タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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久しぶりのSSの投稿です。
すみません、ご無沙汰してご心配をおかけしました。
空~関連の方々ともネットを通してのお付き合いが
ボチボチ1年になります。
皆様本当に良くしてくださって、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。
先月末から今月は苦しくて、QEDにしろ空~にしろもうこれで
書けなくなっちゃうのかなあと思ったことが何度かありました。
現実には向き合わなければなりませんが、せめて趣味は楽しもうと思い
復活がてら書き進めていこうかなと思います。
もちろんお絵かきも、Jrくん本も作業は少しずつですが、継続中です。
途中亀の歩みになるかもしれませんが、よろしくお願いします。
すみません、ご無沙汰してご心配をおかけしました。
空~関連の方々ともネットを通してのお付き合いが
ボチボチ1年になります。
皆様本当に良くしてくださって、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。
先月末から今月は苦しくて、QEDにしろ空~にしろもうこれで
書けなくなっちゃうのかなあと思ったことが何度かありました。
現実には向き合わなければなりませんが、せめて趣味は楽しもうと思い
復活がてら書き進めていこうかなと思います。
もちろんお絵かきも、Jrくん本も作業は少しずつですが、継続中です。
途中亀の歩みになるかもしれませんが、よろしくお願いします。
◆◆◆
「善は急げだよ、リカ」
「…『善』って言い切っちゃっていいんですかね?」
「『善』に決まってるでしょ!」
我が家のダイニングテーブルに置かれたノートパソコンを覗きながら、彼はかなり真剣な顔で振り向いた。
話は先週に遡る。
三月に特番の日本の航空の歴史を扱った番組が無事放送され、視聴率もそれなりの数字を残し、反響もあったのを見届け、わたしは帝都イブニングの担当から、昼のワイドショーの一枠になる、長寿の料理番組の担当に異動することになった。
全く内輪の話ではあったが、これは年内に結婚を決めたわたしに対する上司の阿久津さんからの最大級のご祝儀のようなもので、少しでもローテーションの決まった仕事に回して、スケジュールを立てやすくしてくれたのだと思う。
だと言うのに。
「稲葉、一生売れ残る気か」
「阿久津さん、売れ残るって言うのは女性に対する差別発言かと…」
「バカか、お前は」
「……はい、すみません」
異動したての部署から、初の取材で出掛けようとした所で、阿久津さんから呼び止められた。
何処へ取材に行くか聞かれ、『海上自衛隊』と答えた返事がこれだったのだ。
担当以外の仕事をわたしが『つい、うっかり』引き受けたことを、阿久津さんはすぐに察してしまったらしい。
「お前、未来の旦那と仕事、一体どっちが大事なんだ?」
「あ、阿久津さんに言われたくないですっ。それにこの仕事もわたしが以前空自を取材してたことを、今のチーフが知ってたので…」
「全くな。お前をそっちに売り込む時にもっと考えて話すべきだった。まあ、いい。行って来い」
ひらひらと手を振られて、わたしもため息をついて局を後にした。
取材先は海上自衛隊の広報室。
元々は海軍カレーの発祥の話題から始まった取材のはず……だった。
「海自の広報室……」
「大祐さん、どなたかご存じの方、います?」
取材に行ったその日は金曜だったから、その夜は彼がわたしの部屋に来ていた。
「……僕は航空学校だったからね。槙さんや片山さんなら知ってるかもしれないけど。リカ、海自の広報室と仕事なの?四月から料理番組の担当になったって言ってなかった?」
「……それが」
昼間阿久津さんに話した内容を、再び彼に話すことになった。
今思えば、阿久津さんに一度話しておいて良かったかもしれない。
一月に鷺坂さんに仲人をお願いしに行ってから、話はわたしが考えていたより素早く進み、彼の両親と家族、わたしの両親にと挨拶も終わり、どうせならば彼の異動の話が出る来年よりは、年内に式をしてしまってはどうかと勧められ、思ったよりもプライベートが忙しくなってきた。
色々と決めなければならないことも多くて、彼とも出来るだけ毎週顔を合わせようと言うことになったのである。
今から式場を予約出来る所なんてあるんだろうか?
