タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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すみません、ようやく蒼太生まれました。
リカちゃん、破水したまま放っておいてほんとにごめんなさい(;´・ω・)
次女の時のお産を参考に書いてみました。
破水したのにすたすた一人でカバン担いで産院に行っちゃったので、
看護師さんにびっくりされた記憶があります。
そして帰りも次女抱いて荷物持って、タクシーで一人で帰宅しちゃいましたw
究極妊婦一人でまったく問題がないのですが、やはりお父さんに自覚を持って
貰うためにも、立ち会って貰うのが良いんでしょうね~。
どんな出産にも、本当にドラマがあります。
小説は続き記事からです。
リカちゃん、破水したまま放っておいてほんとにごめんなさい(;´・ω・)
次女の時のお産を参考に書いてみました。
破水したのにすたすた一人でカバン担いで産院に行っちゃったので、
看護師さんにびっくりされた記憶があります。
そして帰りも次女抱いて荷物持って、タクシーで一人で帰宅しちゃいましたw
究極妊婦一人でまったく問題がないのですが、やはりお父さんに自覚を持って
貰うためにも、立ち会って貰うのが良いんでしょうね~。
どんな出産にも、本当にドラマがあります。
小説は続き記事からです。
◆◆◆
結局産院に辿り着いたのは、夜遅く23時を回ってからだった。
その間雪かきにしろ、年度末だからしなければならない決済書類の数々にしろ、うわの空でしかなかった。
なんでーー。
ひと言で良い。『大祐さんに来て欲しい』と言ってくれたら、万難排して向かうのに。何故かこんな時に、彼女は非常に優秀な『自衛官の妻』になってしまう。
産院の前にようやくタクシーを着けると、慌てて支払いを済ませ、産院の入院患者向けの入口のインターホンを押した。
「大祐さん、早かったですね!明日にならないと無理かと思ってました」
「あのね……、来るに決まってるでしょ。あんなLINE来てたら。でも思ってたより、元気そう??」
妻は分娩室の手前の待機用の一室で、ベッドを寄りかかれるよう設定して、ふわりと横になり、カロリー取得用のゼリー飲料を飲んでいた。
「母は明日来るそうです。電車止まっちゃったみたい。神奈川の方がひどい降りだったのね」
僕だけでも間に合って良かった。
少しは急いだ甲斐があったのだ。
「もう陣痛は始まってるの。まだ30分置きなんだけど。私が待ってる間に一人生まれたのよ。さっき元気な鳴き声が……アイタタっ」
「リカっ!?」
「大丈夫、大丈夫。大祐さん、時間見ててくれませんか?この先ゆとりなくなっちゃうかもしれないから。さっきが23時12分。今が37分。……25分か。あまり縮まらないなあ」
どうしよう。
なんだかこちらのお腹も痛くなって来た。
この産院は出産の立会いも推奨している。先月の母親学級は父親の参加もアリの回で、僕も当然参加した。
立会いに関して、あまり大量の血や医療器具に対して怖れのある人は無理をしなくて良いと説明を受けた。
戦闘機に乗っていたとは言え、いや、乗っていたから、あまり大量の血など見た経験は少ないが、災害の出動の際にそれなりの経験はした。出産に立会うくらいは当然問題なく出来るだろうと考えていた。
しかし、痛がる妻を目の前にして、いざとなると何をして良いのか分からない。いやいかん。落ち着かないと。
……そうだ、確か母親学級では腰を撫でてあげれば良いって話してた筈。
「リカ、大丈夫?」
「ありがとう、だ、大丈夫。また治まるから」
「水分補給は?」
「そこのテーブルにほうじ茶、水筒に入れてあるの」
少し……落ち着いた。
いつもの感じが戻って来た。
そうだ、ここはF-15のコクピット。
そう思えば、何があっても対応出来る筈。
「……大祐さん?」
「あ、ごめん。もう少し撫でてあげようか?」
「はい」
「急に素直だね」
「だんだん痛みが強くなってきて……やっぱり大祐さん来てくれて良かった。だってこんな天気だし悪いなって思ってたの」
「何言ってるの、産むのも僕が代わってあげたいくらいだよ」
代われるならば。
「またそんな……んーー!アイタっ。」
「楽な姿勢になって。リカは変な時に我慢強すぎるよ。もっとナチュラルに痛がった方がラクなんじゃない?」
「う……ん」
ようやく自分のペースが戻って来て、落ち着いて妊婦の介護が出来るようになって来た頃には、陣痛の間隔は10分置きになっていた。
日付が変わってからが、長かった。
夜が明ける直前の5時55分、やっと小さな産声が上がった。
「空井さん、可愛い男の子ですよ。目元切れ長で、イケメンですねー」
そう言われて見ると『赤ちゃん』という割には随分色の白い赤ちゃんだった。
「顰めっ面してるなあ」
