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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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すみません^^;また続いちゃってます。
TO BE WITH YOUとStand By Meの間の小話です。

意外とタタルさんは沙織ちゃんには負けてる気がする。
勿論沙織ちゃんは奈々ちゃんで、タタルさんを釣ってるわけだけど。
……ん?てことは沙織ちゃんは随分早くから、タタルさんの気持ちにも
気づいてたのかな?!



 
 
五月も半ば過ぎのある日、結婚前までずっと一緒に
暮らしてきた姉が、長年の片思い(そもそもの初めから
両思いだった説アリ)を実らせて、とうとう結婚前から
同棲することになった。
 

姉から以前聞いたところによると、未来の義兄の部屋は、
うっかりな駅前の本屋より蔵書数が多いらしい。
 
姉は彼が言うことなら、今はなんでも喜んで受け入れてしまうし、
一方彼は他人から見れば明らかに常識はずれな自分の都合を通す為
なら、姉を言葉一つで籠絡するのを、躊躇わない男だ。
 
ここはせめて妹の私が、彼との交渉に挑まねばなるまいと思い、
お互い仕事が休みだった日曜日に都内のある喫茶店で、
待ち合わせることになったのである。
 
 
奈:あの…、わたしは別にいいのよ、沙織。不動産やさん回れば、
  本をしまう部屋がある物件もきっと見つかると思うし。
沙:そんなこと言って、六畳一間じゃ収まらなさそうなんでしょう。
  将来のこと考えたら2DKよりは2LDKだろうし、
  そうすると家賃も上がるし。
  子供出来たら、本ばっかりの部屋なんて危ないよ。
奈:こ…子供なんてっ。まだ早いわよ、そ、そんなこと。
沙:お姉ちゃん、自分の年齢考えたことある?
  30過ぎてからの結婚は、待ったなしだからね!
  ………ちょっとタタルさん!さっきから他人事のようにしてるけど、
  タタルさんの持ち物について、話してるんだけど。
タ:……そうだったか?
沙:全部処分しろとは言わないけど…。
  タタルさん、お姉ちゃんと一緒に住みたいよね?
タ:え、……あ、ああ。それは…二人で決めたことだし。
沙:じゃあ、蔵書のうちから3分の2は減らして。
タ:一体沙織くんはどんな根拠から、その数字を割り出したんだ。
  そもそも何冊あるか、自分だって知らないのに。
沙:それなら尚更だよ。それが出来ないんだったら、
  お姉ちゃんと暮らすのは無し。
奈:さ、沙織。
沙:私がたま~に遊びに行った時、本で座る場所もないのは、困る。
  それにタタルさんは、知らないかもしれないけど、
  お姉ちゃん結構片付け魔だよ。置いといた本、無意識に処分
  されたら困るでしょ。
タ:……………
奈:勝手に処分なんてこと、わたししないわよ!
沙:そ~かな。前にわたしが集めてた漫画、まとめて読もうと
  思ってソファに置いといたら、さっさと縛って、マンションの
  ゴミ置き場に持ってってたじゃん。覚えてないだろうけど。あれ、
  手塚○虫の初版本だからね。
奈:あれは……
沙:と言う訳で穏やかな同棲生活の為に、本棚にきちんと収まる冊数で、
  引っ越すことをお薦めします。
タ:……5分の1だな。
沙:2分の1
タ:半分は酷いだろう。
  25%では?
沙:む、それは4分の1ってことか。
  まだまだ甘いなあ。
  5分の2!
タ:………それでは日本古典文学全集は、完全に処分しなければならなくなる。
  2割5分では?
沙:……それって25%で、さっきと同じじゃん!
  3分の1。これならどう?
タ:33.3333…で割りきれない。


沙:タタルさん、ホンキなら出来ますよね(ニンマリ)
タ:……………
沙:まさかホンキじゃないとか言いませんよね。
タ:…………………
沙:形にしないと伝わらないものもありますよ。特にうちの姉は。

奈:え?わたし?

タ:(ごっつい溜め息)………書籍の選別には多少時間がかかるが、
  大丈夫かな?
沙:それは二人の問題だから、一向に構わないけど。
  時間がかかって困るのは、タタルさんじゃないの?
タ:………わかった。少しでも早く済ませるよう、努めよう。

奈:……………会話が見えない
 
 
 
そんな訳で無事未来の義兄妹の交渉は、終わった。
今までいまいち感情の見えない人柄だった彼だが、
どうやら姉にはホンキらしいことも確認し、足取りも軽く
家路に向かったのだった。




