タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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拍手、コメントありがとうございますヽ(^。^)ノ
旦那さんに、現在の戦闘機開発について、と言う妻が夫にするには
どうかと思う質問内容でアレコレ聞きかじった後に、
ちょっとずつ関連ワードを調べていくうちに、
自分の書きたいことが見えてきました。
コメントの返信は次回更新にさせて頂きます。
子犬の大ちゃん、絶賛出演中(ピカケさん、ありがとうございますm(__)m)
大ちゃんのシリーズはコチラでも読めます。
大ちゃんの長い夜
小説は続き記事からです。
旦那さんに、現在の戦闘機開発について、と言う妻が夫にするには
どうかと思う質問内容でアレコレ聞きかじった後に、
ちょっとずつ関連ワードを調べていくうちに、
自分の書きたいことが見えてきました。
コメントの返信は次回更新にさせて頂きます。
子犬の大ちゃん、絶賛出演中(ピカケさん、ありがとうございますm(__)m)
大ちゃんのシリーズはコチラでも読めます。
大ちゃんの長い夜
小説は続き記事からです。
◆◆◆
「ワン!」
足元の薄茶色の塊が、丸い黒い目を此方に向けて、
小さな尻尾を必死に振っている。
夕方離陸する最後の便で入間に着くと、空はどんよりと重い、
星一つない夜空だった。
ぐずぐずしてると、小金井の実家に着く頃には降られてしまうと思い、
急いで手続きを済ませ、基地から稲荷山公園駅に向かった。
この利便性の良さは他の基地にはない。
両親が結婚した時に、入間基地を基点に考えてマンションを購入したのは、
これが理由だろうと思えた。
首都に近い唯一の基地として、輸送機の離発着も多い。
西武線に乗り、所沢で西武新宿行きに乗り換え、
花小金井駅で降りると、午後9時になろうと言う時間だった。
そこで軽いランニングのスピードで実家マンションまでの道程を終え、
扉を開けると、自分を出迎えたのは小さな柴の子犬だったのだ。
「……頭痛くなるようなメールは、お前の仕業か」
抱き上げると、柔らかい毛の感触と犬特有の温かな体温を感じる。
「大ちゃーん、ダメよ。玄関イタズラし…って蒼太?!」
「ただいま帰宅致しました」
「な、なんで帰って来たのよっ。小松はっ?
ブルーの展示飛行なくなったなんて情報入ってないわよ!」
「展示飛行はあるよ。俺だけ休暇」
確かに今までにない事態に、母も何かを察したらしい。
それにどちらかと言えば、母がこの時間にエプロンなど締めて
家にいることも、我が家的には変事と言えた。
「親父は?」
「勿論いるわよ。今、二人でキッチンの片付けしてた所」
この夫婦は滅多に二人でいられないせいか、
休暇が重なり二人でいると、必ずと言って良い程一緒にキッチンに立っている。
主に司令官は父で、母が候補生の役割だが、それが自然と身に付いてるようだ。
幼い頃から当たり前のように見てきた光景だったが、
社会人になってから世間的にはあまりない、と言う事も知った。
全くこんな様子の両親が当然になっていたから、
先月末に母から来た「蒼太に弟が出来ました」などと言うメールを、
うっかり本気にしかけたのだ。
「蒼太、おかえり」
父がキッチンの入口から顔を出した。
「蒼太が帰って来たなら、コーヒーでも淹れようか」
父は此方の顔を一瞥して何かを察したように、微笑って言った。
「大ちゃん、賢いのよ~。もうおすわりもお手も出来るの」
母の足元で子犬は目をキラキラさせながらちょこんと座り、
それでも姿は一人前の『おすわり』をしていた。
「なんだってこんな呼びにくい名前付けたんだよ。
親父の名前に『ちゃん』付けとか、ぜってー有り得ねえ」
「え……それは、そのう。ペットショップで目があった時に、
名前がポンと浮かんできたのよ」
「名前決めてから飼うあたりが、リカらしいね」
父は心からの笑顔だ。
ぼちぼち深夜帯に入る時間でも、母が寛いだ様子で
家にいるのが嬉しいのだろう。
「随分と急な休暇だね、今回は」
父はさりげなく、しかし無駄のない質問をした。
母からの質問から逃げる術は、子供の頃から幾通りも用意していたものの、
父からの問いを躱すのはなかなか難しかった。
しかし父も最後は空幕広報の室長まで勤めた人間だから、
ブルーのパイロットたる息子の、通常ならない時期の休暇、
帰還にただならぬ理由があるらしいのは理解している。
「基地司令直々の休暇命令だったから」
「……蒼太、それは。あっ!大ちゃん、ダメよ、全部食べちゃダメ」
母は慌てて手から取り零した、子犬用と思しきビスケットを拾った。
「それは次の異動先に関わることかな?蒼太は12月で松島に
三年いることになるし、もう異動先の話が出てもおかしくない。
もしかしたら三年ギリギリまで居られずに、異動するのかな?
