航空祭で昨年も楽しく見た、C-1輸送機の展示飛行。
Ｃ-1は蒼太が隊員になる頃には引退するらしいことを知りましたが、
それでも書かずにはいられませんでした。

ほんとは漫画で行きたいネタその２。


小話は続き記事からです。

[8回]

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今日の入間は快晴。
雲一つない。
昨日までの曇天が嘘のようだ。
先輩たちから聞かされる、入間必ず晴れ伝説。
尤も地元出身の整備士達の話では、この辺りでは昔から雨が少なく、
水の確保が大変でそれが昔話になる程だったらしい。
名産の狭山茶にしたって、水が無くて稲作が出来なかったから、
お茶を作ったのだとか。
お茶──と言えば。
迷彩色のあの何とも言えない緑色。
あの色こそ、入間に相応しい。
そして迷彩と言えば、Ｃー１。
入間が誇る第２航空輸送隊である。
だから──白地に青のＴー４……通称ブルーインパルス。
松島の第１１飛行隊なんて、そもそもメじゃない。
フン、空中で１回転しようと３回転しようと、
５回転しようとそれがなんだって言うんだ。
アイツら、回るだけが芸だもんな。
いつもより余計に回るのは、傘の上のボールにだって出来ることだ。
特に──なんつったっけ。５番機の後ろに乗ってるヤツ。
skyとか、普通なら有り得ないくらい格好つけやがった
勘違いも甚だしいようなＴＡＣネームが付いてるヤツ。
２４歳でドルフィンライダーになった奇跡の才能とか言われて、
調子こいてフツーならば女子が昼休みのついでに読むような
ファッション雑誌に、見開きで記事まで載ったらしい。
信じられねえ。
パイロットってなあ、もっと繊細さと正確さ、そして持続力のいる地道な商売なんだぜ。
女子にキャーキャー言われてるようなのは……まだまだ甘いんだよ。
俺だって、Ｃー１で展示飛行のパイロットで選ばれた中では最年少だ
──アイツ、空井蒼太と同い年だけどな。
 
 
 
「straw、行くぞ！今日はお前次第で決まるからな」
「先輩、俺、ブルーの奴等なんかに負けずに会場ブイブイ
言わせて見せます！」
「よーし！その意気だっ」
 
 
 
ブルーチーム控室。
「うおー、輸送隊のあの機体やるなあ……すげえ傾き具合。
ブルーだと気にならねえけど、Ｃー１だと万が一あの中に
自分乗ってたらとか、想像すっからな」
「……確実にイけますよね」
「でもよ、sky」
「はい」
「２８年前の震災の時に、入間からバンバンＣー１が
飛んできて物資が来たお陰で助かったって、
佐藤二佐も言ってたろ」
「ええ、父からも聞いてます。道路が津波で寸断されて、
空路しか輸送が出来なかったって」
「やっぱ燻し銀の良さがあるよな、Ｃー１……」
「俺、Ｃー１ないとカノジョに会いに戻れないんで」
「かーーっ！涼しい顔してそれ言うかっ。
解った。今日はいつもより余計に回ってやる！」
「佐藤二佐からお小言喰うのは、平田一尉ですからね」




※ツイでお知り合いの佐貫様に捧ぐm(__)m
Ｃー１大好きです。

佐藤二佐は山形出身ってことで。親御さん世代に被災された設定です。