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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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連休中も拍手、ありがとうございます(*^_^*)

中日の今日は却って主婦の私にとっては小休憩…。
用事を済ませつつ、原稿描きもスタートしました。
多分今描いてる分は裏の方にアップしていきます(こちらのブログで随時お知らせします)
結局、融解温度総描き直しです(T_T)

そして開いた隙間にこちらのSSももれなく頑張ってます。
いやー、連休中の思わぬ調べごとがうまく繋がって、
ヨシ!これなら名探偵コナンも金田一少年も、西田君も、晴香ちゃんも呼ばずに
事件が起きるぜ← って感じになってきました。
(↑のメンバー揃ったら、まず飛行機が堕ちて目的地につかなそうです)
前回タタルさんがイイトコなしなので、今回は少し頑張ったかな?
奈々ちゃん目線、第三者的文章で書いてます。


小説は続き記事からです。

拍手[6回]


◆◆◆



コテージは中に三室あり、開放的で広い作りだった。
部屋数こそ奈々たちの住むマンションと同じだが、
面積は三倍はあるだろうか?


寝室の窓から見える景色に、奈々は思わずため息を洩らした。
「…………」
青い水平線がくっきりと見えた。勿論空の色も鮮やかな青だ。
奈々は窓から出ることが出来る、海の上のルーフバルコニーに
そっと歩み寄る。
見下ろすと海の水の色は碧がかった透明色で、
小さな青い魚が、バルコニーの柱に群がって泳いでいた。
日常とはかけ離れた景色を見て、やっと自分たちは外国へ、
南の島に来たのだと言う実感が湧いてきた。
これから一週間、此処で崇と二人きりなのだ。
―――尤も崇がまるで嬉しくないらしいのは、本人に聞かなくてもよく解る。
ただでさえも少なそうな、セロトニンの分泌量があからさまに
減少傾向にある。
……そう言えば崇は何をしてるのだろう?
つい部屋に夢中になった奈々はバルコニーから、部屋の中を見た。
既にリビングルームの藤製のソファで、昼寝件読書中だろうか?
天井で大きな扇風機の回るリビングに、崇の姿はなかった。
「…タタルさん?」
もう一つの狭めの寝室も見てみたが、いない。
まさか一人で外に行ったんだろうか、と思いつつ一応バスルームを覗くと、
崇が顔を洗っていた。
奈々はそっとタオルを差し出した。
「時差ボケで少し眠かった」
崇は差し出されたタオルで顔を拭きながら、奈々を見た。
「写真で見た感じより、広いな。これなら二人で入れる」
「え?」
何のことか解らずに、奈々が返事をする間もなく崇は
バスルームを出て行ったので、奈々も慌てて後を付いて行った。
「あの…」
「君は……気に入ったか?」
「え?は、はいっ。あの、とても」
「なら、いい」
崇はソファにゴロリと横になった。
「昼食まで少し昼寝させてくれ。確か同じ敷地内のホテルに、
 かなりの数のリキュールを揃えたバーがあったから、そこに行こう」
言い終わると奈々の返事を待たずに、瞼を閉じる。



少し意外だった。
この新婚旅行が、崇にとってまるで気のないものなのは、
はっきり解っている。
それでも崇なりに奈々を気遣ってはいるのだろうか?
コテージを含めたリゾート施設内の、設備や地図くらいは
どうやら崇の頭に入っているらしい。
何分結婚式の準備が忙しく、ハワイのガイドブックもろくに
読むヒマがなかった奈々なので、崇が割と戸惑いなくこの場にいることが
奈々には不思議でもあり、少し嬉しかった。
崇はもう本気で眠っているようだ。サイドテーブルの電話の脇に置かれた、
この施設のパンフレットを持って奈々は近くを散歩することにした。



プアラニ・エルガーリゾート

奈々たちが泊まるコテージは、この総合リゾート施設の中の一つだ。
エルガーホテルグループと言えば、アメリカを中心として世界各地に
展開するホテルチェーンで、日本にも六本木と京都にホテルがある。
洗練された質の良いサービスで、よくマスコミにも取り上げられ、
此処、ハワイもホノルルにあるホテルの予約は三年先まで、
埋まっているとも言われていた。
このプアラニリゾートは、ホノルルから離れたオアフ島の北側に
位置していることもあって、比較的予約を入れやすいようだが、
その分滞在客が移動コストなしに楽しめるよう、
様々なスポーツ設備、ハワイの芸術家の作品を中心に展示した美術館、
ハワイの歴史を説明した博物館、そして一番力を入れているのは、
ハワイの植生が一目で解ると言われている、植物園があった。
勿論、エルガーホテルも同じ敷地内にあり、
ホテルから続くショッピングモールやレストランも充実していた。
奈々は見ることが出来るのは此処だけ、と言われている花がある植物園は、
せめて崇と行ってみたいと思っていた。