 ※奈々ちゃんは薬剤師なので、きっと机の上とか自然に片づける癖が
  付いているのでは?と思いました。薬局であまり出しっぱなしは
  まずいだろうし。……とここまで考えてタタルさんも薬剤師だったことに
  気が付いた(笑)漢方は『いい加減(良い加減)』とか言ってましたね。
  そう言えば。
  ああ、沙織ちゃん、なんであんなに早く嫁に行っちゃったんだ。
  ネタの10個は消えたぞ;; 

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小説は本職では全くないので、読みづらい文章でお送りしていて
申し訳ありません。
これは漫画無理!と思った時や、絵にしても地味すぎるとき
時間ないときなどに(笑)小説にしています。
一度熊さんとタタルさんの、男同士の会話を書きたいと
思ってきました。
ただ、沙織ちゃんの結婚が思いのほか早かったために
消えたネタもいくつか…。
ちと熊さんと沙織ちゃん周辺は、メインで描くのは辛そうです。
タタ奈々に絡めて出せたらなぁと思っています。




OLD PAL~沙織くんの結婚式~



4月半ば。
今日は彼女の妹の結婚式だ。

特に未来の義妹だから、出席するわけではない。
彼女を通して、彼女の妹はいつも大学時代の友人--小松崎も含めて、
四人で旅行にも出かける間柄だったから、花嫁から直接招待状を
手渡され、出席することになったのだ。


ガーデンパーティー式の、いい結婚式だった。
花婿は花嫁に比べてずいぶんおとなしい感じではあったが、
あの元気な花嫁には丁度いいかもしれない。


今日はさすがに、彼女は忙しく、話しかけるのも躊躇われたから、
長年の友人に声をかけた。

「熊つ崎、良かったら飲み直さないか?」
「悪くないな。なんだ、表参道まで出るのか?」
「いや、高田馬場…百人町に行こう。いいバーをみつけたんだ」
「フン、わかった」

今日一日、健気にくしゃみもせずに、笑顔だった友人はやや、
淋しげな表情で俯いた。

結婚式場は新宿御苑にある。歩いて新宿駅まで出て高田馬場から
そのバーまで歩いた。

細い路地を山手線の線路沿いに進むと、急に視界が開ける。
大きな高層マンションが並び、その先には丸いドーム状の建物が見えてきた。


マンションの玄関から一段下がった、半地下の部分にそのバーはあった。

ここまで男二人、もくもくと歩き続けたが、普段なら友人はあれこれと
世間話もする。
しかし、さすがに今日はそんな気持ちにはなれないのだろう。
こちらも余計な言葉をかける気にもならず、そのままバーの扉を
開けることになった。


「お前、よくこんな所まで知ってるな」
呆れたような声で言った。
「薬局の客に一度連れて来られた。イギリスにつてのあるバーだから、
 スコッチの品揃えがいい。あと珍しいリキュールもあるかな。近くのドーム、
 あれは劇場なんだが、シェイクスピアの芝居ばかりかかる劇場で、
 ここも芝居の演目にちなんだカクテルを置いてる。
 一度奈々を連れて来たら、喜んでいた」
「………へえ~、なるほど」
と、急にこちらを見てニヤニヤしだす。
「やっとそういう間柄になったんだな。まあ、まだぐずぐずするようなら、
 今夜は説教しようか考えてたところだ」
二人でカウンターに並ぶ。
店にはカップル一組だけだ。
「………伊勢では世話になった」
呼び方でバレたことに思い至ったが、もうそんなことに拘りはなかった。
「まったくだ。旅に出るたび巻き込まれるのは、勘弁してくれ。助けに行く
 のも、もう野暮だからな」

自分はいつも通りギムレットを、友人はバーボンをロックで注文する。



「一つ聞いていいか?」
珍しく低い声のトーンで、前を見つめたまま、彼は言った。
「いつ…気づいた?自分の気持ちに」
彼にしてみれば、不思議だったのだろう。伊勢にいる間も自分にそんな
素振りはなかったのだから。
次々と変化した、最近の身の回りの小さな出来事を振り返ると、こういう答えが出た。


「伊勢で………あの洞窟に閉じ込められた時に、彼女が扉を開けて
 飛び込んで来たんだ。----それを抱きとめた時に、
 もう手離せないだろうと思った。好きとかそういうことを考える前に」
「成程な。危険な目にあって気づいたって訳だ。お前ら、やっぱり理系だな。
 感覚で物事捉えるのは、二人して苦手な訳か」
小さく笑って、来たばかりのロックグラスに口をつける。


「お前はこれで良かったのか?」


これが今日の本題だった。
この熊のような男は、実に正直だったから、この先自分を偽って行くことには、
まず自分自身が納得しないだろう。
今日を迎えたことに、彼はどんな決着を付けたのだろう?

