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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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いやいや、ありがたいことに?一回目に拍手を頂きました。
正直サイトを別にしようか悩んだほどなんですが、このまま
行きます。・゚・(*ノД`*)・゚・。 
さあ、うっかり開けちゃった方、回れ右するなら今がチャンスです。


◇◇◇◇◇
 
 
御名形コンツェルンの社長、御名形史紋との婚約
そして結婚と全て順調に進んだ。
見合いの後、先方から断られないかと、秘かに期待していた奈々
だったが、まるで決められたもののように、事はスムーズに進んだ。
 
あれから崇とは会っていない。連絡する術を持たない奈々には、
どうしたらいいのかも解らなかった。
 
 
一方夫になった史紋はと言うと、会ったのは結納と結婚式の当日だけ。
後は殆どを東京の本社に出向していて、奈々は曾祖父の代から
住むと言う、御名形の古い大きな邸で一人きりで過ごした。
 
 
 
夫の秘書と言うか、執事のような立場の西田と言う青年が、
いつも奈々と史紋の間を繋ぐ役目のようだった。
「明後日の夜には社長はお帰りになります。良かったですね、奥様」
そんな風に呼ばれても全く実感は湧かない。
奈々にしてみれば、結婚して一ヶ月ただ住む場所を移しただけの
毎日だったのだ。
思うのは、ろくに顔を見たこともない史紋ではなく、
半年前に秘かに時を共に過ごした崇だけだった。
 
 
 
どうしているだろう。
 
在学中、白衣を着てボサボサの髪で研究にのめり込んでいた崇。
かと思えば昼寝ばかりしている時もあった。
大好きな歴史や文学、民俗学の話になると、奈々を相手に朝まで
喋るのではと思うくらい話した。
 
 
 
なのに。
-----先日会った時は違っていた。
普段は研究の対象物や歴史上の謎に向けられる真摯さが、
真っ直ぐ奈々に向けられ、他の何物も目に入らない。
そんな感じだった。奈々もその眼差しに答えて、
彼を見つめ自分の与えられる全てを彼に捧げた。
 
奈々に触れた崇の指先が意外にも熱かったこと。
いつもは無愛想に見える目が優しかったこと。
奈々の心に鮮烈な印象で、焼き付けられていた。
 
 
 
二日後の夜に史紋が帰って来た。いつもなら寝る支度にかかる
時間だが、今日は流石に起きて史紋の帰宅を待っていたのだ。
玄関で出迎えた奈々を史紋は一瞥した。
見合いの時にも忙しかった結婚式の時にも感じたのだが、
史紋は感情が全く表に出ない質のようで、まるでその顔は
能面のようにも見える。
 
夫と言う近しい関係だが、彼のことは何も知らないに等しかった。
 
 
 
先に床についているよう言われ、それまでの日々一人きりで
眠っていた寝台で、史紋を待っていた。
------待っていたと言うより、恐れていたと言う方が正しい。
史紋の仕事のことで、一月延びたものの、今夜が夫婦として過ごす
最初の夜なのだ。
崇とのことを忘れることが出来ない奈々としては、相手が誰であれ、
指一本とて触れられたくはない。
しかし。
拒めるものだろうか?
 
 
もしも史紋を怒らせた場合、その影響は多分思いもよらない所に
まで及ぶことが、懸念された。
実家にはまだ大学に入ったばかりの妹がいる。
そして------もし崇のことが史紋に知られたら、
まだしがない大学の講師の崇の存在など、叩き潰されてしまう
かもしれない。
崇の夢や未来は奈々にも大切なものだった。
共にすることは出来なくても。
 
 
 
「待たせましたね」
史紋がやって来た。広い和室に大きめの古い、恐らく年代物と思われる
寝台が置かれているその部屋では、史紋の存在は殊更威圧感を覚える。
「この家に少しは慣れましたか?不都合な所があったら、
 すぐに改善します。貴方の家でもあるのだから、貴方の思うように
 して構わないですから」
奈々もそうだったが、史紋も白い寝間着-----浴衣を着ていた。
「ありがとうございます。大丈夫です。よくして頂いてます」
気のせいかもしれないが、史紋がふと微笑ったように見えた。
「どうも他人行儀ですね。仕方のないことですが」
史紋の冷たい指先が奈々の頬に触れる。
瞬間、奈々の中で何かが弾けた………ように感じた。
違う。
わたしは………。
 
 
「ご、ごめんなさい。わたし、今夜はあまり気分が良くなくて……」
「…………そうですか。それは良くないな。熱は?」
「あ……な、ないと思います」
奈々は必死だった。儚い抵抗に過ぎないと解っていたが。
「今夜はもう休みましょう。君がそうやって緊張するのも無理はない。
 ………でもこれだけは知っておいて欲しいのですが、僕はただ家や
 事業の為に貴方を選んだ訳ではない」
「………………!」
言うだけ言うと、史紋はベッドのサイドランプを消して、
さっさと横になってしまった。
 
