タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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QEDと広報室、並行して書いてたら、先に広報室の
調べごとの方が終わりました(^_^;)
だんだん切羽詰って来た我が家の空稲の二人ですが、
や~この先どうしようかしら?
今まで興味を持ちようがなかった飛行機の歴史について、
あれこれ調べましたが、片手間で見苦しい部分があると
思います。お許しくださいm(__)m
拍手も沢山いただいてます。
いつもありがとうございます。
コメントの返信は次回記事で致しますm(__)m
小説は続き記事からです。
調べごとの方が終わりました(^_^;)
だんだん切羽詰って来た我が家の空稲の二人ですが、
や~この先どうしようかしら?
今まで興味を持ちようがなかった飛行機の歴史について、
あれこれ調べましたが、片手間で見苦しい部分があると
思います。お許しくださいm(__)m
拍手も沢山いただいてます。
いつもありがとうございます。
コメントの返信は次回記事で致しますm(__)m
小説は続き記事からです。
◆◆◆
11月3日。
入間基地周辺は、多くの人で囲まれていた。
毎年行われている航空祭。
入間のそれは、首都圏からのアクセスの良さもあり、
マスコミの注目度も高く、数ある航空祭の中でも
最も盛り上がるイベントの一つだ。
自分の所属する広報室も、マスコミへの対応や、
観客の誘致などに向けて、夏の終わりから忙しい毎日を
過ごして来た。
――それでも。
彼女との連絡は絶やしたことはなかった。
土曜の夜も出来るだけ、彼女の部屋に向かった。
無理をした訳じゃない。
多分連絡出来なくとも、彼女は十分に理解しただろう。
けれど何よりも自分が、彼女に会いたくて、声を聞きたくて、
メールに返すひとことを知りたくて、そうしていたのだった。
だから。
もう頃合いだろうと言う気持ちだった。
いや、自分に正直に言えば、初めからそうせずにはいられない、
そんな気持ちだった。
けれども。
二年前の三月、松島で別れた時に彼女は言った。
『一生の指針を頂きました』…と。
それは彼女の心の底からの、雑じり気一つない敬意が
現れた言葉だっただろう。
でもその『敬意』に所謂、男女の恋や愛情と言った言葉は
割り込む余地があるのだろうか?
自分のこれが長所でも短所でもあるのだが、先のことはともかく、
今ある目的に向かって真っ直ぐ突き進んでしまう所があった。
ブルーの、戦闘機のパイロットになるのだと思い、
それを目指した時には、まさか自分の人生に180度の方向転換を
強いられるとは思っても見なかったのだ。
方向転換をしなければならないと言うことにすら、
自分では気が付けなかった。
稲葉リカ。
彼女が現れて、こう言わなかったら。
『戦闘機って人殺しの機械でしょう』
戦闘機のパイロットを目指し、それが頂点で、
そしてそれが一番美しいものだと言う価値観以外を知らずに
過ごして来た。
それ以外の――まるで正反対にある価値観に気付かずに来たのだ。
それが彼女の一言で叩きつけられた。
あれから。
広報官と言う、パイロットに比べると幾らか複雑な色合いを
持たずにはいられない仕事に就いて、彼女が初め持っていたような印象の方が、
世間ではむしろ普通なのではないかと感じた。
だからこそ、広報官としての仕事に意義があるのだと知り、
それはパイロットの仕事と意味としては何も変わらないものなのだと思った。
戦闘機――そう書くと、人は誰でも攻撃の為の飛行機だと思ってしまう。
でも『戦闘機』は主に要となる艦隊の守護や、爆撃機の支援、
援護の為に使われる飛行機だ。
その為に高い性能や操縦技術を要求されるが故に、空自でも戦闘機と
そのパイロットは花形なのだ。
広報官は広報と言うある意味攻めの方法で、
働く仲間を援護する役割だった。
パイロット時代と――同じ。自分はそう思っている。
そしてそんな自分の気持ちを、今何も言わずとも理解しているのが
彼女だった。
ただの思い込みかもしれないけど、まるでデュアル・ソロ飛行を行う
五番機と六番機のように、彼女がディレクションした番組を観た時は、
そこに彼女がいて話してでもいるような錯覚を覚えることもあった。
だからメールで突然『仕事で航空祭の取材に付いて行くことになった』と
知らせて来た時は、少し意外にも思った。
何故なら航空祭が終わった後で――彼女にプロポーズしよう。
そう決めていたからだ。
それは彼女にもそれとなく伝わっているもの――そう思っていた。
最初、彼女は『仕事でなく』来たい、そう言っていた筈なのに。
「帝都テレビで今回の企画の担当になりました飛田です。
よろしくお願いします」
彼女よりは少し年下に見える青年は、はきはきとして好奇心の強そうな
人物に見えた。
こちらの名刺を受け取った途端、嬉しそうに受け答える。