「まあ……失恋には慣れてるからなぁ。どちらにしても、お互いそんな気持ちの
 付き合いではなかった訳だし…。
 目の前から去ってみて、気づくのはこれが初めてじゃないからな。
 ……まあ、世の中、縁だろ。こればかりはなかったものは、悔やんでも仕方ない」

職業がジャーナリストだけあって、自身の感情を言葉にするのは、
下手ではないようだった。
偽りない、気負いのない彼自身の今の心境だろう。

「いずれ、また何かの縁が巡って来た時、逃さなければいい」

こんなことしか言えないが、ギムレットを空けるとそう伝えた。
友人は少し驚いた顔で、こちらを見た。

「まさかお前に慰めの言葉をかけられるとはな。逆になった可能性
 だってあった訳だろうに」
と笑う。
「………ばか言うな。その確率は低かった」
「お、ちょっとこそばゆいぞ。鼻がムズムズする。……ずいぶん自信が
 なかったんだな」
「………そんなもの、昔から持ち合わせてなかったさ」

バーテンダーがこちらを向いた時に、ギムレットのお代わりを頼む。



「ずいぶん時間が経ったんだな。あの大学の学食から、数えると」
ため息をつく。

「お前はずいぶんお節介だったな。弓削の事件にも自ら首を突っ込んでた」
「放っておけないたちでな。それで良かったことも多いから、損な性分て訳でもない」
「確かにそんなことでもなければ、こうして今日飲むこともなかったな」
「まあ、そうだ」

そう言って、ぐいっと残りのバーボンを空けた。
「もう一つ同じの……」
「待て。一杯奢らせてくれ」
「あ?」
「心配するな、一応ウイスキーベースだ」



「オールド・パルを」




※OLD PALは古い友人の意味。
 ライウィスキーベースだそうでカンパリが入ってるから、熊さんには
 少々甘目かもしれない。
 色合いとほろ苦さがノスタルジックな感じで、この名前があるようです。
 意外と長続きな友情を祝して書いてみました。
 しかしこの二人がこんな会話、するかな~^^;

拍手[9回]

TO BE WITH YOUの続き?になります。
やっと二人で暮らすことになって、お引越し♪

QEDのシリーズ全般的にネタバレしてます(笑)んで、ご注意ください。







Bijou~タカラモノ~




 
6月某日。
今日、横浜のマンションから引っ越しをしました。
 
 
私は引っ越し屋さんを頼んだけど、タタルさんは小松崎さんに
お願いして、トラックを借りてきました。
思っていたより、荷物も少なく(ただしタタルさんの本は予想以上
でした)、作業は早めに終わり、三人でお蕎麦を食べて、小松崎さんは
帰って行きました。
 
 
私は寝室になる予定の、八畳を整理している間、タタルさんは書斎?
になる予定の四畳半を片付けています。
この際だからジャンル別に、本を分けたいのだそうです。
 
一時間ほど経ってから、お茶の用意をして四畳半を覗くと、タタルさんは
本棚と本の間で、とても嬉しそうでした。
沙織に言われて、かなり渋々と、それでも約束通り三分の一を処分したそう
です。小松崎さん曰く、あまりにマニアックなジャンルの本ばかりで、
古本屋さんもかなり困った様子で引きとっていったとのこと。
見なくても、目に浮かぶようです。
 
 
 
「タタルさん、お茶にしませんか?」
声をかけると、パラパラと捲っていた本から、目を離してこちらを向き
ました。
「一概にジャンル分けと言っても、一筋縄ではいかないものだな」
と、苦笑しています。
「書かれている時代ごとに分けますか?」半分冗談で言うと
「多岐の時代に渡ってるものもあるからな」
と、本気で溜め息。
この部屋が整理されるのは一年後かもしれません。
 
 

奥の窓際にある、事務机の上に、それだけは別と言うように、
万葉集の文庫本が置かれていました。
そう言えば彼は、旅先にもいつも万葉集だけは、手放さず持っていた
ような…。
 
「万葉集は、五十嵐先生との思い出もありますものね」
思わず口をついて、言ってしまってから、しまったと思いました。
ヤキモチだと思われちゃいそう。
………もしかしたら、わたし自身の本音?
 