「ふふっ、んーー」
「あ、後産始まりますから、お子さん、体重測ってあちらのお部屋に連れて行きますね。後でお部屋に連れて行きますから。ご主人は待合室にいらっしゃいますか」
妻の頑張る顔を見てから、そっと分娩室を出た。
廊下から窓を見ると、出たばかりの朝日に照らされて、昨夜の雪が眩しく反射していた。
今日は快晴だ。
近くにある待合用の椅子に座らず、しばらく窓を眺めていると、点滴を刺したままの妻が分娩室から出て来た。
「大祐さん、お部屋の方に移るので。今ナースさん来てから」
「……リカ、お疲れ様」
「ハイ」
彼女は近年ないくらいの、綺麗な笑顔で僕を見た。
産後の女性は一際美しくなると聞いたけど……それは本当だった。
「赤ちゃん生まれた時、大祐さん嬉しそうな顔してたから、ホッとしました」
「?!」
「女の子がいいな、って話してたでしょ。でも実は6カ月の時にははっきり男の子だって分かっていたので、どうかなぁと思ってたんです」
「………」
そんな負担を妊婦に強いてたとは、知らなかった。
あくまでも希望で、無事生まれたのであれば男の子でも嬉しさには全く変わりはない。
それは先程、生まれたばかりの息子の顔を見て良く分かった。
感情の深い所で感じる喜びは、男だから女だからで変わる問題ではまるでない。
「空井さん、お部屋ご案内します。ご主人、荷物お願い出来ますか?」
看護士に荷物を渡され、彼女をそっと支えながらゆっくりと廊下を歩いた。
「リカ、まだ痛いんでしょう。横になったら。撫でてあげるから」
「そうします」
「槙さんから聞いたけど、柚木さんも相当大変だったみたいだ。あまり我慢しないで、痛い時には話して」
「……大祐さん」
改まった表情で彼女がこちらを向いた。
「あの……子供の名前なんですけど」
「うん」
「私が付けても良いでしょうか?その……考えてたんだけど、ずっと思い付かなくて、さっき廊下から外を見て思い付いたんです」
「何て名前?」
「蒼太。蒼穹とか青空を意味する言葉に使われてる蒼の字を、使いたいんです」
「蒼太……」
確かに今日の空は晴れ渡り、蒼穹というに相応しい空なのは間違いがない。
「いいね。それなら早速役所に届けて来るよ」
「………」
急に彼女がポロポロと涙を零した。
今まで全く冷静で、平然としていたのに。
「ヤダ……、緊張感解けたら、急に。ああ、良かった。破水して病院に来た時には既に雪が積もってたし。間に合わなかったらどうしようとか、なるべく考えないようにしてたから。さっき赤ちゃんの顔見て、本当に良かった。間に合ったって思ってから、ずっと涙出そうで、必死に我慢して」
「……リカ」
そっと彼女をもう一度ベッドに横たえて、出来るだけ優しく撫でた。
産後の女性は感情が高ぶる事があると聞いていたけど、こんな風に静かに発露する感情もあるのだ。
昨日から今朝にかけて、彼女はどんな状況であれ一人で戦っていた。
「ありがとう。リカにしか出来ない事だから……蒼太も生まれて来て喜んでるよ」
「そうかな…?」
「そうだよ」
産院の廊下はそろそろ朝の支度で忙しくなって来ていたが、この部屋の時間だけは静かに流れている。
「やっぱり大祐さんと同じで、パイロットになりたいって言うかしら」
彼女は涙を拭いて、また微笑った。
僕も笑顔で返す。
「さあ、どうかな。さっき見た感じだとキミに良く似てた。やたら仕事に真面目で、きっと後戻り出来ないくらい、真っ直ぐな性格になるかも」
「どう言う事ですか!」
まあまあ、と手で示す。
「少し眠ると良いよ。さっき看護士さんも言ってたでしょ。朝御飯7時だから、少し休んだ方がいい。僕はちょっと電話をかけてくる」
不覚にも彼女の涙を見てたら、僕も泣きそうになった。今泣いたら一生言われそうだ。
辛うじてグッと呑み込んだ。
乳児室に立ち寄り、部屋の外のガラスから、改めて息子の顔を見た。
色んな夢や希望が、彼の側に寄り添っているようにも見えた。
昔読んだ童話の中にもそんな話があった気がする。妖精が一つずつ、生まれた子供に才能をプレゼントする。
でもそんな事しなくても、生まれた子供はもうその手に未来を掴んで生まれて来る。
辛い時もあるだろう。
挫折も味わうかもしれない。
でも……。
僕と彼女のように、きっと出会って結ばれる縁に、助けたり助けられたりしながら、生きていくに違いないのだ。
そんな未来を描いて、やっと自分も人心地ついたのが自分で分かった。
雪がドサリと落ちて、向こう側に朝日に輝いている冬の澄んだ青い空が見えた。
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HN:
森伊蔵
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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