「空井さん、ですか。いかにも飛びたくなる名前ですね。
俺もよく言われるんですが。子供の頃から飛行機大好きで、
特に戦闘機は興味あります。色々教えて頂けたら嬉しいです」
「それは…心強いです。なかなか一般の方には難しい、誤解も多い分野です。
資料提供は惜しみませんので、こちらこそよろしくお願いします」
初対面の相手には慇懃にならないよう、でも丁寧にお辞儀をする。
すると今まで後ろで見守っていた彼女が口を開く。
「飛田さんは飛行機開発の歴史に興味がある方なんです。
今年は大きな飛行機事故もあったし、米軍の軍用機の配備も
問題になったりして、一般の方々の興味を惹きましたから、
来年春の特番にいっそ飛行機の歴史を
持って来ようかと言う企画が持ち上がって。
戦後の技術開発史を追う、硬派な番組になると思いますが」
久しぶりに仕事で凛とした瞳(め)の彼女に相対する。
どきりと――心臓が高鳴る。
「それでまず航空祭から?」
「ええ、現代の航空機、と言うことでまずはブルーインパルスの絵から
始めようって。入間の航空祭に間に合って良かった」
薄く彼女が微笑んだ。
「今日はベストスポットを準備しました。此方へ」
カメラマンやアシスタント、そして二人を連れて、会場に向かった。
「…リカ!」
そっといつもの呼び方をした。
勤務中であることもあり、彼女に声をかけることは必要以上に
躊躇われる。
だから、彼女がハンディのビデオカメラを下ろしたとき、
静かに脇に立って、声をかけた。
「………」
振り向いた彼女の頬は薄く染まっていた。
口はへの字口だが、これはいつものことだ。
「今日、この仕事が終わったら少しでも時間がある?」
「…きょ、局に戻って録った映像、チェックしなきゃいけないから」
「たった30分、いや15分でも?」
「……だ、いえ、空井さん、そのことは後で」
彼女の困り抜いた表情を見ると、それ以上何かを言うことなど
出来ようもなかった。
航空祭は無事終わった。
ずっと帝都テレビの取材に付いている訳にも行かず、
他に来ていたテレビ局や雑誌の取材チームも回り、声をかけた。
入間に来て今日ほど忙しい日はなかっただろうが、
それでも空幕広報室から松島基地の広報室へ、そして入間と経験を積んで、
それなりに仕事にもその手順にも自信が出来て来ていたから、
思ったより落ち着いて仕事が出来たように思える。
そして仕事中も忘れ得なかったのは、彼女のことだった。
と、言うか忘れようもなかった。
それなのに。
「り………稲葉さんっ」
入間基地の正門を後にする、帝都テレビのチームを辛うじて
捕まえることが出来た。
「飛田くん、先に局に帰ってて貰えますか?カメラマンの方たちと一緒に。
わたし、後から電車で追いかけるから」
「わかりました」
彼女の頼みに笑顔で答えて、彼はこちらにお辞儀をすると去って行った。
「いい人だね、彼」
「ええ、夏頃から阿久津さんに任されて組んで仕事をしてるけど、熱心で。
今回の企画も、空自とのタイアップ部分は彼に全て任せることになると
思います」
「……リカじゃないんだ」
「わたしは全体を見なきゃならないし…戦前や戦中の歴史の部分を
受け持つことになっていたから…その」
「それで部屋に堀越二郎の伝記なんて置いてあったんだ」
「ええ、やっぱり、いつもの如く知らないことばかりだから」
ここ最近の彼女の仕事は、知らないことが多かった。
彼女が話したがらないこともある。
今回の取材も空幕広報室の比嘉さんを通して申し込みがあった。
生真面目な彼女のことだから、公私混同を避ける為にしたことだろうとは
思う。
でも彼女から『仕事で航空祭へ行く』とメールがあった時、
がっかりしたのも事実なのだ。
彼女の触れると柔らかな髪が、ふわりと風に舞う。
先週の土曜はあの髪を指先に絡めて、口付けて、紛れもなく彼女は
自分の手の中にあった。
そしてこうして向かい合ってる今日も。
今、ここが基地の正門前だと言うことを忘れて、
彼女を引き寄せて、あの口唇に自分の口唇を重ねたら…。
「リカ…僕、いや、俺はっ…」
「わ、わたしはっ」
短い沈黙の後、二人同時に言葉が出た。
「僕はリカと、け…」
「わたしには大祐さんを守ってあげられません!」
「え…」
「だ、だから…ごめんなさいっ」
先程までの凛とした大人びた彼女ではなく、必死に訴える少女のような表情の
彼女が、顔を真っ赤にして前に立っていた。
――今、なんて?
「わたしじゃ、守れない。いざと言う時じゃ、
邪魔になっちゃう…だからっ」
「待って!守るのは――」
一生お守りします。
そう言う台詞はこの場合、僕の台詞ではないのか?
はっと気が付くと、彼女は既に背を向けて、門の外へと走り去っていた。
※後編に続く…
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
当然ですが、原作者および版権元様とは
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