タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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すみません、見る媒体によって大変文章が読みづらいと思います。
どうも実家PCからだとうまく編集作業ができないようなので、
自宅PCが直り次第、編集しなおそうと思います。
というわけで一日二更新^^;
コメント早速ありがとうございます。
自宅PCが動き次第お返事させていただきます。
どうも実家PCからだとうまく編集作業ができないようなので、
自宅PCが直り次第、編集しなおそうと思います。
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コメント早速ありがとうございます。
自宅PCが動き次第お返事させていただきます。
◆◆◆
「海自に帝都テレビの取材が入るらしいぞー」
昼食を食べ終えて、休憩室でコーヒーを啜りながら一息ついていたら、
久しぶりに片山さんからの電話がかかってきた。
片山さんからの電話のコール音は『mission in possibleのテーマ』だ。
稀に仕事中に勤務時にはどうかと思うような内容で電話が来る為、
敢えて他からの電話とはコール音を変えてある。
「先月は陸自の特集があったじゃないですか。
漫画のイベント絡みで。アレ他局でしたっけ?」
「……ふーん、いいのかな、空井くん。そんなにのんびりしていて」
「は?だって、陸にしろ海にしろ、自衛隊が良い形で報道されているなら、
喜ぶべきことでしょ。ウチにも仕事来るかもしれませんし」
「海自の広報は今イケメン揃いらしいぞ。」
「…それで?」
相変わらず片山さんの話は、論旨が見えない。本人は解っているのか、
いないのか。
「帝都テレビから来るのは『美人ディレクター』らしい」
「……彼女は今月から料理番組の担当になった筈です。
だからまさか海自は関係ないでしょう」
思わず声を潜める。
休憩室から廊下に出た。
「おいおい、空井くん。帝都の美人は何も稲ぴょんだけじゃあるまい」
鼻で笑うような片山さんの声にはカチンと来たが、
うっすらと感じた嫌な予感を振り払う為にも平静を装って答える。
「そうですよ。だから、彼女ではないと思いますけど。
それに取材先にイケメンが揃ってることなんて、
テレビ局じゃ良くありますよ。いちいち気にしてたら、この先――」
「解った、解った」
片山さんは今度は心から笑っているようだった。
「空井くんと稲ぴょんの『純愛』には全く野暮だったな。
ただちょっと耳に挟んだ話で、思い当たることがあったもんだから」
「何がですか?」
「確か今海自の広報にいるヤツが、防大の時に有名な男だったように記憶してたから」
「……有名?」
「剣道部で何度か大会にも出てるヤツだからな、
槙に聞いたらもっと詳しいかも解らないが」
昼休みがそろそろ終わる。
「片山さん、そろそろ」
「まあ、いいや。海野如(ゆき)って言やあ、知ってるよ。じゃあな」
いつものように片山さんの電話は言いたいだけ言って、さっさと切れた。
何なんだか。
後味の悪さは残ったが、四月はとにかく忙しい。
書類だけでも片付けて置こうと思い、デスクに戻った。
「近頃、政治との絡みかテレビの取材増えましたよね」
自分よりは年齢は一年下になるようだが、防大出身だからか
、階級は同じになる薄井一尉がやはり積まれた書類をバインダーに片付けつつ、
ため息をついた。
「仕方ないかな。今月も入間と那覇とニュース番組の取材が、何件か入ってるしね」
「海自に行った同期もぼやいてました。広報でも報道だと色々厳しいみたいで」
頷きつつ、ふと那覇基地の渉外室で報道を担当している槙さんのことを思い出して
――更に昼間の片山さんとの会話が引っ掛かった。
「薄井一尉」
「はい?」
「海野如って知ってる?今、海自の広報室にいるみたいだけど」
「海野……あっ!」
何か思いあたったようだったが、彼はそっと此方を伺うような表情で見た。
「空井一尉は航空学校ですよね……彼は年齢は空井一尉と同期だと思いますよ。
急に何故?」
「え……い、いや、なかなか優秀な広報官だって噂聞いたもんだから」
「……あ~確かに成績は優秀でした。だからって言うか、なんて言うか」
薄井一尉は何故か言葉を濁す。
そして何故か自分も奇妙に不安な気分になっていく。
後で槙さんにでも聞いてみようか…。
片山さんの話からもそれが一番早そうだ。
それにしても何故自分は、先程から市ヶ谷の防衛省の門を潜る彼女ばかりを思い浮かべてしまうのだろう。
初めて出会った頃、何度かあの門を後にする彼女を見送っていたけれども。
そう。
あの頃は。
彼女とこんなに親しい間柄になるとは、少しも考えていなかった。
そして市ヶ谷から異動になった時には、ある種の絆は感じながらも、
またこうして、そしてこんな風に向かい合う日が来るとは思いもしなかったのだ。
「海自の広報室……」
「大祐さん、どなたかご存じの方、います?」
