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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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スマホケース、ようやっと入稿を終えました。
今回は同人向けの印刷屋さんではない為、なんと試作品と言う
物が送られてくるそうです(#^.^#)
試作品代10000円……。
妙なところに人生かけておりますww

↓こんなデザインになりました。青がくすむのはお許しを(T_T)


そんな中でもちゃんと空稲新刊の原稿も着々。
ボチボチ漫画にも取り掛からねばと思っています。
販売開始は6月中旬かな?
10月のスパークにできたら参加して、総集編前後編二冊、
スペースに並べば良いなあと思っています。


その間に息子たちの恋愛話も決着を付けたく思いまして、
非常に無理な背伸びをしつつ、お話を書いていこうかなあと。
もうこれはファンタジーの領域として読んで下さい(笑)
飛行機のコクピットの中がどうなっているのかも、今日やっと
知ったような人が飛行機をゼロから飛ばす話ですからねww
もっとも今から27年後ほどに、有人タイプの戦闘機に活躍の場が
果たしてあるのか、首をひねりつつ。
それでも人は自分が空を飛ぶ夢は捨ててないと思いたい。

拍手コメントありがとうございます!
返信は次回更新にてさせていただきますm(__)m

小説は続き記事からです。

拍手[7回]




◆◆◆


先週、今年最後の那覇基地での展示飛行が終った。



そして半年前、隊長から次の任地のことで呼び出され、
大抵のことでは驚かなくなっていた松島での生活で、
最大に驚かされることになる。
まずは呼び出された先が、基地司令室だったこと。
司令室にいたのは飛行隊長と基地司令だけではなく、
どうやら防衛省の職員と思われる、この場にはややそぐわない雰囲気の、
スーツ姿の人物がいた。
いつも通り敬礼すると、基地司令に椅子を勧められる。
「君はまだ次の任地については希望は出してはいなかったね」
「はい」
基地司令の表情は穏やかだが、飛行隊長はかなり緊張した面持ちだ。
場の空気はピンと緊張して張り詰めている。
「先年、アメリカ、EU、中国そして日本で有人タイプの新型戦闘機の
開発がスタートしたのは知っているかね」
「はい。ニュースで見ている程度には存じております。
確かアメリカと中国で飛行実験の場所で揉めて、
アメリカはこのプロジェクトから外れたと聞いていますが」
基地司令室に呼び出されると言う、滅多にないシチュエーションに
流石に、返事をする声も固くなる。
隣に座る三浦飛行隊長もかなり緊張した面持ちだ。
「まだこれは内密の話になるのだが……日本もこのミッションから外れ、
近くアメリカと組んで中国とEUに対抗して行く事になる。
此処までは政治的な事情であって、我々が出る幕もない話だが、
既に水面下で機体の日米協同開発は始まっており、
再来年には人を乗せての飛行実験が行われる予定だ」
基地司令は小さく咳払いをして、話を続けた。
「そのテストパイロットに、日本の自衛官を、と言うのが
アメリカからの要求だ。当初日本は技術での協力を申し出ていたのだが、
実用レベルになった時の航空機の生産ラインに
日本が占める割合が高くなることを懸念したアメリカが
エンジニアの割合を減らし、パイロットに日本人を、
と要求して来た。
アメリカは昨年NASAでの有人惑星探査機の実験の失敗が相次ぎ、
テストパイロットを国内から出す事に、様々な人権擁護団体から批判の声が高い。
そこで海自の航空隊から一人、空自から一人と言う形でパイロットを選出することになり、
防衛省の幹部と此方で話し合った結果、空自からは空井二尉を、
と言う話になった。飛行実験は三年続く為、なるべく経験が高くて、
順応性のある若いパイロットを、とのことだ。
上層部では君が一番適任だと判断した。
但しこれは任意なので君が断れば、今三沢にいる平田一尉に話が行く事になる」
「平田先輩に……」
昨年青森の三沢基地に異動した平田一尉は、半年前に結婚したばかりで、
つい先日メールで来年に父親になるらしいことを知らせて来た。
メールの文面には彼らしい熱があり、現在の生活を楽しんでいる様子が伺えた。
「私もこの件に関しては上からの通達を、ただ伝えるだけの役目だ。
解答は来週まで待つそうだ」
基地司令の目配せに、ずっと黙したまま此方の表情を伺っていた
スーツ姿の男が口を開いた。
「防衛省国家安全保障対策委員会、特別対策室の谷分と申します。
これからこの案件での連絡係として勤めさせて頂きます。
よろしくお願いします」
隊内の人間ではないが、お辞儀が背筋が伸びて綺麗な人物だ。
まだ40代前だろうか。
「了承を頂かない内は詳しくは話せませんが、もしお引き受け頂いた場合、
松島基地での任期を終え次第、空井二尉には那覇基地にて
米軍との合同訓練に入って貰い、その後アメリカのNASAに異動して、
幾つかの訓練を得た後に実験に参加して頂きます」
「NASA……」
「今回の戦闘機の開発にはNASAに所属しているエンジニアが
多くいることもありますが、設備が整っているので。
エンジニアには日本企業からも多くの者が既に参加しています」
谷分と名乗る男は黒の革の鞄からクリアファイルに挟まれた書類を取り出し、
差し出した。
「こちら、任務の概要になります。良くお考えになってご回答願います。
一度引き受けたら、余程の場合でない限り、離脱は出来ないものと思って下さい。
ご家族には那覇に異動することまではお話なさっても大丈夫です。
それでは……良いお返事をお待ちしています」
立ち上がると男はまずは此方に、そして基地司令と三浦隊長に一礼して
部屋を出て行った。
扉が閉まる音がしても、基地司令も隊長も何のアクションも起こさなかったが、
しばらくして基地司令が大きく溜息をついた。
「やれやれ、相変わらず説明不足のまま現場に投げる所は変わらないな。
三浦一佐、今月は後何回展示飛行があるんだったかね?」
「6月は防府と小松の二回です」
「空井二尉のフライトの予定は」
「その二回とも。空井二尉がアテンドしているTRの花咲二尉は、
まだ本番での飛行を実施しておりませんので」
「少し早めることは可能かね」
「はっ……。花咲二尉はパイロットとしての経験は高いので、
問題はないかと」
「では、そのように。状況によっては空井二尉が防衛省に呼び出されて、
此方にいないことも増えるだろう。もしくは今の任務を早く切り上げることも。
あらゆる事態を想定しておいた方が良い。そして、空井二尉」
「はい」
「君は今週は自宅に帰りたまえ。その資料を見て一度
じっくり考えて来た方が良いだろう。
当然承諾することも拒否することも出来る権利が、
君にはまだ残されているが、気持ちの整理は必要だ」
「……」
基地司令の申し出は、今までならば有り得ない話だった。
百里基地で最年少でブルーチームに抜擢された時も
自宅に帰されたことなどなかった。
表情は極力抑えたものの、やはり驚きは隠せなかったのだろう。
隣に立っていた三浦飛行隊長が、肩にポンと手を置いた。
「司令、今日はこれで宜しいでしょうか?」
「ああ、空井二尉、また休暇に入る前に一度此方に来てくれ」
三浦隊長の敬礼に合わせて自分も敬礼し、続いて部屋を出た。



