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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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長野県にお住まいの方、大丈夫でしょうか?
通販を扱っておりますと、そちら方面の方も
何名かいらっしゃるので、ニュースを見ながら心配しております。
なるべくの早い復旧とこれ以上被害のないようお祈りしております。



カレンダー、キーホルダーの販売が遅くなっておりまして、
大変申し訳ありません。
リクエストの数にもよりますが、あまりに売り切れが
早いようでしたら再版を考えております。
本当にありがとうございます。

詳しいサンプルはコチラです。




さてやっと話が進んできております、空稲結婚式までの
道程話w
飛行機についてるナンバーってなあに?なんていう
非常に基本的な質問をツイってみたりしてる人が、
海自にまで手を出しちゃったので、調べごとであわあわしております。


あと一つだけお断りさせて頂きます。
我が家の空稲は『原作』の続き設定で書いております。
でもドラマも原作もどちらも愛しています(*^。^*)



小説は続き記事からです。

拍手[9回]




◆◆◆



「大祐さん」
電車に乗ってる間中、彼は何故かそっぽを向いて腕組みしたまま、
じっと何かを考えているように見えた。
声をかけていいものか解らず、わたしも彼の隣でスマホから検索して、
今日海野さんから聞いた話の裏付けを取っていた。
カレーの話以外にも未知の世界の話題に、わたしはいつもの如く魅せられている。
今、隣に座っている彼に出会った時もそうだった。
彼のあまりの素直さにおかしな反発を覚えつつも、
彼はわたしに全く知らなかった世界の扉を次々に開いてみせた。
『空を飛ぶ』その魅力をプロデュースする、広報する世界。
勿論航空自衛隊のそれは、国の防衛が第一ではあるが。
彼から教えられて、本当に飛行機はパイロット一人では飛ばないものなのだと知った。
まずは備品一つ落とさず、どんなミスもなく緻密に作りあげられ、
そしてパイロットが乗り込むまでには、何度にも渡る整備。
パイロット自身も様々な狭き門をくぐり、選ばれた人間が乗る。
戦闘機ならば尚更のことだ。
そして空を飛ぶ意味──これがなければ飛行機は飛ばないのだ。
飛ぶ空域も航路も予め決められている。
彼は自分の企画で「もうブルーで空を飛べなくても、
ブルーを飛ばすことが出来る」と嬉しそうだった。
あの時の笑顔は忘れられない。
当時上司だった阿久津さんにも「いいヤツと組んで仕事したな」
なんて言われたっけ……。
ふと上石神井の駅を過ぎた時、左の薬指を見た。
今は仕事ではなく、人生のパートナーだ。
そう思うと何やら隣にいるのが、こそばゆくはなるが。
 
 
 
「海野さんは『海』の人ですけど、
本当は空を飛びたかったみたいですよ」
「そうみたいだね」
「……ご存じなんですか?」
「槙さんの剣道部の後輩だったって」
「ああ、防大出身って仰ってました」
少し彼の歩調が早く、なかなかわたしは横に並ぶことが出来ないでいた。
「お父様も海自でパイロットだったそうです」
「……だってね。日本の航空史からしてみたら、旧海軍の時代からだから、
海自の方が空自より空を飛ぶ歴史が古いし」
花小金井駅から、小金井公園方向に向かい、暗い道を二人、歩いていた。
街頭も少なく、ゴルフ場と公園の深い木々に囲まれた道は、
昼とは段違いに人気もなく、闇も深かった。
前を歩く彼がいることが、これ程安心に繋がるとは思わなかった。
首都圏を離れたことのないわたしは、ほんの30分電車に乗っただけで、
同じ東京でも夜の道に、これ程違いがあることを、初めて知った。
今まで住んでいた人形町のマンションは近くにオフィスビルも多く、
コンビニも至近な場所に二件もあった。
今は駅からマンションまで、店らしきものは一件も見当たらない。
「あ、あのっ」
彼がチラッと振り向いた。
「て、て……手繋いでもいいですか?」
こんなこと、そう言えばわたしからお願いしたことはなかったかもしれない。
彼は少しびっくりしたように、こちらを見たが、
じきに嬉しそうにふわりと微笑んで、わたしの左手を優しく握ってくれた。
 
 
 