「…え?」
さすがに驚いた表情で、こちらを見たので、焦って机の上の万葉集を
渡そうとすると…。
 
 
 
手が震えて、彼が受け取る前に落としてしまいました。
 
 

----すると…
 


 
本の間から一枚の写真。
 
 


あまりの意外性に一瞬息が止まった気がしました。
「すみません。今拾って…」
そうしたら、何だか慌ててやはり本を拾おうとしたタタルさんと、
手が重なり、写真だけが本からこぼれ落ちて----
「まあ、この写真!」
 
わたしも知っている写真でした。
 
何年前でしょうか。
学薬の旅行で日光に行った時の…、タタルさんは小松崎さんと事件のことで、
東照宮に来ていて、学薬の役員の方が撮ってくれたものでした。
 
彼はゆっくり屈むとその写真を拾いました。
「……君が……君と写っている写真はそれ一枚だ。熊野では全体写真だった
 から、買わなかった。万葉集なら、携帯してることが多いから、
 ここに挟んでいたんだ」
少し困ったような、ぶっきらぼうな表情が、とても照れているようで、
わたしはなんだか嬉しくなってしまいました。
いつから挟まれていたのか、少し気になるけれど---
 


「じゃあ、また挟んでおいて下さいね」
微笑って万葉集を渡そうとして、ふともう一つ何か挟まれていることに
気づきました。
 


薄いピンクの紙?
 


でも見覚えがあるような…。
 
 
その視線に彼も気づいたのか、わたしの手元を見ました。
 
わたしは好奇心のが勝ってしまい、その小さな紙を本から出して見ると………、
それはやっぱり見覚えがあって当然のものでした。
 
 


それはカード。
 


以前、彼に送ったバレンタインのチョコレートに付けた、
何と言うか、味気ない文面の。
 
 
 
素直じゃなかった頃の自分が、たちまち思い出されて、どぎまぎして
ふと視線をタタルさんに移すと、何と彼は真っ赤になっていました。
 




こんな表情、初めて見た。
 
 



「……奈々」
彼は、いかにも振り絞ったとおぼしき声で、話し始めました。
 
「それは……やはり無くさないようにと思って…、
 その、禁煙を決意した時…」
「禁煙?」
 
禁煙と万葉集とバレンタインのカードに、どんな因果関係があるのか、
さっぱり解らなかったわたしは、無意識で聞き返していました。
ところが、さらに意外なことに彼はしまったと言う顔で、
こちらを見ています。まだ耳は赤くなってる…。
 
 
 
「煙草は味蕾の機能が著しく落ちるだろう?その……君がせっかく
 手作りのチョコレートをくれたのに、味も解らずに食べるのは
 失礼だと思って…」
「禁煙したんですか?!」
 

びっくり。
と言うことは…………。
 
 
「禁煙の決意を曲げない為に、挟んでおいたんだ。だから……」
「いつも持ってて下さったんですね」
 


多分この時、わたしは思い切りな笑顔だったかも。
 


だって嬉しくないはずない。
 
そして一つ気づいたことがあったので、言いました。
「わたしの……わたしの宝物も見せますね」
 

すぐ八畳に行くと、化粧台の上の、ピアスが入れてある
ジュエリーボックスを開けました。
そこには………彼と再会した後貰った、一通の手紙。
 
 
彼に手渡すと、少し驚いた表情で封筒から、手紙を出しました。
「これは……確か百人一首の」
「ええ、あの事件の後タタルさんから、頂いた手紙です」
 
わたしは思わず俯きました。
だって赤くなってるのは、間違いない。
 
 
彼は手紙をわたしに返すと、わたしの前髪をくしゃりとやり、
そっと…………やさしく額に口唇をつけました。
 
 
「お茶にしよう」
 
 
さっさと部屋から出ていく後ろ姿は、気のせいかもしれないけど、
とても嬉しそうに見えました。






※Bejouは宝石、の意味。
 同名のカクテルがあります。(奈々ちゃんの好きなシャルトリューズ
 が入る♪)

拍手[15回]


今日ほど待たれた日もないだろう。
何せ14年越しなのだ。

今日は僕の大学の後輩----と言っても十年以上歳が違うから、
あまり関係ないかもしれないが----と、やはり同じ大学出でもう
かれこれ十年、僕の経営する薬局で働く薬剤師との、結婚式の日である。



目の前を父親に手を引かれて、そっと歩を進める花嫁は格別に美しい。
彼女はどちらかと言えば可愛らしいタイプで、薬局に来る顧客の中でも、
特にお年寄りに好かれ、可愛がられている。
しかし今日は別だろう。いつものふわりとした柔らかさはそのままだが、
凛とした空気が彼女を包んでいる。



ああ、そうだ。
ひとつ意外なことに----そう、花婿が彼であればこれは全く意外なの
だが、此処は横浜の、明治の開港以来からあるという、格式のある教会だ。
何故それが意外かと言えば、花婿の趣味が寺社巡りに墓参りであり、
彼を知る者にとっては神社と言えば彼。彼と言えば神社だったのだ。
それが神前ではなく、教会式を選択したのには、彼にとっては切実な、他人
にとってはしようもない理由があった。