現地時間の午後一時過ぎに、崇と奈々はホテルの一角にあるバーにいた。
他のレストランのいかにもリゾート地らしい装飾と違い、
このバーはシックでヨーロピアンな雰囲気が漂う。
「ここのテーブルや椅子は全てコアの木で、出来てるようだね」
崇は来たばかりのジントニックに口をつけた。
「コア?」
「ハワイ特有の木で、希少な物だ。かつてはハワイ王室の家具を
 作るのに、使われたとか」
奈々はカウンター席から、背後のテーブル席を見渡した。
そんなに大きな店ではない。
崇の言うコアと言う木材で出来た家具は、風合いもあって、
どっしりとした重厚感もあった。
奈々の飲み物が来た。ブルーレディだ。
崇が有無も言わせず注文したものだが、奈々はカクテルのブルームーンより
やや明るめの色合いの青が、とても気に入った。
「ブルーキュラソーが使われてるから、さっぱりしてるだろう」
ジントニックのグラスから口を離して、崇が言った。
「ハワイでカクテルって言うと、フルーツや花火が付いてるものを
 連想しちゃいますけど…部屋の窓から見えた海の色と同じで、
 わたしはこちらの方が好きです」
「大抵のトロピカルカクテルはラムベースの、
 甘めのカクテルが多いからな。
 君は元々ジンベースをよく飲んでるし、
 シンプルな方がいいと思ったんだ」
「ふふっ」
奈々は思わず嬉しくなって、満面の笑顔のまま、
カクテルにまた口をつける。
成田空港を出発してから、崇がどれだけ不機嫌だったことか。
行き先がハワイになったのは、奈々の意志だけではなく、
崇の同意があったからではあるが、それでもやはり当初からの予定通り、
九州に行くべきだったと、奈々は随分考えた。
でもこんな様子なら…二人でビーチを散歩する気持ちの
ゆとりを持つくらいは、可能だろうか?
奈々はアルコールが入ったこともあるが、少しウキウキした気分になった。
「マカデミアナッツのリキュールがあるようだよ。飲んでみるかい?」
既にジントニックを空け、崇は次のカクテルを注文している。
そう言えば……。
「タタルさん…英語、上手ですね」
「普通だよ」
「そんなことないです。だって空港でも、
 入国管理の所できちんと説明して来たんでしょう?」
「あれぐらいは誰でも出来るさ。まあ、奈々は覚えてないかもしれないが、
 大学の漢方研究室の先輩に、イギリスからの留学生がいた。
 彼と話してるうちに少し身についたんだ」
「………」
長年付き合っているが、時々崇のこう言う部分には驚かされる。
五感が鋭いのだろう。
よく匂いや色なども正確に記憶していた。



丁度ランチにと注文した、バケットサンドがカウンターに来た時、
奈々の隣の座席を一つ空けた向こうの席に、
飛行機から一緒だった――伊達と秋月の二人が座った。
「伊達さん、寝てれば良かったのに」
「そうはいかない。これから商談が二つも入っている。
 せめて交通費分は稼がないと」
伊達はややせっかちなのか、少し喋るスピードが早い。
秋月はそんな伊達を見ながら肩を竦めた。
「わたし、顔が紅くなったらまずいんで、飲まないでおきます」
「じゃあ、何かノンアルコールのカクテルを」
そう言うと、伊達はカウンターの中のバーテンに流暢な英語で、注文をした。
「さっきの漢方、効いたみたいですね」
「鬼のように苦かった」
「だから蜂蜜も用意したじゃないですか」
「君のお祖父さんの作った蜂蜜?」
「ええ、そうです。最近養蜂も、続けるのが難しいようですが」
二人は親しいが馴れ馴れしくもない――そんな関係のようだ。
奈々はバケットサンドに手を伸ばした。
香ばしいパンの薫りが食欲をそそった。



「此処を出たら、植物園に行ってみよう」
「……はい。良かった、わたしも行きたかったので」
「何でも薬草園があるらしい。最近漢方素材の多くが輸入品だからね。
 日本国内では自生しているのを、見ることが出来ないものもあるから」
「お仕事ですね」
崇にとって漢方薬剤師の仕事は、情熱的とは言わないまでも、
熱心な態度で臨んでいる仕事であることを、奈々は知っている。
話に聞く限り、軽いアレルギーかと思われた患者の微小な症状を辿って、
リウマチが発覚したこともあった。
最近では新薬も開発されつつある分野の症状だっただけに、
早期の発見で酷くならずに済んだのだ。
普通だったら――例えば奈々だったら見逃していただろうことを、
崇は性格上、気になって突き詰めて調べただけなのだが、
それが患者とその病気に対しての真摯な態度となって表れる。

―――崇にとって、漢方薬剤師と言う職との出会いは、
ある意味必然であり、幸運だったと奈々は思う。



ホテルを出てショッピングモールの喧騒を避けて、
二人は植物園に向かった。
気候が暖かい為、様々な植物が集められているらしいが、
奈々が気になっていたのは、ハワイではよくレイに使われる花、
『プルメリア』の最近開発されたと聞く品種、青いプルメリアだった。
美容室で勧められて使い始めた、プルメリアの香りのシャンプーから始まって、
近頃奈々のお気に入りの花だ。
赤系や黄色、そして代表的な白い花は奈々も日本で、
園芸用のものを見たことがあったが、青はない。
このハワイの研究者が開発した品種らしいが、どんな青みの花なのだろう。

――ハワイの海の色のような?

崇と二人でそれを見ることが出来るのだから、奈々は幸せだった。
やっぱりこれは新婚旅行なのだ。

勿論いつもの崇の蘊蓄付きの、寺社仏閣廻りも悪くはないが。



植物園は他の施設に比べて、静かだった。
入口にはアメリカ人と見られる老夫婦が一組だけ。
元々がこのプアラニリゾートの経営者が、趣味の研究の為に作ったものだと、
パンフレットには書かれていた。
この施設内の様々な設備は、宿泊者は何の負担もせずに利用が出来た。
チケットもなく、入口で地図付きのパンフレットを受け取り、二人は中に入る。
植物園の中心に、ちょっと洒落た感じの――そう、いつかテレビで観た
イギリスのキューガーデンの温室に良く似た建物が建っている。
内部は温室と、逆に寒冷地に生える植物を保護する為に
涼しく保たれた部屋も存在した。
椰子の木の真っ直ぐな並木道を抜け、
崇と奈々は指先だけ手を繋いで中心の建物に向かった。
背後から忍び寄る微かな影の存在には二人は気づかなかった。




※次回!いよいよ事件発覚か?!
頑張りまーす(^_^;)
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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