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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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ただいま信州から戻りました。
旅行先は割合良い天気だったのですが、
首都圏は結構荒れてたのですね。
ここ最近のゲリラ豪雨や猛暑は千年周期のお天気だと
昼間のワイドショーで言っていました。
千年前と言えば平安時代で、
そう言えば内裏に雷が落ちて、菅原道真を左遷した
祟りなんて事件がありました。
やっぱり1000年前の京都でもゲリラ豪雨があったんでしょうか?

コメント、拍手ありがとうございます。
色々ご心配かけてます。
そもそも今までが小さなお子さんのいる主婦の仕事の
容量越えて趣味につぎ込んじゃってたので
ちょっと反省した次第。
でも主人にも『本くらい出せば?』と引き留めてもらったり
して(笑)空稲くらいは何とかしようかと
考えてます。
まあ様子見て、やっていこうと思います。
コメントの返信は次回更新でいたします(*^_^*)

信州行ってる間ネットどころか電話も繋がらない場所だったので
時間を見て、なんと槙柚を書いてみました。
すこーし空稲も続いてます。


お話は続き記事からです。

拍手[13回]



◆◆◆


「柚木さんは、休んでていいですよ。家事は俺がやります」
ある筋になんとか掛け合った結果、北海道の千歳と沖縄の那覇をまたにかけ、
日本列島を縦に貫いたわたしたちの関係は先週終わりを告げた。
槙がわたしのいた那覇基地に配属され、
二人で暮らし始めた最初の夜に槙がこう言ったのだ。
 
『料理は俺がやります』と。
 
 
 
わたしとしては、料理くらいは全面的にわたしがやっても良かった。
気分転換にもなるし、一緒に食べる人間がいるなら尚更だ。
だがアイツが必死になって言う表情を見てたら、それならじゃあ、
とわたしは洗濯を全面的に受け持つことにした。
学生の頃からではあったけど、案の定と言うか槙は
意外と細かい所にこだわる奴で、家事も二人して働いているのだからと、
半分ずつ分担すると言って聞かない。
「別に家事くらいは女の仕事だから、構わないけどね」
と答えたら、そんな時代遅れな考えはいけないと、
なんと一時間も説教されてしまったのだ。
その話を昼休み、結婚式の招待状の件で電話してから、
週一で連絡を取り合うようになった稲葉に話した所、
彼女も納得したように頷いた。
「なんででしょうか?空井さんも自分が夕飯作るって言うんです。
 先日もオムライスを作ってくれて――でも、
 女子としては彼に手料理を食べて貰って、
 喜ぶ表情見たいって部分もありますよね?」
「そうね~」
あの思い切りの悪そうだった空井が、引き離された二年間で
彼は彼なりに考えたのだろう。
稲葉とどうにか付き合い始めた。
何せ稲葉の仕事も、尋常な人間がする仕事の範囲を越えた職業なだけに、
デートもままならないようではあるが、それなりに楽しんでいるらしい。
彼女が空幕広報室に通い始めた頃、陰で比嘉や片山が付けたアダ名は
『ドライアイス』だったが、
最近こちらが槙と自分との間のそう言った――なんと言うか
女子同士でしか出来ない話題を振ると、
口ごもったり、照れ隠しにすましたりして、
『なんだ、稲葉もすっかりカワイイ女になっちゃって』
な状態なのが解る。
「自衛官の男性って料理好きな人が多いんでしょうか?」
「ええ?どうかな。槙や空井が特別かも」
「…そう、なんですか?」
「なんとなくね~、台所をわたしに触らせたくナイ感が強くある気が
 するんだよね」
「…………触らせたく、ない?」
「ホラ、子供とか危ないから『入って来たらダメよ』とか言うじゃん。
 そんな感じ」
「………………」
「本当は憧れもあったんだけどね。エプロンして夕飯、
 おかず色々作ってさ、ダンナの帰り待つってヤツ。
 ……古いかな?」
「……………いっ、いえ!いいと思います。きっと槙さん、喜びます!
 どうでしょうか?いっそ槙さんにナイショで、
 早く帰宅出来た日に作って待ってる…とか」
「ああ!成程。そうしようかな。アイツハンバーグ好きだって言ってたし、
 材料こっそり買っておけば…いけるかも」
わたしは早くも作戦を練り始めた。
もしかしたら彼は怒るかもしれないが
……美味しく食べられれば文句はないだろう。
「え?ハンバーグってそんなに早く簡単に出来る料理なんですかっ?!」
妙な所で稲葉が食いついた。
「え…だってたまねぎと挽き肉、捏ねて纏めて焼くだけじゃん」
「そ、そうでしたっけ?」
「あ、わたしは繋ぎにパン粉と卵入れるけど
 ――ああ、勿論牛乳に浸すのね」
「牛乳…」
「何?稲葉もやるの?」
「え?え、ええ。その、たまには早く帰れそうな時に、
 や、や、や、やってあげたいなって。
 ハンバーグって一人じゃあまり食べないから」
「確かにねー」
そんな話をしてたら、時間目一杯になってしまい、
また来週を約束して、電話を切った。
 
 
 
