タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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体調、ちょっと落ち着きました。
出血したりしたもんで、びっくりしたんですが年齢が重なると
こういうトラブルって出てきますね^^;
やっぱり健康が第一だ。
小説は続き記事からです。
まだ付き合い始めたばかりの、不器用な二人です。
出血したりしたもんで、びっくりしたんですが年齢が重なると
こういうトラブルって出てきますね^^;
やっぱり健康が第一だ。
小説は続き記事からです。
まだ付き合い始めたばかりの、不器用な二人です。
まだ梅雨と言うには、早い季節でした。 けれども五月雨との言葉もあるように、春の終りの不安定な空は、 油断すると思わぬ天気になるようです。 今日は彼と亀戸天神まで出掛けていました。 大きな花房の揺れる藤を眺めていた時には、五月晴れに相応しい青空が、 夕方には薄暗く曇ったかと思うと、カル・デ・サックを出る頃には、 雨模様に変わっていました。 カル・デ・サックから、彼のマンションまではそう遠くはない距離です。 二人で走って帰ることになりました。 途中雨足が強くなり、想像していたよりずぶ濡れになってしまい、 彼はすぐにシャワーを浴びるようにわたしにを脱衣室に入れると、 自分はタオルを持って部屋へ向かいました。 悪いな、と思いつつもシャワーを浴びていると、 扉の外から彼の声がしました。 「奈々、すまないがパジャマが一組しかない。 洗濯したばかりだったが今日の雨で濡れてしまったから… とりあえず、置いておくから」 扉の外からとは言え、シャワーの最中だったので、 わたしは落ち着かない気持ちのまま「はい!」と返事をしました。 彼の家に休みの夜泊まるようになって、ようやくふた月が過ぎようと していた頃です。 まだ急に近くなった彼との距離に慣れず、今までよりもあまりにも側で 彼の低い声が響いたり、ふとした折りに彼の体温を感じたりすると、 体がぱっと熱くなってしまうのがわかります。 そんな話をすると、妹は『まるで高校生の恋バナを聞いてるみたい』 と言って笑うのですが、大学時代からの彼との付き合いは、 あまりにもそう言った部分から遠かったので、 多分お互い―――――彼もわたしもどうしたらいいのかわからず、 見えにくい道を手探りで進んでいるような、そんな印象なのです。 脱衣室の洗濯機の上に置かれていたのは、彼の寝間着の上衣だけでした。 確かに下はあっても、着ていることは難しかったでしょう。 下着……ブラはかなり濡れてしまって、再度身につけるのは躊躇われます。 「…………仕方ない……けど」 彼の寝間着の上衣を羽織ってボタンをかけると、ふと洗面所の 鏡に目がいきました。 ……………………。 この姿で彼の前に行く? それは…………。 かなり時間が経過して、脱衣室の扉を叩く音がしました。 「君、大丈夫か?もうシャワーから出てるんだろう?具合でも悪いのか?」 突然彼の声がしたので、どきりとしました。 「開けていいか?」 「だ、ダメです!」 咄嗟に答えます。 「……………何があったんだ?」 「な、な、なんでもないです!」 「………………」 こんな格好で彼の前に出ていいものか、まだ気持ちの整理がつかなかった わたしは必死でした。 扉の向こうでかすかな溜め息が聞こえました。 「……天の岩戸じゃないんだから」 そうは言われても。 「君が休みの度に、俺の部屋に来るようになって、ふた月と一週間だ。 ………君の、その、体のことはもう、ある程度は知ってる。 今更恥ずかしがることでもないだろう。さっき渡した着替えは 着ているんだろう?」 「………………」 「このままそこにいても、仕方ないだろうし、君がどうしても 嫌だと言うなら明かりを消すが」 そうまで言われて、わたしはやっと、自分が年齢には反比例した 恥ずかしがり方をしていたのかと、思い直しました。 そっと扉を開けると、彼は振り向いてちらりとこちらを見ましたが、 すぐにキッチンに向かいました。わたしは何故か、 なるべく足音をたてないようにソファに向かいます。 足を揃えてソファに座っていると、彼がマグカップを二つ持って、現れました。 コーヒーの湯気が、かすかに立ち上ります。雨が降り始めてから、 昼間の暖かさが嘘のように気温が下がっていました。 