 
 
多分表に見えているより、史紋は冷たい人柄ではないのかもしれない。
わたしは生涯この人を裏切っていく………。
奈々は胸の奥が小さく傷むのを感じていた。
 
 
 
次の日の夜も先に体調の良くないことを告げ、
史紋より奈々は先に床についた。
だから奈々の寝顔を見つめて史紋が呟いた言葉は、奈々が知るはず
もない。
 
「成程……。子供のような抵抗ではあるが」
指先で奈々の前髪に触れる。
「あの男か。結婚式の日、会場に似つかわしくないのが
 一人紛れこんでいた」
 
 
 
 
史紋と朝と夜だけではあっても生活を共にするようになって、
三日目。夕食後に西田が盆の上に、湯呑みを一つ持って表れた。
「社長が奥様にと。体調不良が続いているようだったので、
 ご心配なさっておいででした。社長自ら調合された薬湯です。
 社長は並の薬剤師より詳しい方ですからね。僕も一度助けられたこと
 があるほどです」
「そうなんですか?」
「ええ。ああ見えて社長は面倒見のよい方です。当然奥様のことは一番
 心配なさっている筈です」
湯呑みを受け取り、そっと口を付けた。
口に幽かな芳香と苦味を覚える。
「今夜は少し調べ事をなさってからお休みになるそうなので、
 先にお休みになっていて下さいとのことです」
東京から戻っても、史紋の忙しさは相変わらずだった。
 
 
 
 
床についた時、不快感はないものの何処か陶然としたような、
普段は感じないような痺れが躯に走るのを覚えた。
横になると、起き上がるのが億劫になるような感じだ。
暫くうとうとしていると、史紋が入って来た。
しかし、起きようとしても躯が思うように動かない。
頬に冷たい掌が触れる。
「こんな方法は取りたくなかったのですが……いつまでも貴方の
 可愛らしい抵抗に付き合う訳にもいきません。貴方には後継ぎ
 も産んで貰わなければならない。………それに」
史紋の躯の重みを奈々は感じたが、視界も冥く指一本にも思うように
力が入らないことが解った。
「僕は一度決めたことは翻さない性質(たち)でね。君を手に入れると
 決めた以上は、必ずそうします」
冷たい薄い口唇が触れる。
決して乱暴ではないものの、何処か冷徹な温かみなど一筋も感じない
キスだった。
 
それなのに。
史紋の求めるままに、奈々の躯は応えてしまっていた。
どうして……?
自分がこんな人間だったなんて。
そのショックの方が大きかった。
一つだと信じていた心と躯の悦びは、全く別のものだと刻み込まれて
いく。
そう言う所は史紋はまるで容赦はなかった。
決して奈々に酷い扱いをしている訳ではない。いや、だからこそか。
丁寧に奈々の躯の反応を呼び覚まし、冷静に見極めて翻弄していく。
 
 
 
「貴方は僕と結婚するまで、付き合った男性はいない、
 そう聞いていたのですが」
全てが終わり、泣くことも出来ないまま、ただ衝撃だけを残して、
奈々は横たわっていた。
「結婚式の日に場違いな格好をした男が、花嫁衣装の君を食い入る
 ように見ていた」
崇が結婚式に来ていた?!
「調べさせましたが大学時代の先輩だとか。僕と同じ年か」
最悪の展開だった。
奈々の小さな隠し事など、史紋の手には玩具のように他愛もない。
「君次第だ。結婚前のことは過ちとは言えない。そんな無粋な人間では、
 僕もないつもりです。君がこの家の人間として生きていくつもりなら、
 今回は目を瞑りましょう。だが諦めの悪い子供には、躾が必要です。
 君がそのつもりならば容赦はしない」
淡々とした口調に、却って史紋の意志の強さが表れていた。
多分史紋の呵責のない攻撃は、奈々に向かわず崇に向かうことになる。
「今夜から毎晩君は僕に抱かれる。僕にはそうする権利があるのだから、
 それを実行するだけのこと。君に拒む権利は与えません。尤も拒めれば、
 の話ですが」

奈々の頤に指をかけ、見つめる視線はいつもと変わらず冷静なままだったが、
その奥に冷たい焔を見た気がして奈々は小さく震えた。




※これどこまで続けるつもりなんだろう……わたし(-_-;)
本当に思い切りよくベタな展開です。
今回タタルのタの字もありません;;頼むから私を祟らないでよ!!
読んで後悔しちゃった方本当にごめんなさいm(__)m
史紋さんコワイ~ΣΣ(゚д゚lll)
いや、原作の史紋さんは冷たそうに見えても結構面倒見の良い
顔で損しちゃってるいい方なんだと思いますがね。

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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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