タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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20日金曜日のチャット会、主催者のさかきさん、開催して下さり 本当にありがとうございましたヽ(^。^)ノ 相変わらずテンションも高く、楽しかったです。 前回はエメジャー(タタルさんの普段着と思われるエメラルド色のジャージ)が メインテーマ(笑)でしたが、今回のお題は『ちゅー』。しかも口とおでこ以外?! 私はうっかり『足先』を希望したので、頑張って見ました^^; トーン貼ったら、挿絵もアップします。←挿絵アップしました(*^_^*) -------------- 夏のひと雫 今年のわたしの夏休みは、お盆まっただ中の、三日間になりました。 ところが、彼の予定はと言うと…… 「出張ですか?!」 「ああ、中国の成都、北京に五日間の予定だそうだ」 「………漢方薬剤師さんにも海外出張があるんですね」 あまりにびっくりしたわたしは、きっと丸い目で彼を見ていたでしょう。 彼は小さく笑って、 「成都には漢方薬材の、世界的に有名な市場があるし、北京大学の漢方の研 究室にも行くそうだから」 「……そうですか」 一緒に暮らし始めて、最初のまとまった休みでした。 同じ日に休むことは出来ないようです。 ------ちょっと、がっかり。 でもこの先幾らでも機会はあるはずです。 そう思い直して、彼に笑顔で言いました。 「気を付けて、行って来て下さい」 彼は片方の眉だけ上げてこちらを見ると、立ち上がりわたしの前髪を くしゃりと撫でました。 これがここ最近の彼の癖。 彼がいない手持ちぶさたの間、何処も行く予定もなく、では何をしよう? と言うことになりました。 するとわたしの休みの前日、妹の沙織から電話があり、彼と自分の 浴衣を見立てて欲しいと言われました。 「お姉ちゃんは?タタルさんと夏祭りとか行かないの? お祭りと言えば神社じゃない」 妹のはきはきした声は、家に一人きりの今、殊更響きます。 「タタルさん、神社は好きだけど、人混みは嫌いだもの。 なるべく混まない日に行くから、縁日はあまり」 「そっか……。タタルさんらしいね」 妹は待ち合わせをするデパートの名前と、時間を告げると電話を切りました。 「浴衣かあ……」 わたしも高校時代の友人の付き合いで買った、浴衣がありました。 鉄線の柄の、ちょっと古風な藍染めの浴衣。 まだ一度も袖を通してません。 「タタルさんは、これを着たら……なんて言うかな?」 人の着るものはおろか、自分の着るものも無頓着な人です。 わたしの着ているものにも、何か感想を述べたことは一度もない……。 「着ていく機会もないものね」 翌日、沙織と待ち合わせしたデパートの呉服屋でのことです。 沙織が自分の浴衣を選んでいる間、ふとまだ仕立てられていない 浴衣地が目に入りました。 紳士用の生地です。 思わず手に取ると 「最近では、仕立てる方も多いんですよ。背の高い方が増えましたからね。 普通の一反より少し長めの生地なんです」 と、店員に声をかけられました。 ……タタルさんも背が高い。 彼が帰るまで、あと四日。 高校の家庭科の授業では、二度浴衣を仕上げました。沙織の分までやった程。 自信があるわけではないけど、難しい所以外はミシンを使えば………。 「おお!お姉ちゃん、タタルさんの浴衣縫うの?!」 「え!べ、別にそんなつもりで…」 「いーじゃん、いーじゃん。わたしも時間があったらそうしたかったな。 きっとタタルさん、喜んで浴衣の歴史を一時間は話してくれるよ!」 「…………………」 浴衣の歴史はともかくとして。 四日、何もしないでいるよりは張り合いがありそうでした。 わたしは妹の勧めるままに、その生地を買いました。 彼にも合いそうな色です。 何となく気分もウキウキしてる……かな? カフェでお茶をして、近況をあれこれ話し合った後 (大抵妹夫婦が仲良くやっているらしい様子を、聞くことになる のですが)、わたしは少し速足で帰宅しました。 思い付いたら、早く形にしてみたくなったのです。 彼は何て言うだろう……?着ていく場所もないのに。 彼の洋服から大体の寸法が分かったので、背縫いや袖付けはミシンで、 裾や襟は二日程寝る時間を惜しんで、丁寧に絎け(くけ)ました。 帯は母に相談したところ、父の若い時のものがあるからと言われ、 翌日の出勤日の帰りに実家まで受け取りに行きました。 そして、土曜日に彼が帰国することになって、仕事が終わると すぐに成田空港まで迎えに行きました。 彼の音信不通はいつものことですが、この五日間電話一つあり ませんでした。初めから期待はしていなかったけれど、心配しない訳では なかったので、到着ロビーに来ると彼の姿が早く見えないかと思い、 じっとゲートを見ていました。 