しばらく隊長の背中を見ながら後に続いた。
司令部の棟を出た所で三浦隊長が立ち止まって言った。
「無理しなくて良いぞ、sky」
「はっ……」
「三沢の平田一尉と、自分はすれ違いでどんな人物か知らないのだが、
記録を見ても飛行班長の佐藤二佐の話からも、
君と同じくらい優秀なパイロットだと判る。
恐らく君と全く遜色ないだろう。だから──」
「いえ……自分の気持ちはお話を聞いた時点で決まりました」
「早計過ぎる。確かに判断の速さ、的確さは君の長所ではあるが。
この件に関して知っているのは、基地司令と自分、そして君だ。
誰かに相談して決めることは出来ない。
だが、せっかく司令が休暇を取ってまで、考えて来いと言うのだ。それに──」
三浦隊長は普段の彼らしくなく、言い淀んだ。
「──これは、我々の任務、専守防衛、国を守る任務とは無関係な話だ。
君にはこの任務を受ける義務はない。それをよく考えて欲しい」
「ありがとうございます。司令からの命令ではありますので、
今週東京に帰還します。二、三確認はしておきたいので。それに……」
ふと歩みを止めた。
松島にも東京からは少し遅れるものの、もうすぐ梅雨が来る。
だが、今日の空は蒼く高く、雨の匂いなど欠片も感じさせなかった。
この空の向こうに、今すぐにでも問えるならば問いかけていただろう。
「第11飛行隊での任務は完了してからの話です。
自分もラストフライトはきちんとこなして終えたいと思います。
先程の話では、此方の任期を終えて、とのことでしたね」
此方の表情を見て、三浦隊長はようやく彼らしい笑顔になった。
昨年松島に来たばかりの彼は、歴代飛行隊長の中でも笑顔は
トップクラスとの噂があった。
基地司令の前では仕方がないが、今まで全く彼らしくなく、
それが今回の話──まだ任務ではない、
その話が如何に難しい物なのかが良く理解できた。
「うん、君の期待に添えるような準備を今から進めておこうか」
隊長はニッコリと微笑んだ。



スマホの着信履歴を見ながら、何度目かの溜息が出た。
一人、隊舎の談話室でパイプ椅子に寄りかかりながら、
時間をもう一度確かめる。
今は午後10時過ぎ。
彼女が居るボストンは午前9時。
電話をかけるには絶好のタイミングだった。
もっとも夜遅くまでクラブハウスで演奏した翌日だと、
彼女もまだ寝ていたりする時もあった。
予告なしに寝込みを襲うのも、彼女相手ならば面白くもあるのだが。
思い切って通話のアイコンを押す。
しばらくコールサインが鳴るものの、
プチッと言う音と共に英語での留守番電話の案内が流れた。
「ああ、そう言えば今日は」
現在入院療養中の兄貴の元に、仕事で行ってるって、
メール来てたっけ。
自分の勉強や仕事以外にも義兄の仕事のアシストをこなしている彼女は、
いつも多忙だった。
それでも今年は既に千歳の航空祭の為に、無理な日程で帰国している。
「航空祭来ると、二人きりでは会えねぇって言ってんのにな」
ふと彼女の柔らかな瞳が、キラリと輝く様子を思い出し、窓の外を見た。
東京よりは遥かに星が見える。
会いたい、とは常に思う。
でもこれ程恋しさを感じたのは、初めてかもしれない。
今すぐ告げたい言葉がある。
自分の想いを伝えきれない今に、初めて飢えた己れを自覚することになった。




※初めてスマホで書いたので……変な所あったらすみません~(^_^;)
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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一切関係がありません。
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著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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