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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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◆◆◆

それは日曜日の、夏だったのに珍しく一日優しい風が吹き続け、
ゆっくりとした午後のことでした。



「君、今手が空いてるか?」
昨日のお給料日にうっかり神田に行ってしまったとかで
山ほどの古本を抱えて帰ってきて、先ほどまでそれを読むのに
その日のエネルギーのほとんどを費やしていた彼が、急にこちらを見ました。

「ええ、まだお夕食の支度までは時間がありますし」
「じゃあ、こちらへ。ひとつ面白いことに気が付いた」
彼の周りに何かの結界のように、あちこちに積まれた本は
主に平安時代の末や鎌倉時代の初めについて、書かれた本のようです。

なんとか場所を探して彼の傍に座ろうとすると、彼は殊更優しい瞳で
微笑って言いました。
「ここへ、こちらへ来たらいい」
「………」
確かに周りは本だらけで、正直そこしか空いてない。
彼の膝の間…。

少し躊躇いましたけど、そっとそこに膝を立てて座りました。
彼は満足そうに柔らかな微笑みで笑っています。
そっと前に手をまわして、本当にそおっと、わたしを引き寄せました。
「面白いこと、ってどんなことですか?」
多分何か歴史上のことに、気が付く点があったのでしょう。
そんなときの彼はとても機嫌がいいし。


「君の立てる足音や…料理をしてる時のリズムが同じだということ」
「……うるさかったですか?」
話が予想外の方向だったので、なんだかどきまぎしてしまいました。
「そうじゃない。君と…暮らし始めて、毎日耳にしていたリズムがあった。
 多分俺にもそれはあるし、動物や植物にもそれがある」
「バイオリズムのようなものでしょうか?」
「そうも言うし、俺は…もっと些細な小さなリズム。漢方でも気、血、水があるけど、
これも大きな流れと毎日の小さな流れを診ることがあるから」
だんだん自分が彼の方に抱きしめられて、本当に彼の内側にすっぽり
収まっているような気持ちになりました。
すぐ耳のそばで彼の声。
「君の足音や包丁を使ってるときのリズム、窓を開ける時、掃除をする時
 そんなリズムを今日一日聞いてた。だからもっと傍で聞こうかと
 思って」
ふと今まで優しく回された腕に僅かに力がこもり、
彼の呼吸が近づいて……。



首筋に冷たい彼の唇が触れました。


「…少し動悸が早くなったな」
「………」
「今二人で同じリズムだ」
「………」
そっと背中越しに彼を見ると、少し照れたようにこちらを見つめていました。

多分わたしの『リズム』の方が早いはず。



窓からそろそろ夕方になるのか、思ったよりも涼しい風が吹きぬけます。
彼の『リズム』とわたしの『リズム』の重なる心地よさに、
どこか溶けていきそうなそんな感覚に身を浸して、
そっと彼に寄りかかりました。


◆◆◆



えー、先日ツイッタで仲良くして頂いてるmそぞろ歩き~空の下~のmoggyさんと
フレームの素材集の話になり(moggyさんはお買い物中でした)
『八雲くんにガーリー、ナルにガーリー、タタルにガーリーってどうよ?!』
とのお言葉。
(内心、八雲君単品はともかく晴香ちゃんも添えればガーリー十分オッケー、
三十路カップルにあれこれコスプレさせるよりは(*ノノ))
などと思いつつ
「タタルさんには注連縄フレームが似合うのでは?」
と言う返事をしたらどうもmoggyさんがヒットして下さったようなので、
じゃあ、書いてみようと言うことになりました。

で、描いたのが『禁足地にて』と言う記事のイラスト。
そしたらその日の更新に、moggyさんがとても優しげなタタ奈々の
イラストを描いてくださったので、無理やり強だ…、いや注連縄と
交換して頂きました。


ひゃっほいヽ(^。^)ノわらしべ長者のように得した気分の
森伊蔵です。
蛇足もいいとこのssも付けてみました。
moggyさんありがとうございますm(__)m


それにしてもこのタタルさん(ssの方)、一日奈々ちゃんのリズムとやらを
耳にしながら、本を読み漁ってたと言うことは…
『少しは家事手伝え』



コメントのお返事は続き記事からです。

拍手[2回]



遊月様>いつもありがとうございますm(__)m
有効なお返しが出来るよう、挿絵も頑張りますね!
いつも関東から出たことのない私にとっては、日本の南とか北に住む
方々の苦労と言うのは想像もしがたいほどだと、いつも思います。
雪国の方は雪かきを日常にしてらっしゃるし、火山のそばに住む人は
ある脅威と毎日戦ってるわけで…『暖かくていいわね』とか『涼しくていいわね』
なんて軽々しく言ってはいけないように思います。
でも鎌倉に言ったときは、つくづくこちらに住みたいと思いました。
海のそばの方が体質には合うようです(^_^;)
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
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