「やあ、……迎えに来てくれたのか」 本当にいつもの彼でした。 「……お帰りなさい」 成田から自宅に戻る電車の中で揺られながら、この一人きりの五日間、 自分一人の気持ちだけが先走ったような気がしてなりませんでした。 ………彼の本の部屋に置いてある衣桁に掛けられた、わたしの作った浴衣。 五日間、彼は側にいなかったけどその存在をわたしに感じさせていた………。 家に着いて、わたしはすぐに夕食の支度にかかりました。 彼は荷物を解くと、いつものように彼の本の部屋へ。 中国は(特に成都)日本よりも暑かったようで、彼は大分疲れているよう でもありました。 食事が出来た頃には、彼はお気に入りの場所----本の部屋の彼の机 にもたれて、腰掛けたまま眠っていました。 翌朝の日曜日、彼は早くに休んでしまったからか、早く目を覚ましたようです。 電話で話す声がします。 「……来週の日曜でいいんだな。鵠沼か……混むだろうが、まあ仕方ない」 ………相手は多分 「言わなくていいことなら、言う前に口を閉じたらいいんじゃないか? 熊。最近、お前一言多いぞ」 小松崎さんのようです。 わたしは起きて着替えると、朝食の用意をしようとキッチンへ向かいました。 「ああ、奈々」 「はい?」 振り向くと、珍しく人差し指で頬をポリポリと掻きながら、彼が言いました。 「来週、江の島で花火大会があるだろう?」 「え?は、はい。学生の頃は晴美や沙織と、よく見に行きましたけど」 「地元だから君の方が詳しいだろうな。………良かったら、行ってみないか?」 「…………はい。…………え?!ええっ!!」 予想もしなかった言葉に、それ以上言葉になりませんでした。 「………なんでそんなに驚くんだ?」 「ええっ、だっ、だって………」 「浴衣………あれ、君が縫ったんだろう?」 「わ、分かりますか?」 そんなに縫い目でこぼこだったかしら? 「ミシンが出てたから」 「あ……」 彼の観察眼を通せば、いずれ分かることでした。 「君の浴衣もあるんだろう?」 「は、はい」 「この近くでは近いうちに縁日はないようだし、江の島ならそう遠い訳 ではないから、どうせなら………と思ったんだが」 「すごく混みますけど」 どの花火大会もそうでしょうが、江の島のそれも大変な混みようです。 「仕方ない。浴衣を着て歩くと言ったら、縁日か花火大会くらいだろうから」 「………………」 気持ちだけで作り上げてしまった浴衣だったけれど …………わたしはもしかしたら、彼にしっかりおねだりをして しまったのかしら? ちょっと不安になりました。 その日江の島は予想した通り、大層な混みようでした。 人で道が見えないくらい。 それでもわたしは気もそぞろで-----素直に言ってしまえば、 嬉しくて人出の多さが気にならないくらいでした。 わたしが縫った彼の浴衣は、寸法も色も彼に似合っていました。 着付けをする時、彼は特に表情も変えず、わたしの為すままに 任せていましたが、わたしが浴衣に着替えた時に、ふと眼差し が強く注がれたようにも思いました。彼は何も言わなかったのですが。。 それでもやっぱり彼と手を繋いで、浴衣で並んで歩いている -----たったそれだけのことが、とても嬉しい。 「あ………」 慣れない下駄と浴衣で、人混みに押されるとそのままつまづいて しまいました。寸前に、彼が抱き止めてくれなかったら、 転んでいたでしょう。 「すみません、タタルさん」 彼の腕から離れようとすると、右の下駄の鼻緒が切れてしまって いることに、気づきました。 それに爪先もちょっと痛い。 彼も気付いてくれたようで、鼻緒の切れた下駄を持つと、 わたしの腕をそっと引いて、少し花火大会の会場へ向かう道から 反れた脇道へと、入って行きました。 わたしをベンチに座らせて、彼は袂から自分のハンカチを出すと、 口に挟んで、ピッと音を立てて切り裂きました。 「鼻緒はすげ替えればいいが……右足、見せてくれ」 言葉の終わらないうちに、ぱっと裾を払うようにして、右の踵を 彼の細い指に乗せて、持ち上げていました。 「誰かに踏まれたかな?」 眉間に皺を寄せて、赤く血の滲んだ右足の親指を見つめています。
普段なら膝から下がスカートから出ていることなど、当たり前
なのですが、浴衣や着物だと、踝(くるぶし)から上が見えて
しまうと恥ずかしいのは何故だろう、そんなことを考えて、
頬が赤くなってしまうのが分かりました。
「まあ、これで消毒になればいいが」
そう言って、怪我をしたわたしの足指を口に………。
「た、た、タタルさん、ひ、人、人が来たら………っ」
「こんな所知り合いがいる訳でも……いや、君は地元か。
まあ、俺は一向に構わないがね」
一度離した口唇を今度は足の甲から足首に、ゆっくりと移動させて行きます。
「………………んっ………」
おかしな反応をしてしまいそうで、口をそっと手で押さえました。
ふと彼を見ると、思っていたよりずっと間近に、彼の悪戯な瞳がわたしを
覗き込んでいます。
