タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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お正月のかるた取りに合わせて…。
この句を最初に選んだのは、私が最初に覚えたのがこの句だからです。
小学校三年生の時、父が誕生日に『紫式部』の伝記をくれて(このへんでその後の好みが
決まったつーか(^_^;))、そこに書かれていたのが、先輩女房だった紫式部が
後輩の伊勢大輔に、セレモニーで桜の花を受け取る役を譲ったと言うエピソードと
この句でした。
華やかで明快な句は子供にも覚えやすかったようで、
今でも百人一首というと私はこの句が一番に来ます。
以下続き記事はイラストのイメージからSSを書いてみました。
とんでもない蛇足ですけど、よろしければど~ぞ。
今後、この形式で続けていけたらなーと思っています。
◆◆◆
大和の国から早馬が来たのは、今日の昼のこと。
早馬…なんて。
父は典薬寮に勤めるしがない薬師に過ぎないから、
大納言様や中将様のお屋敷に比べたら、
小さな我が家に早馬が来ることなんて滅多になかった。
しかも早馬で来た御使いは『お屋敷の三の姫君にお文があります』なんて言う。
乳母に受け取って貰った所、見事に咲き誇った薄紅色の八重桜の一枝だった。
送り主は、昨年まで隣の家に住んでいた幼馴染みの隆朗(たかお)だった。
昨年の秋の除目で隆朗のお父さんが大和守になって、
隆朗もお父さんに付いて大和の国に行ってしまった。
それまで毎日朝な夕なと、破れた築地の隙間から、
『よう』なんて顔を出していた彼だから、
隆朗が大和の国に行ってしまってから、何だか何か抜け落ちてしまったように、
わたしは淋しくて仕方なかった。
…でもなかなか淋しい、なんて文も書けずにいて。
(大体隆朗は本が大嫌いだったから、文もろくに読まないだろうし)
ふと見たら八重桜の枝の先に、小さく結んだ文があった。
わたしは突然どきどきして、思わず周りを見回してしまったけど、
誰もいなかったので、そおっと文を開いてみた。
わたしの知ってる隆朗とは違って、思いの外繊細な字で書かれた文。
『大和と言えば在五中将の若草の歌が有名だけど
…ふと毎日通りかかる寺の門前にある八重桜を見ていたら
、お前のことを思い出した。
確か内裏に女童に行く話が出てただろう。
あれ、どうなったんだ?内裏は親切なふりして変な奴もいるから、
気を付けろよ。出来れば俺が戻るまでは、家にいて欲しいけど
また文を出してもいいか
隆朗』
急いで読み下してしまったけれど、わたしは心の中が痒くなったみたいに
…何だかくすぐったいような気持ちになった。
そう言えば、昨年お姉様に付いて内裏にお仕えするかもって話した時、
隆朗はやけに反対していたっけ。
わたしは馬鹿にされたような気がしたんだけど、
隆朗はあのあと一週間も顔を見せなかった。
お姉様は『殿方から文を頂いたら、すぐに返事を出したらいけない』って
言ってたけど……でも隆朗ならいいよね。
すぐに八重桜の葩のような、薄紅色の紙をわたしは手に取った。
大和の国から早馬が来たのは、今日の昼のこと。
早馬…なんて。
父は典薬寮に勤めるしがない薬師に過ぎないから、
大納言様や中将様のお屋敷に比べたら、
小さな我が家に早馬が来ることなんて滅多になかった。
しかも早馬で来た御使いは『お屋敷の三の姫君にお文があります』なんて言う。
乳母に受け取って貰った所、見事に咲き誇った薄紅色の八重桜の一枝だった。
送り主は、昨年まで隣の家に住んでいた幼馴染みの隆朗(たかお)だった。
昨年の秋の除目で隆朗のお父さんが大和守になって、
隆朗もお父さんに付いて大和の国に行ってしまった。
それまで毎日朝な夕なと、破れた築地の隙間から、
『よう』なんて顔を出していた彼だから、
隆朗が大和の国に行ってしまってから、何だか何か抜け落ちてしまったように、
わたしは淋しくて仕方なかった。
…でもなかなか淋しい、なんて文も書けずにいて。
(大体隆朗は本が大嫌いだったから、文もろくに読まないだろうし)
ふと見たら八重桜の枝の先に、小さく結んだ文があった。
わたしは突然どきどきして、思わず周りを見回してしまったけど、
誰もいなかったので、そおっと文を開いてみた。
わたしの知ってる隆朗とは違って、思いの外繊細な字で書かれた文。
『大和と言えば在五中将の若草の歌が有名だけど
…ふと毎日通りかかる寺の門前にある八重桜を見ていたら
、お前のことを思い出した。
確か内裏に女童に行く話が出てただろう。
あれ、どうなったんだ?内裏は親切なふりして変な奴もいるから、
気を付けろよ。出来れば俺が戻るまでは、家にいて欲しいけど
また文を出してもいいか
隆朗』
急いで読み下してしまったけれど、わたしは心の中が痒くなったみたいに
…何だかくすぐったいような気持ちになった。
そう言えば、昨年お姉様に付いて内裏にお仕えするかもって話した時、
隆朗はやけに反対していたっけ。
わたしは馬鹿にされたような気がしたんだけど、
隆朗はあのあと一週間も顔を見せなかった。
お姉様は『殿方から文を頂いたら、すぐに返事を出したらいけない』って
言ってたけど……でも隆朗ならいいよね。
すぐに八重桜の葩のような、薄紅色の紙をわたしは手に取った。
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森伊蔵
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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