それから一ヶ月後珍しく昼間に槙が、今夜は遅くなるとメールを寄越した。
わたしは早速作戦を実行に移すことにした。
何せ二人で暮らし始めて、三ヶ月ぶりの台所だ。
槙仕様にカスタマイズされていて、
何処に何が仕舞われているのかも解らなかったが、
何とか調理器具を探しあて、わたしは彼の帰宅時間より前に、
夕飯を作り終えた。
彼の作るものから、彼の好みはそれなりに知っているつもりだった。
作っている間中、なんだか普段の槙の様子が思い浮かんだりして
――とても幸せな気分になる。
槙は何て言うだろう?
あれだけ炊事を自分がやることに拘ってたから、やはり怒るだろうか?
よく男性の料理人は自分の職場を荒らされることを、嫌うと言うし…。
サラダを並べた所で、玄関の開く音がした。
「ただいま………!?」
槙があわただしく、ダイニングに駆け込んで来る。
「まさか柚木さん、料理………あ!」
「や、やっぱりまずかった?」
珍しく縦に見開かれた彼の目を見て、わたしは若干焦ってしまう。
ここまで来たら、成るようになれ、だ。
「これ…柚木さんが?」
「照り焼きハンバーグだけは好きなのに、
 ソースがうまく作れないって言ってたじゃん。
 だから、わたしがって思って」
「……………」
「やっぱ勝手に台所入って、まずかった?」
「いや…思ってたよりずっとまとも…」
「え?」
「す、すみませんでしたっ」
いきなり彼が目の前で土下座した。
「俺、鷺坂室長から『柚木は台所に立たせたら、
 びっくりなことになる』って聞かされてたから…」
「料理出来ないと思ってたんだ」
「ハイ」
「じゃあ、びっくりして貰うよ。食べよう、わたし腹減った」
「…俺」
槙は立ち上がって、ふとわたしの肩に掌を置いた。
「貴方のことは知らないことばかりだ。最近本当にそう思う」
「これから知ればいいじゃん」
そう言いつつ――わたしも彼のこんな表情は知らない。
そんな眼差しで見られたら、もうオヤジの殻なんて被ってる場合
じゃなくなるじゃない。
「食事も旨そうだけど――先に」
槙の口唇が自分の口唇に重なったのが解った。
 
 
 
翌日、浜松に異動していると言う鷺坂元室長にメールしてみた。
大体、槙は鷺坂さんのシンパで鷺坂さんの言うことは、
(わたしとしては馬鹿馬鹿しいくらいに)真に受けてしまうのは、
鷺坂さんも承知の筈だ。
なのに、何故『びっくり』だなんて言ったんだろう。
お陰で槙はわたしがかなりの『料理オンチ』だと思い込み、
三ヶ月も必死で台所に立っていたのだ。
だからわたしは昨夜ベッドの中で言ってやった。
空井と稲葉の話を例に出して。
最近、二人でカレーを作ったと稲葉はとても嬉しそうだった。
空井が作ったのでも、稲葉が作ったのでもなく、『二人で』。
「何もそんなに明瞭に線引かなくていいと思うんだよ、家事」
「…でも」
「アンタの気持ちは有り難いけどさ、融通利かせなきゃいけない部分も
 あるし、そのう…空井と稲葉みたいに『二人で』って言うのもいいと
 思うんだ」
「…二人」
「そう」
わたしは微笑って彼を見た。すると突然抱き締めて来て言う。
「その表情(かお)。頼むから二人だけの時にして下さいよね」
抱き締めた腕の力は、やっぱり強くて、この時ばかりは女で良かった、
と無意識に感じてしまった。
 
 
 
『槙のヤツにね、意識して欲しかったんだよ。
 柚木は自分のことを、周りが思ってるより、
 自分は女だって解ってるって』
鷺坂さんのメールはそんな書き出しだった。
『今柚木、高射に戻ってるんでしょう?
 忙しいだろうに家事全部引き受けちゃうだろうしね。
 槙に始めから分担させちゃった方が、苦労がないと思ったんだ。
 ――我々男はさ、家事が仕事だって意識からして薄いから』
何とも詐欺師鷺坂の面目躍如な内容だった。
わたしはある意味、鷺坂さんからの同棲祝い?を有り難く受け取ることにして、
家事――特に炊事の負担は半分にしようと、槙に申し出ることにしたのだった。
 
 
 
◆◆◆
 
 
 
二週間ぶりの彼女の家だ。
今夜は彼女が休みだったこともあり、彼女が夕飯を作ると言う。
僕は一抹以上の不安を感じたが、彼女は作り方は聞いたから大丈夫だと
言う。
「ハンバーグですっ」
あまりにも生真面目な声音を聞いたら、とても反対は出来なかった。
彼女の家に入り、おそるおそるキッチンを覗いた。
彼女は恐らく付け合わせのトマトを、必死になって切っている最中だった。
その、すぐ側に。
何故か、なみなみと牛乳が入った、銀色の四角いパットが置かれている。
気のせいだろうか、挽き肉らしきピンク色の物質が、
その中に浸されているらしい。
「…リカ。今日ハンバーグ、だよね?」
「そうです」
彼女はトマトを無事切り終え、肩で息をした。
「コレ………何?」
「…ハンバーグです」
「作り方、誰に聞いたの?」
「柚木さんです」
「―――――!!」
よりにもよって、そんな名前が出るとは思わなかった。
先月偶々槙さんと電話で話した時、槙さんが
『鷺坂室長が言ってたんだけど、彼女の料理の腕ヤバイらしくて
……それでそれくらいは俺が引き受けるべきだと
思ったんだ』と言っていた。
…先に『誰から』作り方を教わったのか聞いてみるべきだった。
そうしたら…。
一緒に作るよう、仕向けることも出来たのに。
大真面目な顔でフライパンを取り出している彼女を見て、
これからのあの牛乳に浸された挽き肉たちの運命を思い、
少し途方に暮れてしまった。




※polarbear様ネタ提供ありがとうございましたm(__)m
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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