「足先へのキスは………隷属か。さて、今日は君の言いなりになるつもり
なんだが、君はどうしたい?」
「………え?」
なんだか殊更大きな音を立てて、心臓が跳ね飛んだようで、
胸元を押さえました。
「花火は始まってるようだが、見える場所までたどり着けるかな?」
「……………何処か別の所でも、いいです」
精一杯声を振り絞ったので、かすれた声しか出ませんでした。
「例えば?」
またハンカチを口で裂いて、血の滲んだ足指に巻くと、
端と端をきゅっと結わいています。
「まだ江の島の駅からそれほど遠くないですよね?」
「そうだな、50メートルも歩いてない」
「あの、ここよりは人が少ないと思うので、稲村ヶ崎の方へ
移動しませんか?遠くても花火は見えます」
彼は珍しく、にっと笑い、脇道を選んで人の流れとは逆方向
にわたしを連れて行きました。
稲村ヶ崎もそれなりに人出がありました。
それでもさっきよりは、ずっと呼吸(いき)がつけます。
残暑の熱気は夜になっても収まらず、まだ首筋に抜ける風は
涼しさの欠片もありません。けれど人混みを抜けて、緊張が
一度に解れた(ほぐれた)為、空気が爽やかに感じるのも確かです。
多分わたしの足を労ってでしょう。彼はゆっくり歩いています。
砂浜の足に沈む感覚が奇妙に気持ち良くて、このまま今の瞬間が
ずっと続けばいい、なんて考えてしまう。
さっきの悪戯なキス。
足の先は隷属?
口唇に触れるより、なんだか彼の口唇の感触を思わせて、
かえってどきどきしてしまって……。
「留守の間すまなかった」
「え?」
「研修と言う名目の買い付けだったからな。行く先々で接待があった
上に、こちらに断る権利はないらしい------まあ、何を言っても
言い訳にしかならないが、毎晩ホテルの部屋に戻るのが、夜中の2時を
回ってた。俺にとっては----」
彼はふいと背を向けました。
「毎晩、君の声を聞く以上に必要なことなんかないんだが」
低く呟くような声でした。
でもはっきり聞こえた。
「その浴衣………寸法がタタルさんにきちんと合ってて良かったです。
少しズルしてミシン使いましたけど……全部手縫いしたかった」
彼は微笑ったようでした。相変わらずわたしから見えるのは、
意外と広い彼の背中だけ。
「平安の頃、男は必ず妻の縫い上げた着物を着た。
……以前話さなかっただろうか?裁縫に使う----纏る(まつる)、
縢る(かがる)などの言葉は祭祀と深く関わりがあると。どちらも
解けない(ほどけない)よう縫い込めると言う意味がある訳だが………」
振り向いた彼の瞳は、夜の海の煌めきを遥かに映して、
とても魅かれるものでした。
「愛してる人と解けないよう、願って……?」
「あの時代は、男は夜しか妻の元を訪れないから、昼間のことは妻たちには
解らない。不安な気持ちも愛しい気持ちも、ひと針ひと針縫い込めたんだ。
-----深いと思わないか?」
「きっと守りたいと言う気持ちが一番です」
わたしは思うより先に、言葉が出ていました。
「わからなくて、不安だからこそ、離れてるからこそ、守りたい
………多分そんな気持ちです」
彼はまたここ最近癖になっているように、わたしの前髪をくしゃりとして、
その手のひらをそっと頬に落としました。
彼の鼻先が、わたしの耳元をかすめたかと思うと、耳の奥に静かな
柔らかな響きが聴こえました。
「ありがとう、奈々」
口唇にふわりと、かすめるような感触が走ったなと感じた瞬間には、
彼はまた背中を向けて砂浜を歩き始めていました。
慣れないことをした自分を、恥ずかしがっているかのような
その姿が愛しくて、わたしもゆっくり後を追いながら、
その背中から目を離さずにいました。
※後日談
都内某カフェ
沙:お姉ちゃん、江の島の花火大会どうだった?いつも上がってた、
お姉ちゃんの好きな花火、今年はやった?
奈:………花火、そう言えば見てなかったかも
都内某バー
小松崎:それで?休みの日の俺に、花火見物の絶好スポットの情報まで
調べさせた花火大会はどうだったんだ?奈々ちゃんは、喜んでたか?
タ:………花火?そう言えば見た記憶がないな
沙、小:花火大会に何しに行ったんだ?!
※これ、タタルさんサイドから書いたら、もっと(*ノノ)な展開になりそう。
挑戦出来たらしてみます(^_^;)
雪降ってるっつーのに、浴衣で花火(笑)
季節感を無視しています、私(T_T)
途中間隔空き過ぎててすみません。色々やったけど、これ以上は無理でしたorz
私もダメだが、ニンジャも謎だよ……
さかきさん~こんなんでいいでしょうか?ちゅー祭。
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主婦
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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