内心疑問に思いつつも、彼や彼の家族、わたしの両親、そして仕事仲間から、メル友の柚木さん(現槙夫人)までが、早いうちにしてしまった方がいいと電話やメールで説得してくる始末。
わたしって、そんなに結婚出来ないように見えるのか……と内心ショックも覚えつつ、柚木さんの経験者からの一言が最後にはわたしの背中を押した。
『逃したらチャンスは二度と来ないと思いな』
何だか鬼気迫る一言だった。
「海自に来た帝都の美人ディレクターって、リカだったのか……嫌な予感はしてたんだけど」
夕飯も終わり、二人でグラスに注いだビールで二度目の乾杯をした後に、彼が呟いた。
「え?」
「いや、何でもない。リカ、一つ提案があるんだけど」
「はい?」
「結婚式も大事なんだけどね、先に住む場所を決めとかないかなあって、思ってね」
「い、家ですか?」
「僕ももしかしたら、平日は官舎で週末戻る為だけの場所になっちゃうかもしれないけどっ」
「……今と変わらないですよね」
「それでも」
向かいの席に座る彼の目は真剣そのもので、頷くしかないような気もした。
した……けれども。
「籍入れる前に一緒に暮らすのも」
「籍も先に入れていい。ウチの親は賛成してた」
「……何故急に」
彼はそこで急に何かに気が付いたような表情になり、はたと話すのを止めたが、一度『はーっ』と大仰に息を吐き出すと、微かに頬を染めてわたしに向き直った。
「少しでも一緒にいたいから……じゃ、ダメ?」
「……そ、それは」
わたしだって、そう思う。
でも何も慌てて引っ越さなければいけない理由に、それはなるのだろうか?
互いの仕事の利便を考えたら、今のままの方が効率が良いようにも思えるし、互いの新生活の始めからそう言ったことで無理をして躓く方が、わたしには怖かった。
するとそっと彼の指が、わたしの婚約指輪を嵌めた指に触れた。
「欲張りだな……とは我ながら思うんだけどね」
彼の伏せた睫毛を見てたら、何故だかどきりと胸が鳴った。
やはりわたしが小さなことに拘りすぎるのかしら?
本当に好きなら、確かにもっともっと寸暇を惜しんで傍にいたいと思って当然なのに、わたしと来たら。
彼との結婚を決めてから、何か一つ越えて安心してしまったのか、もう後は水が落ちて流れていくに任せればいい、なんて気分になっていたのかもしれない。
だから、ただでさえ忙しい仕事に配慮してくれた上司の気持ちも無駄にして、昼の番組で決まった一コマの仕事にうっかり口を出してしまったのだ。
彼はがっかりしてるのだろうか。
それならば……。
「大祐さんは、どの辺りに住みたいんですか?」
「……いいの?リカ」
「家が少し遠ければ、それを言い訳に帰ることも出来るかもしれないし…。普段の生活のスケジュールの酷さに大祐さんが呆れなければ、良いんですが」
わたしは出来る限りにこやかな表情で答えた。
すると彼はびっくりするくらいの、嬉しそうな表情で頷く。
「早速探そう!どうせ僕が異動になれば、今はともかく、週末帰るだけになってしまうから……場所はリカの都合最優先にしよう」
……結局、わたしはこの笑顔に弱いんだなあ、なんて胸をときめかせつつ、早速パソコンの電源を立ち上げながら、彼はこれ以上にない笑顔になった。
「中央線沿線は?」
「わたしは構いませんけど…」
「やっぱり流石に23区内でマンション買うのは無茶だったね」
「2LDKはいらなくないですか?当分二人ならば1LDKでも」
「……家族、増えるかもしれないでしょう」
「…………!」
真顔で此方を見た彼と、ばっちり目が合ってしまい、思わず自分が真っ赤になってしまったのが解った。
「あ、えーと、今すぐって話じゃなくてね……」
俯いた彼も真っ赤になっている。
「じゃあ、明日は吉祥寺とかその辺りの不動産屋さんを見てみますか?」
先週から突如始まった新居探しは、今まで一人暮しの部屋を探した時にはないときめきがあった。
「キッチンはガスがいいなあ…」
「IHも最近は便利みたいですよ?片付けやすいし」
「炒飯やチキンライス作るときにどうもねえ…」
「フフ…、大祐さん、この家のIHのコンロでもオムライス綺麗に作ってましたね」
彼の作った綺麗な黄色いオムライスを思い出して、嬉しくなってしまう。
パソコンの画面を二人で覗きこんだものの、思わず彼の肩にもたれる。
こう言うのがよく言う、密月ってヤツなのかしら?
職場の同僚に聞かれた時に話したら、大層羨ましがられてしまった。
「あのね、リカ。普通そう言う話って、女の方が進めないと遅々として進まないものなのよ。彼氏の方が積極的なんて、アンタって本当に幸せね」
と小突かれてしまう。
あまりにもこう言う事情に、わたしは疎過ぎたかもしれない。
彼とわたしの互いの立場のあまりの難しさばかりが先に立ち、つい――誰でもが経験する難題には今まで目が届かなかった。
「リカ……もう、寝る?」
「もう少しだけ」
何だかこのウキウキした気持ちを、少しでも長く味わっていたかったのは、何となく行く先に待つものに不安があったからなのか。
彼の膝に置いた手の甲に触れて、その優しい温もりを感じていた。
※次回は当然大祐くんサイドからw
※次回は当然大祐くんサイドからw
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HN:
森伊蔵
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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