例えば築城とか、那覇に」
「……まあね」
「蒼太の年齢なら当然だろうね。本当なら百里の次が那覇でもおかしくなかった。
松島に異動になったのはある意味、偶然の機会のようなものだっただろうから」
父はゆっくりと湯気の立つ青のグラデーションのコーヒーカップを持ち上げた。
関東は既に梅雨に入り、日中はともかく日が落ちると少し肌寒さを感じる。
ホットのコーヒーが殊更美味しく思える。
「異動先は第83航空隊じゃない……と思う」
父が予測している大陸への警戒の為に編成されている隊は、
国内でも一番スクランブル発進の多い隊だ。
最近では台湾や更に南側の国境付近が非常警戒域に入り、国内外の注目度も高い。
「……解った。それ以上はまた話せる時に聞く事にして、
それとは別に話したい事があるんじゃないか?」
「……ん」
「ねえ、蒼太。わたし居て大丈夫?もし何だったら、
大ちゃん連れてコンビニでも行って来るけど」
腰を上げかけた母の手を掴んだ。
「いや、母さんにも聞いて欲しい話だから」
「そ、そう」
母が座り直すのを見て、覚悟を決めた。
大体言われそうなことは解っていた。
そして最後には自分達に決定件が与えられることも。
母の足元にいた子犬は、既に同じ場所に丸くなって眠り始めている。
等間隔で動く背中が、子犬の旺盛な生命力を感じさせた。
「結婚しようと思うんだ。式が難しければ、籍だけでも。
アイツ、いや郁が次に帰国した時に」
「……郁ちゃんには話してるのよね?」
任務でなかなかメールも電話もすれ違いな自分より、
彼女とは母の方が連絡の頻度は高い。
「まだ」
「それじゃあ、まだ私たちが話を聞く段階じゃないのではないの?」
「もしアイツの返事が否、と言う事ならば婚約は解消する」
「な、何で!?お互い色々あるって解っててした婚約じゃないの。
郁ちゃんはそんなに理解のないコじゃ……」
「リカ」
父の静かな声が、母の言葉を止めた。
「まずは鷹島さんに聞いてみてからだね。確かに那覇に異動になるなら、
今までの二人のやり方だとますます遠くなるから、蒼太の気持ちも解る。
鷹島さんを約束で縛りたくないんだろう?」
「……それだけじゃなくて。異動先、確かに書類上は那覇だけど」
それ以上は話せなかった。
「解ったわ、蒼太。うん、それなら郁ちゃんが帰国した時に、
簡単にでも式が出来ないか、場所探してみる。
ロケハン専門の会社に知り合いが何人かいるから、
急でも予約が取れる教会とか神社とか聞いておくわ」
「……母さん、アイツの話を聞いてから」
「場所押さえておくだけよ」
母はさっさと立ち上がり、パソコン用のデスクに向かった。
その母の後ろ姿を見て、父はクスリと微笑った。
「全く君とお母さんを見てると、親子だなぁって思うよ」
「え?」
「初めてお母さんにプロポーズしようとした時に、
逃げられちゃったからね。
先を読み過ぎて、全部自分で背負いたがる。
話してみてからでも、遅くはないのに」
「……」
父の穏やかな表情に、バツが悪くなり俯いた。
「最初に空幕広報に異動になった頃に、先輩達から教わったよ。
企画を持ち込んだ時、あまり反応の良くない相手の時こそ、
時間をかけて何度も交渉する事が大事だって。
やっぱり面と向かう回数が増えれば、理解も深まるし。
諦めたらそこで終わってしまう訳だから。
蒼太は、別れたい訳じゃないんだろう?顔にもそう書いてあるよ」
「だから話すの嫌だったんだ」
ふう、と溜息をついてやっとソファに寄りかかった。
「鷹島さんは、きっと断らないよ。
蒼太の部屋にある72分の1スケールのチヌークを賭けても良い」
「あ、アレはアイツが今年の誕生日に寄越したもので……、
全くアイツ航空祭狙って帰国するもんだから、ロクに顔も見れねえ。
何考えてんだか」
「蒼太より飛行機のが良いのは、本当だから仕方ないな」
「……クソ親父っ」
翌日電話に彼女が出た。
松島からかけていた時は全く繋がらず、
解ってはいても気分は下がる一方だった。
合間に来ていた彼女からのメールには、最近彼女の義兄の入院先が変わり、
此方が電話をかけている時間帯は彼女が車で帰宅している最中に
当たっていたことが書かれていた。
些細なすれ違いなのだが、まるで顔も見れない日々に、
気持ちの抑制にも限界を感じさせた。
それでも電話で話せる内容ではない。
松島から入間に戻る前に基地司令から再度念を押された。
『家族』以外には話さないように。
それは厳密なニュアンスも含まれていた。
家族にならなければ、彼女にも話せない。
異動は建前では那覇。
実質的には普天間の米軍キャンプの特殊航空部隊。
そこで半年基礎訓練を受けた後に、アメリカのNASAでまた訓練を受け、
テストパイロットとしての任務が始まる。
まだ話せないと言いつつ、谷分と言う男が手渡した資料には
テストパイロットの任務に着くまでの、詳細な訓練の項目が並べられていた。
此方の意志に任せると伝えながら、これは十中八九自分が
このミッションを引き受けることを想定して作成された資料に思えた。
流石に開発が進められてると言う戦闘機の概要までは、
まるで予測がつかなかったが。
彼女も察しの悪い方じゃない。
電話の会話の内容から何か気付いたかもしれない。
「お、何だよ」
気付くと、子犬がTシャツの裾を噛んで引っ張っていた。
側にはボールがある。
「何だよ、俺に挑戦する気か?大二郎。良い度胸だ、公園行くぞ」
子犬を腕に抱くと、様々な想いを振り切って玄関に向かった。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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