二人してシャワーを浴びてホッとすると、彼が冷蔵庫を覗いていたので、
驚いて聞いた。
「大祐さん、夕食まだなんですか?」
「……んー、うん。ちょっと食べようかなって」
「わたし、作りますよ!」
「リカが?」
「あ、ナニ、その心配そうな顔。
これでも今は料理番組のディレクターなんですからね!」
わたしはエプロンを着けて、すぐキッチンに入ると材料を確認した。
先日撮影したばかりの、卵焼きの卵サンドならば作れそうだ。
パンは食パンの8枚切りが半斤残っている。
早速卵と牛乳を出し、マーガリン、きゅうり、ハムも用意する。
ちらりとリビングを覗くと、彼はソファに寄りかかり、パソコンを開けていた。
バスルームでも、少々素っ気ないのが気になったが、
今日彼が店まで迎えに来たのはそれなりに事情があるようだった。
だから──彼から話す気持ちになるまでは待つことに決めたのだ。
卵焼きを何とかパンに挟みやすい形に焼いて、パンに合わせて切る。
マヨネーズの味に合わせて、甘めに作るのがコツだと
番組のメインである料理家の先生は仰っていた。
わざと脇の耳を落とさず、噛み応えのあるようにして、
卵サンドを何とか体裁良く作った。
インスタントのコーンスープも添える。
なかなかの出来栄えで、思わず料理番組に異動させてくれた阿久津さんにまで、
感謝したくなってしまった。
彼の前に出来た料理をそっと並べると、彼はそれをじっと見てから、
此方を見た。
「スゴく美味しそう。いただきます」
「ど、どうぞ」
彼はいつもの食事の時のように、モグモグと美味しそうに頬を動かして
食べていた。
 
 
 
「リカ、今朝お父さんからのメールの話してたでしょう」
「あ、ハイ。あの……結婚式、なんですけど」
わたしは長野に住む父から来たメールの話を、なるべく手際良く話した。
「父の知り合いに、軽井沢の聖パウロ教会の神父さんがいて、
良かったらそこでやらないか、と。
大祐さん、ご実家は宗教とかあまり気にされませんか?」
「ウチは……全く問題ないけど。リカは?
ほら、女性の方が理想があるんじゃないかと思うし。
白無垢もいいな、ってリカ、この前言ってたでしょう?」
「ええ、まあ──その、最近着物もいいなあって思ったんです。
鷺坂さんご夫婦も折角仲人して下さる訳ですから」
「僕も……リカの白無垢見てみたい」
何のてらいもなく、彼はそんなことを言う。
わたしは恥ずかしくなって、俯いたが言葉を続けた。
「ただ……先日サイトを見た感じだと、今年の秋は予約いっぱいでしたよね。
夏に白無垢は暑いし、わたしは式はいっそ冬でもいいかなって
思ってたんですけど」
ノーとパソコンのキーに指を置き、カチャカチャとキーを叩いて
検索した画像を出した。
「この教会、一度父の案内で行ったことあるんですが、
結構歴史がある教会で軽井沢の古い街の中にあって雰囲気、とてもいいんです」
幾つか出てきた画像の中の、窓から差し込む明るい光をを背景にした
祭壇の写真をクリックする。
「父の話では、夏に予定してた式が二件も破談になってしまって、
急遽予定が空いてしまったそうです。
良かったら声をかけておくから、ここで式をしないかって」
「成程ね……」
彼はじっと画面を見つめた。
こんな急な式の話は良くないのではと思いつつも、
父が珍しく『籍まで入れるのならば、式も早い方が良いのでは?』と
メールに書いて来たことも、気にはなった。
確かに世間に認めて貰うと言う意味では、形はどうあれ、
結婚式も大切かもしれない。
「リカ……一つだけ約束してくれる?」
「なんですか?」
「その……ウェディングドレスのことなんだけど」
彼はかなり決まり悪そうに俯いた。
「え??ドレス?」
「うん……ホラ、この前色々式場のサイト見た時もさ、
ドレス姿の花嫁さんの写真見て思ったんだけど」
彼はすうっと深呼吸した。
そんなに緊張する話なんだ。
わたしは姿勢を正した。
「出来たら、あまり露出の多いデザインは、避けて欲しいかなあと」
「…………」
露出?
思わず聞いた言葉を疑い彼をもう一度見つめた。
「だ、だってリカのむ、む、む、胸が綺麗なこととか首筋白くて触りたくなるとか、
そんなことは、お、俺だけが知ってれば、良い訳で」
「……」
また彼を見つめ直した。
すると今度は彼もぴったり視線を合わせて、わたしを見つめた。
「……ダメ?」
完全に甘えん坊の表情だ。
先程夜道で頼り甲斐のありそうな背中を見せていた、彼とは違う。
「わ、解りました。わたしもあんまり派手なデザインは好きではないですし、
大祐さんと一緒に選びましょう」
何だかおかしくなってしまった。
男の人って……変なことにこだわるんだなあと。
彼が喜んでくれるような、そんなデザインのドレスで式をする。
わたしにはこの上なく幸せな話だと思い、早速父にメールの返信をした。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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