花嫁の実家は鎌倉だ。
鎌倉には歴史的にはこの教会に負けない、神前式の行える、鶴岡八幡宮がある。
初め身内では、ここで式をしようと言う案があったそうだ。
しかし、である。
最後の段階になって、花婿が強硬に反対した。
何でも式の最後に、段葛のある大通りを人力車に乗って行くらしい。
道行く観光客にとっては、いい見物だろう。
そして、普段の口の利きぶりが不遜ではあるが、実際は大変内気であるらしい彼が、
己れをそこまで見世物にすることに承諾出来なかった。

そして、花嫁が先日顔を真っ赤(実際は指先まで赤かった)にして、話したことには、
彼が『君のウェディングドレス姿が見たい』と言ったそうである。
『その方が自分が君を拘束出来た、と言う気がするから』とも。
今頃そんな気障な台詞を吐くのであれば、さっさとプロポーズするべきであったろう。
その策略?が当たって、今日、この場所でこのよき日を迎えたと言う訳である。



花嫁の進む先には祭壇と神父の前に、花婿が立っていた。
これがまた今日の招待客の、一番の話題となってしまった。

今日の彼は、普段の彼を少しでも見たことがあれば、誰だかわからないくらい、
整った美男子である。
なんでも花嫁の妹が、朝4時に未来の義兄を無理やり連れて、青山にある
カリスマ美容師の元に行き、五時間かけて花嫁の隣に並べてもおかしくないように、
準備したらしい。
おかしいのは花嫁も最初、誰だかわからなかったそうだ。
控え室を間違えた誰かが、自分の元に来たのかと思ったらしい。

まあそれくらい、彼は普段はパッとしない身なりの青年であり、服装も決して
いいセンスとは言えないのだ。
今日は名誉挽回とも言うべきだが、あまりの変わりぶりに客の度肝を抜いてしまい、
最初の話題をさらってしまった。
彼を見た招待客の全てが、おめでとうを言う前に、本当に本物の彼であるか
質問することになってしまった。

だから、今神父の前で花嫁を待つ彼は今までにないくらい、機嫌が悪いはずである。

彼の表情を見て、少し不安そうになった花嫁が、花婿の隣に立つと、何かささやいて
いた。多分優しい彼女のことだから、彼に何か慰めるような言葉をかけたのだろう。
すると小さく溜め息をついて、彼も花嫁に何かを伝えた。

花嫁の頬が薄く染まる。


----まあ、だいたい何を言ったか見当はつくがね。




なあ、桑原。
お前、あの日の自分を今、後悔してないか?


自殺未遂で救急病院に運ばれて来た、18歳の少年。
自分だけ生き残ったことで、あんなに自分を責めていた。


でも-----お前の人生は彼処で終わる縁ではなかった。
縁は『えん』と発音するだけあって、円になって円く繋がっている。
だからその時は、自分の必要から遠ざかっていても、いつかは必ず巡り、
また意外なところで繋がって行くもの-----


まあ今日の『縁』には僕が大いに尽力したことは、間違いないが。
独身主義者としては、一組くらい幸せな恋人たちを、世に送り出すぐらいの
気遣いをしても、いいだろうさ。




僕としては十年以上も決着を待たされた訳だから、今日は楽しませて貰おう。





※外嶋さんシリーズ(笑)第3弾です。
  タタ奈々の結婚式。
  そう結婚式だけは、あのタタルさんの髪型が完璧に整う可能性があります。
  近いうちにコメディ仕立てで、漫画も描きたいので、今回はあえて挿絵を
  入れませんでした。

拍手[14回]

これで少し更新の間隔を開けようかなと、考えています。
でも、おかげさまで10月は本当に楽しかった^^眠れなかったけど…


珍しくR18?いや15かな^^;
そんな訳で15歳以下の方は閲覧をご遠慮下さい。

大人の方、あまり期待しすぎないで下さい(笑)


伊勢の曙光と九段坂の春のネタバレがありますので、閲覧の際はご注意下さい。


超ニセモノの桑原崇が出現します。
こんなの耐えられないという方は、おススメできません。

何が来ても大丈夫という方だけ、画面をスクロールしてご覧ください。



































































Stand By Me


その日その笑顔は、自分以外の男に向けられていた。

包むような、慈しむような、優しい笑顔。

これまで、間違いなく自分にしか向けられていなかった、その表情…。




先月引っ越しをした。
手伝いに来た、悪友の小松崎からは散々文句を言われた。
「あのなぁ、普通梅雨時ってのは余程でない限り、引っ越しはしないもんなんだよ!」
「いつ誰が作った決まりだ」
手放すことを決めた書籍を縛りながら、小松崎の悪句雑言に言い返す。
「雨が降るだろ!荷物濡れるだろ!大変だろーが」
「まあな、本が濡れるのは嬉しくない」
「それしか心配事はねぇのかよ!奈々ちゃんは反対しなかったのか?」
衣類を段ボールに突っ込みながら、小松崎は横目でこちらを見る。
「限界だった。……もう離れているのはやめようと決めたんだ」
「………お前素直になったな」
手を止めて感心したように、まじまじとこちらを見ている。
「手を止めないでくれ。この本は玄関に頼む」
「げっ。こんなにあるんか!?」
「ノルマなんだ。蔵書の三分の一は処分しないと、姉と暮らすのはまかりならない
 と沙織くんに言われた」
「成程…」

