像のように、現実感のない美しさだった。
「貴方が来て言ったんです。『一緒に鬼ごっこしよう』と」
「………すみません、わたし覚えていないみたいで」
「その時だけのことだし、僕は貴方が折角誘ってくれたのに、
変に意地を張って、鬼ごっこには加わらなかった。
覚えていなくても仕方ないです」
椅子にもたれてじっと外を見るミシェルは、少し寂しそうに見えた。
「帰って祖母に話したら由比ヶ浜の『ゆい』は縁を結ぶと言う意味の、
結いだと教えてくれました。だから奈々とも必ず縁があるだろうと」
「まあ…」
「その口癖も変わりませんね」
ミシェルは微笑むと立ち上がった。
「奈々は今幸せ?」
「え?え、ええ、はいっ」
「あんなボサボサの案山子で君を幸せに出来るの?」
「案山子…タタルさんのことですか」
崇のひょろりとした姿が思い浮かんで、奈々は吹き出してしまった。
「ふうん。僕は初恋の女性を『出来ない男』には渡したくありません。
彼が奈々に相応しいと証明出来ないようなら、
奈々を返すのやめようかな」
「ええっ」
ミシェルはにやりと笑うと、奈々にウィンクした。
「次の衣装持って来ます。花も女性も美しく着飾ってこそ、です。
――その着物、グラン・マのものでした。
日本からハワイに来る時に持って来て、唯一手元に残った品だそうです」
「…………」
奈々は困ってしまった。ミシェルは悪い人物ではない。
しかし簡単な理屈では誤魔化せない相手でもある。
ミシェルの後ろ姿を見ながら、思わずため息が出てしまった。
夜になると、少し涼しげな風が部屋に吹き込んだ。
崇は小松崎が仕入れてきたフォアローゼスをグラスに注ぐと、口をつけた。
事件の概要は判った。
被害者の伊達には、恨みを買っても仕方のないような要因が
いくつかあること。
――例えば、仕事の美術品ブローカーも不透明な部分が多く、
伊達の扱う品物は、市価より安いものが多かった。
それ故客も多かっただろうが、品物の真贋については
確かではなかったのである。
ただでさえも美術品、骨董品の世界は値段などあってないような
ものなのだ。
そして、現在行方の解らない秘書の秋月愛だ。
小松崎が東京に問い合わせた所、まだ秘書になって一年と経たない
ようだったが、伊達がぞんざいに扱うことが多く、
取引先の者たちはほとんどが愛に同情していた。
奈々はまだ生きていた伊達に出会している。
奈々から話が聞けたら、何か気付くことが出来るだろう。
小松崎が外から戻って来た。
「沙織ちゃんと連絡が取れたぜ。ガイシャやあの秘書の女性の
情報が入ったら、知らせてくれるそうだ。
『全く何も予想通りに巻き込まれなくてもいいだろう』
って言ってたぜ」
「…………」
小松崎もグラスを出して、氷も入れずにグラスにバーボンを注ぐ。
琥珀色の液体が揺れた。
「奈々ちゃんを保護してるのも、此処のオーナーなんだな」
「……多分」
「何でもMITの研究員で、植物の品種改良では有名な
男らしいぜ。子供の頃は金持ちで天才児で騒がれたって。
それでイケメンだろ。お前心配してないのか?」
「何を?」
「…何をって。お前のかみさんだよ」
「彼女なら大丈夫だ」
あっさり言い切る崇に、小松崎はやれやれと手を振った。
「少し心配してやった方がいいぞ」
「お前に言われたくない」
小松崎は本人も気付かないうちに、奈々の妹の沙織に失恋した
経緯がある。
「無くしてからじゃ遅いぞ」
「もう結婚してる」
「だから、安心って言うのか?」
にやりと笑う小松崎を横目で見て、崇はぐいっとグラスを空けた。
ハワイに着いて最初の夜が更けていく。まだ後五日。
早く厄介な事は片付けて、平穏無事に過ごせるよう、
努めるつもりだった。
翌朝。
奈々がかなりゴージャスなベッドで目覚めると、
ホテルのメイドがカフェオレを持って現れた。
「あ、さ、Thank You」
慣れないサービスに戸惑いながら、奈々はそっとベッドから降りる。
九階建てのホテルの八階に当たるこの部屋の眺望は、素晴らしかった。
ビーチには奈々たちが泊まる筈だったコテージも見える。
「…タタルさん」
全く気のない崇をハワイに連れてきた罸が当たったのだ。
例え四六時中、神社や歴史の蘊蓄だらけの旅になったとしても、
それがなんだと言うのだろう。
こんな風に離れ離れになるくらいなら、それくらいいくらでも
聞いていたのに。
崇と暮らし始めるまでは、ひどいと一年に一度しか会わないような時も
あった。そのことに少しの淋しさはあっても、不満など感じなかった
奈々だったが、今は違う。
どんな時、どんな場所でも一緒にいたかった。
奈々はスーツケースに入れておいた、ハワイの歴史の本を取り出した。
近頃、崇の影響で自分たちが訪れる場所の歴史くらいは
自分で調べるようになっていた。
オアフ島を初めとするハワイ諸島には、人は住んではいなかった。
それがいつの頃からか、まるで椰子の実が流れ着いて根付くように、
海からやって来た人々が住み始める。
ミシェルが昨夜、奈々の「貴方はアメリカ人ですか?」と言う質問に
対して、こう答えていた。
「さあ、どうでしょうか?少し話しましたが、
僕の祖父はイギリスから来た移民ですし、祖母は日本から来ました。
母はフランス人ですが、ブルターニュの出身なので、
イギリスに近いような文化で育っています。
奈々、アメリカにはアメリカ国籍の住民はいても、
貴方たち日本人が考えるような、『アメリカ人』はいないんですよ。
皆流浪の民なんです。現実に僕はしょっちゅう研究の為に、
ヨーロッパやアジアに行きますから、アメリカ本土にいることは
少ないです。ハワイには年に三ヶ月くらいは滞在してはいますが」
と答えていた。
奈々は考える。
そう言えば奈々の好きなプルメリアはキョウチクトウ科の植物で、
いかにもハワイを感じさせるのに、ハワイ原産の植物ではなかった。
…キョウチクトウ。
確か漢方として使われることもあるが、かなり毒性の強い植物では
なかったか。
プルメリアも花はレイなどに使い、触れても大丈夫だが、
確か樹木には毒があったはず。
伊達はプルメリアの木の下に倒れていた。
―――後で御名形史紋が来たら聞いてみよう。
奈々はそう決めると、ベッドサイドに置かれたカフェオレを手に取った。
※原作にならって、事件関係者があまり直接出てこない展開に
なっちゃった(^_^;)
これ事件は解決するのでしょうか?←
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
リンク
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[01/22 Indy]
[01/22 Dasia]
[01/22 Dasia]
[01/22 Dasia]
[01/22 Dell]
最新記事
(12/30)
(12/29)
(12/16)
(12/15)
(12/04)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
森伊蔵
HP:
性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
ブログ内検索
最古記事
P R
忍者アナライズ
アクセス解析