高笑いする片山さんの声が聞こえるような気がしたのは、被害妄想とでも言うべきか。
確率としてはそうある筈はないと、理性では感じていたものの、
どうもこの場合は虫の知らせ的な、直感の方が当たったものらしい。
何故かこんな直感ばかり当たる……。
「……僕は航空学校だったからね。槙さんや片山さんなら知ってるかもしれないけど。
リカ、海自の広報室と仕事なの?四月から料理番組の担当になったって
]言ってなかった?」
「……それが」
彼女は今回の仕事に至った経緯を話した。
流石に元報道に勤めていただけあって、彼女の説明はいつも手際よく理知的だ。
そこには彼女の感情の入る余地はない。
……いや全くない訳でもないか。彼女が重度のワーカーホリックだと言うことを、
考慮に含めれば。
話しながらも、丁度空幕広報室に来たばかりの頃の彼女の姿が思い浮かぶ。
後から聞いた話では、初めかなり渋々彼女は防衛省の門を潜ったらしかった。
それでも自分が初めて触れる世界に、彼女の好奇心はひた向きだった。
その熱意があればこそ、自分はまずは『彼女の為の広報官』になろうと思い付いたのだ。
――しかし。
あの真っ直ぐな眼差しを、今度は海自の広報官に向けるのか……。
昨年入間に来た時だって、彼女はとても評判が良かった。
入間の渉外室長が冗談めかして「惜しいなあ、女房がいなければ、プロポーズしたのに」
と当時プロポーズし損ねた自分としては、大層耳痛いようなことを、言ったとか言わないとか。
「海自に来た帝都の美人ディレクターって、リカだったのか……嫌な予感はしてたんだけど」
夕飯も終わり、彼女が出してきたサッポロの黒ラベルの缶をグラスに注ぎ、今日二度目の乾杯をした。
「え?」
「いや、何でもない。リカ、一つ提案があるんだけど」
決死の覚悟、だった。
断られてもいい。
確かこの間二人で話した時は、結婚式場をどうするかとかそんな内容だったのだから。
でもこれから予想できる危険はなるべく防いでおきたい。
「はい?」
キョトンとした瞳で彼女は答えた。
「結婚式も大事なんだけどね、先に住む場所を決めとかないかなあって、思ってね」
「い、家ですか?」
「僕ももしかしたら、平日は官舎で週末戻る為だけの場所になっちゃうかもしれないけどっ」
「……今と変わらないですよね」
「それでも」
少しでも傍に。
そうでなければ、日々細かなことが心配で、とてもではないが仕事が手につかない。
だからと言って、まるでストーカーのように彼女にメールをしたり
電話をしたりするような状態にはなりたくない。
「籍入れる前に一緒に暮らすのも」
やっぱりそうだろう。
そう来るだろうと思ってた。
「籍も先に入れていい。ウチの親は賛成してた」
「……何故急に」
彼女も流石に訝しいと感じたようだ。
あまりに本当のことは話せない。
だからこそ、気持ちだけでも本当のことを話さなければ。
「少しでも一緒にいたいから……じゃ、ダメ?」
大きく深呼吸してから、やっと今告げるべき言葉を吐き出した。
「……そ、それは」
彼女の頬が染まる。
自分もきっと似たような表情をしているかもしれない。
そう思った。
「略奪愛の海野?あー、有名みたいだよね。わたしが卒業した後から入学なんで、
後輩から聞いただけだけど」
「りゃ、略奪愛?」
自分も慌てていたのだろう。
槙さんの携帯に電話をしたつもりが、槙さんの自宅に電話をかけてしまった。
そして槙夫人――旧姓、柚木さんが妊娠六ヶ月で産休を取得中で、電話を取ることになったようだ。
「帰って来たら電話させようか?」
「え?いや、いいですよ。すみません、またこちらから…」
「空井、無理しなくていいってば。実はもう稲葉から聞いてるんだよね。
海自の広報に取材行ってるって話。『担当は海野って人なんですけど、ご存じですか?』
ってメール来たからさあ
…その時はすぐに思い出せなくて、適当に返事しちゃったんだけど」
「……」
絶句する、と言うのは正に今の心境を言うのだろう。
「空幕に来てた時も思ったけどさあ……稲葉ってそっち方面のガード何気に甘いよね?」
『元残念な美人』棚上げの槙夫人は言葉を続けた。
「今はあのガチガチにガッツガツが取れて丸くなってるし、男どもから見たら丁度よく――」
「柚木さん」
「はい」
思わず本気で感情を込めたせいか、柚木さんも真面目な声音で返事が返った。
「先守防衛です」
「あのね」
「彼女にはあまり余分な話はしないで下さい。仕事の邪魔はしたくない」
それに余計におかしなことにもなりそうで――
「ククッ。空井も言うようになったね。解った。まあ、何か解ったらメールするよ。
頑張りな、今が勝負時だから」
柚木さん(今は槙さんではあるのだが)の経験から語られる言葉なのだろうか。
何やら重みを感じる励ましの言葉に思わず背筋が伸びた。
そして早速今週末の約束のメールを、彼女に入れたのだった。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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