その後小松崎はてきぱきと、作業をこなし、借りてきた軽トラで引っ越し先へ向かった。
無駄が多いようでいて、全く実行力は優れている。いい友人だった。


世間で言う所の『婚約者』と言う間柄になって三ヶ月め、彼女と居を共にすることになった。
婚約を認めて貰うことも含めて、彼女の両親に挨拶をしに行ったのは五月の末のこと。
彼女は言葉少なく、両親に事情を説明していたが、特に母親は全て承知とばかりに、
説明の途中から、もう許可を下していた。おそらく彼女の妹から全て聞いているのだろう。
ただ父親だけは、屈託のあるような複雑な表情をしていた。
帰り道に思わず呟いた。
「君を奪いに来た悪者だな、今日ばかりは」
彼女は小さく笑って言った。
「沙織の時も同じでした。娘がいっぺんに片付くから、さすがに寂しいのかもしれません」



そして今、梅雨明けを迎えた七月初旬、二人の新居から毎朝出勤し、祐天寺の駅で待ち合わせて
帰宅する日々が二週間めに差し掛かった頃だった。
突然、突き付けられたのだ。
お互いに見ないように、知ろうとしないようにして来たことがあることに――――――。


鎌倉駅は土曜の午後だけに、初夏の暑さにも関わらず混み合っていた。
その日自分が遅れる為、彼女には先に、勤め先から鎌倉に行っていて貰い、駅で待ち合わせる
ことにした。
さすがにこの人混みでは、すぐには見つからない。

見回すと、見慣れた頭つきを見かけ、近づいて行こうと、歩きかけたときだ。

見慣れた、そして自分にだけ向けられると知っている、あの笑顔が、彼女の前に立つ、
自分以外の男に向けられていたのだ。
足が止まった。

「棚旗さんも元気で」
その男はやや名残惜しげに、彼女の前から去って行った。
彼女はしばらくはその方角に目をやっていたが、ふと自分を見つめる視線に気づいたのだろう。
こちらを見た。
「タタルさん!」
間違いなく、この笑顔は自分に向けられている。
「お疲れ様です。お客様は無事帰られたんですか?」
「……ああ」
今日帰り間際に、厄介な部類に入る客が来た為、待ち合わせが鎌倉になったのだ。
「今日はどちらに行くんでしたっけ?」
もうそこが定位置になっている、自分の左腕にするりと彼女の腕が差し込まれる。

しかし、それを受け入れることが出来なかった。
目を丸くして驚く彼女の表情を見て、自分の行動に気付く。

「江ノ電で行こう」
彼女が何かを察する前に、手を差し出す。
素直に彼女も差し出された手を握り、二人で江ノ電の乗り場へと歩いた。


「タタルさん、今日はどこのお寺へ?それとも神社ですか?」
いつもなら、行き先になる寺社の説明を移動中に済ませるのだが、今日はどうも
そんな気にならない。
何か胸の奥に、ズキリと突き刺さったように感じて、言葉なんか出なかった。
「…………」
彼女も察したのか、もう何も聞かないと決めたようだった。
窓の外の流れていく景色に、目をやっている。
こんなに自分の考えが、言葉にならないのは珍しかった。

何かの謎や疑問に突き当たっても、話すことで己を整理し、答えに行き着くことが多い。
(特に彼女相手なら)
なのに今日はその方法が取れない。
自分が何につかえているのかすら、わからない。


電車は稲村ヶ崎を過ぎると、車窓から水平線が見えるようになる。
海開きにはまだ早いが、沖にはサーフボードに乗った人影も見えた。

「あの…もし今日予定がないようでしたら、湘南海浜公園で降りませんか?」
彼女がそっと申し出た。
彼女の声音で、今まで自分があまりに不機嫌な様子でいることに気付いて、彼女の顔を見た。
「…そうしようか」
ほっとしたように、息をついてにこりとした彼女の表情を見て、またかすかに胸が痛んだ。

その小さな駅で降りると、かすかに潮の香が鼻をかすめた。
陽射しが日に日に強くなっていく頃だけに、もうすぐ4時になろうとしているこの時間が、
一番暑さを感じる。
些細な風が吹いても、肌に心地好く感じた。