マグカップを受け取った時に触れた彼の指先が、ひどく冷たかったのに驚いて、 彼を見上げると髪もまだ濡れています。 早く出て彼にもシャワーを浴びて貰うべきだったことに、その時気が付きました。 「ご、ごめんなさい、タタルさんも雨に濡れて冷たかったのに……わたし…」 「別に構わない。君がなんでもなかったんだから。 ………あんまり出て来ないから、具合でも悪いのかと心配になっただけだ」 わたしはカップを置いて、両手で彼の頬に触れました。 普段の彼はわたしより体温が高いのか、触れると温かく感じます。 でも今はまるで彼の好きな、運ばれてきたばかりのカクテルみたいに冷たい! 「わ、わたしが温かくしてあげます」 咄嗟にそんな言葉が出ました。 彼は一瞬きょとんとして、わたしを見つめましたが、 次の瞬間には口許に悪戯な子供のような笑みを浮かべました。 「どうやって?」 「えっ」 「全く君は………。さっきは岩戸に閉じ籠った天照大神かと思えば、 今度はそんな格好で、そんなことを言う。 ……こちらはかなり抑えているつもりなんだが、それは誘いなんだと 受け取っても構わないのかな?」 「………………」 長い睫毛の下の、黒い瞳がわたしの目とかちりと合いました。 彼もカップを置いて、本当にそっと、わたしの腰に手を回して引き寄せました。 「別に企んだ訳ではなかったけど、……そうやって俺のものを着てると、 いかにも君を『自分のもの』にしたって感じがするな」 小さく低い声で彼は呟きました。 「こんな考え方は傲慢かもしれないが」 「………そんなことはないです」 今更恥ずかしくなって俯きました。 すると、わたしの着ている寝間着のズボンを、彼が着ていることに気が付きました。 そう言えば『これしかない』って言ってたっけ。 見上げて彼の表情(かお)を見ると、ただじっとわたしを見つめてる 彼の目差しがそこにありました。 昼間、今日出掛けた亀戸天神に絡めて、二人の間の話題は天神様のこと ――――――菅原道真や彼の生きた時代の政治や、その周辺の人々のことでした。 こう言った話をする時の彼は本当に熱心で、まるでその時代の人が 話しているような錯覚を覚えるほど。 でも今は昼間、過去のそう言った事象に注がれていた目差しが、 その熱心さをそのままにして、わたしを見つめている ――――ただの錯覚に過ぎないかもしれないけれど、そんな風に感じました。 あまりにもどきどきして、彼にこの鼓動が聞こえてしまわないか心配なくらい。 しばらく彼はわたしの耳許や、首筋に小さなキスを繰り返しています。 優しくふわりとかすめるように。 抱き締められると着ている寝間着の上衣から、どことなく感じる 彼の匂いと、触れる肌から感じる体温、そんなものでいっぱいに なってしまいました。 不思議な感覚。 こうしてお互いを『知る』までは、折に触れて彼のことを思い出し 考えることはあっても、いっぱいになってしまうことはなかった。 と、言うより、こんなに一つのことがいとおしく、 全てになってしまうことは、わたし自身今までになかったかもしれません。 妹にもよく言われたことでした。 「お姉ちゃんはまんべんなく出来るし見れるけど、これに夢中! みたいなもの、あんまりないよね」 そうかもしれません。 わたしはこれまで一つのものに、強くこうしたい、とか、 こうしなければと感じたことがなかったから。 でも妹のこの言葉には、もう一言余計な言葉が。 「タタルさんのこと以外はね」 彼の部屋に泊まった最初の夜に、彼が囁いた言葉があります。 『君に触れたら、手放せなくなるだろう、そう思った』 いつから? いつか聞いてみたいけれど、その言葉は静かに揺るぎない調子で。 彼はわたしとは正反対の、一つのことに熱中すると 他が見えなくなるタイプでした。 ただわたしの知る限り、それが『生きている人』に向かうことは、 一度もなかった。 ベッドでわたしを抱き締めて眠る彼の寝顔を見つめながら、 今、わたしの全てをくるんでいる彼の存在に、 それまでは知り得なかった彼と自分とを感じながら、 そっと――――――彼の瞼に口付けました。
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森伊蔵
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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