海に向かって坂道を下る。心なしか、彼女の足が早まる。静かな住宅街を抜ける彼女の
足取りは軽い。
好きな道なのかもしれない。
出会って13年、それくらいは感じられるようになっていた。


新江ノ島水族館の建物とその後ろに江ノ島が見える。
歩道橋に登ると、驚いたことに右手の海の彼方に、富士山まで見えた。
「びっくりしますよね」
振り向いて彼女は言う。
歩道橋を降りて、道路から階段を下り、砂浜に降りる。
砂を踏みしめて、わずかに足の沈む心地が、何だか今の自分の心境に似合い過ぎて、
少しイライラした。


砂浜にはまだ海水浴には早いものの、海辺で遊ぶ親子連れや犬を連れた散歩の老夫婦、
なんと微かな風にカイトを揚げる人もいた。

「以前聞いたんですけど、あの凧、カメラが取り付けてあるんですって。なんでも富士山と
 江ノ島、あと夕日を空から一枚に収める為に、毎日ここに来てるとか。でも夕方風が吹くと、
 富士山に雲がかかって、難しいみたいです」
自分の視線からカイトに目が行ったことを察して、そんな話をする。
夏至が過ぎてまだひと月もたたない頃では、まだ日の光も目映い。
富士はその緩やかな稜線を、濃い青でくっきりと描いている。
江ノ島は間近に迫って、手に届きそうだ。

「成程。…君が此処を好きなのは、わかった。左手に弁財天、右手に木ノ花咲久夜媛。
 なかなかなロケーションだな」
「なんでもわかっちゃうんですね」
「そんなことはない」
少し強い調子だったかもしれない。彼女が振り向いて、じっと自分の目を見つめる。
そろそろ限界が来ていた。
わからない不安への。





「君が欲しい」





「……………え?」
かすれた声は彼女の耳に届くのに、時間がかかった。
「な…にを言って…」
「帰ろう、奈々」
駅で待ち合わせてから、初めて彼女の名前を呼んだ。
「いいんですか?」
「……行こう」

我が儘なのはわかっていたが、一度こうと思ってしまうと、そこから軌道を変えるのは
何とも難しかった。
踵を返すと、先程降りた駅の方角へと向かった。

彼女は小さく首を傾げて、後に続いた。




家の鍵を開けて入る。後ろから彼女も続く。
「タタルさん、今日は疲れてたんですね。すみませんでした。無理に鎌倉に行かない方が
 良かったですね。すぐ食事にするので、待ってて下さい」
帰り道中ずっと黙り込んでいた自分を気遣って、彼女はすぐエプロンを片手に、
キッチンへ向かおうとする。



「奈々」
「はい?」
背後からきつく抱きしめる。
「えぇ!タ、…タタルさん、どうし…」
彼女がこちらを向いた瞬間に、口づけた。
まるで噛みつくように。
「……ん…」
僅かに開いた隙間から、舌を差し入れる。抱きしめている体が、びくりと震えたのが
わかった。
舌で彼女の口唇をたどりながら、そのまま抱き上げようとすると、さすがに驚いた
らしく、力いっぱい自分の胸を押して、体を僅かに離した。
「な…何があったんですか?」
「……別に」
「本当ですか?今日のタタルさん、おかしいですよ」
頬は上気して薄く赤らんでいるものの、彼女はまだ冷静だった。
「別におかしくなんかない」
腰に回した右腕はそのまま、左手で彼女のブラウスのボタンに手をかける。
「えっ、ちょっ、まっ……」
軽いキスを繰り返して、次第に耳許から首筋へと移していく。
体を強張らせて微かな抵抗をしていた彼女から、ふと力が抜けた。

「タタルさん……ずるいです」

潤んだ瞳で見つめ返されて、もう止めることが出来なかった。








「俺はバカだな」
多分理由などわからないまま、ぶつけられた感情を彼女はそのまま受け入れた。
納得などしがたかったろうに、彼女は優しかった。そのぶん自分の最低具合が
際立って、大きなため息とともに、後悔も強かった。
「……タタルさん、怒らないで答えてくれますか?」
「保障の限りじゃない」
前髪をかきあげて、隣に横たわる彼女を見た。
「………もしかしてヤキモチ妬いてます?」
「………………何でそう思う?」
自分でも認めたくなかった。かの悪友がこの場にいたら(いても困るが)、この時点で
くしゃみしそうだ。
「鎌倉駅で見てたんですね?」
凛とした瞳で見返されて、もう降参するしかないことに気付く。
「あれは誰だ?」
「…高校の時の知り合いで、須藤真司さんです」
彼女は一息ついた。言葉を選んでいるのか、宙に視線をさ迷わせている。
「その…たまに会ってお茶を飲んだりしてました。…そう言えば彼もタタルさんのように、
 歴史に興味の強い方で…、確か楠木正成の七…えーと」
「七生報国」
「そう、それです。その話をしたことも」
「…それで?」
「彼の友達に、やはりそのことに興味を持っていた方がいて、鎌倉宮に資料があると噂で
 聞いて忍び込もうとしたらしいです」
「大胆だな」
それを聞くと彼女はクスリと笑った。
「タタルさんだって、やりそうですよ。……ただその噂を教えた須藤さんは、責任を感じて、
 友達の後を付けたそうです」
「それで?」
「鎌倉宮の管理人さんに、友達が気付かれてしまって、後を付けていた彼は、咄嗟に手を
 出してしまったんです。……ああ、もしかしたら小松崎さんが彼のことを知っているかも
 しれません。彼、空手部でとても強かったみたいで」
「…管理人は亡くなった?」
「そうなんです」
「……全く君は呆れた事件体質だな」
「た…タタルさんに言われたくないです!五十嵐先生のことで、事件に巻き込まれたって
 言ってたじゃないですか」
「あれは先生が事件を連れて来るんだ。俺じゃない」
「…そうやって逃げるんですね」
膨れっ面でこちらを見る。
「彼は過失致死の罪に問われたんだな?」
「ここからはわたしも噂でしか、知りませんでした。でも自分から警察に出頭して、少年院に
 入ったと聞いていました」
ふと彼女は視線を反らした。
ほんのり頬が染まる。
「…話を聞くだけの相手ではなかったわけだ」
「わたしのせいだと思ってました。……彼が事件の話をした時、知らないふりをすれば良かった
 所を、わたしは尋ねてしまったんです。彼を追いつめたのは自分じゃないかと、ずっと
 思ってました」
少し悲しげに瞼を閉じた。
「彼はとうに出所して、今日はご実家に戻られていたそうです。…今結婚して二人もお子さんが
 いるそうですよ」
ふっ、と小さなため息が漏れた。

-----それで彼女は、あの笑顔で彼を見ていたのだろうか。
もっと言いつのり、聞きたい気にもなったが、自分にはその資格がないことに気付いた。
彼女にもまだ全ては、話していない。


「この前外嶋さんが話してたこと、本当でした」
彼女は苦笑した。
「タタルさんのこと、場合によっては取り扱い注意の、劇薬だって。薬にもなるけど、扱いが悪い
 と毒になるかもって」
「………………」
彼女はいつも職場で、そんな話をしていたのかと、ため息が出た。彼女の上司はかなりの
曲者だ。
言いえて妙だが、全てではないその言葉を、鵜呑みにされるのは困る。
「奈々くんなら、扱えるだろうなんて、おっしゃってましたけど。ちょっとびっくりしちゃいま
 した」
「君がどう思っているか、知らないが俺は普通の男だ。----君の前に出ると、
 つまらないことで嫉妬もすれば、慌てもする」
「わたしだってそうです。いつも…いつも不安です。…多分こうして一緒にいるようになって
 からは、もっと」
「…………外嶋さんに聞いてくれても構わない」
「え?」
彼女がこちらを見つめた。
「外嶋さんは知ってる。何故俺が---」
「タタルさん。わたしはタタルさんが話したくなった時聞くって、もう決めてます」
きっぱりとした声だった。


「もうこだわりはない。けれどまだどこから話していいか、わからないんだ」
これすらただの言い訳に感じた。
「これから幾らでも時間はあります。きっと話すことがなくなるくらい」
彼女が微笑う。
あの笑顔で。
「君は勁(つよ)いね」
「……そんなことないです。いつもいつもヤキモキしてるのはわたしの方です」


彼女の前髪を指に絡めとると、顔を近付けた。
「例えば?」
「……それは…ってずるいですよ!わたしばかり話してる気が」
軽く口唇に触れると、言った。
「約束したね?」
「へ?」
「ここでは名前で、と」
「……………………」


…だから何故名前を呼ぶだけで、こんなに逡巡するのだろう。


「……やっぱりずるいです」
頬だけでなく、その滑らかな肌も薄紅に染まっていた。
「じゃあ、もう一度………」
彼女の耳に出来る限り、そっとささやく。
すると、彼女の腕がするりと首を巻き、自分の口唇に彼女の柔らかな口唇が触れた。






※はぁ~重かった(笑)
 奈々ちゃんサイドから見た原作では、タタルさんは結構奈々ちゃん限定?で微笑んで
 います。だからきっとタタルさんから見ると、奈々ちゃんも沢山微笑んでいるかな~と。
 何気にあちこち続いちゃってます。すみません;;
 さあ更新して逃げようっと。

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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
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著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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