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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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夕暮れの松島基地、出来ましたヽ(^。^)ノ
でもまだちょっと描き込み不足も感じるので、
ちょこちょこ書き足すかもしれません。


そして、今はじゃん♪



朝焼けの百里!
『綺麗な朝焼けを一緒に見たいと思う人がいて…』のシーンです。
原作にこのシーンがないと知った時は結構びっくりでした。
広報室は本当にドラマの脚本家さんの力が大きいなあ…と思いました。

と言う訳で元狭山市民としては子供の頃から見慣れたC-1輸送機を、
心して塗るのだ!



今回はリカちゃんのノー天気な幸せぶりと、空井くんの心の声
絶叫ぶりをお楽しみいただけたらと思います。


小説は続き記事からです。


拍手[10回]



◆◆◆



その日、わたしは再び市ヶ谷の防衛省の門をくぐった。
目指すは海上自衛隊、幕僚本部にある広報室だ。
わたしが今担当している、昼の長寿料理番組
『とまとんの3分クッキング』で、一週間カレーを特集することになったので、
あれこれと調べていたら、横須賀の海軍カレーに絡めたイベントが
海自で行われると知り、すぐに取材を申し込んだのだった。
こうして防衛省の敷地を歩いていると――彼、空井大祐と最初に
知り合ったあの日のことを、手に取るようにはっきりと思い出す。
出会った最初の印象は互いに、最悪もいいところだった。
いや『戦闘機は人殺しの道具』だなどと、何も知りもしない人間から
叩き付けられた彼の、わたしに対する印象の方がより悪かっただろう。
それだと言うのに、彼は直ぐ様心理的再建を図り、
『悲劇のパイロット』から『生え抜きの広報官』として、今わたしの側にいる。
わたしはその彼を追い越そうとしながらも、
その手に引かれるようにして、情報局のディレクターとしての道を歩いていた。
 
 
 
「海上自衛隊、幕僚本部総務広報担当の海野如(うみのゆき)と
申します。階級は三等海佐になります」
目の前に立った青年は、すらりと背が高く――少々堅苦しい印象は
あるものの、一般的にハンサムと言えるタイプの青年だった。
確か海自は『伝統墨守、唯我独尊』だったっけ。
年齢は……大祐さんと同じくらい?
「初めまして。帝都テレビの稲葉リカと申します」
「三月に放送した空自が協力したって言う、
日本の航空機の歴史の特番、あれを企画なされたのが
稲葉さんだったそうですね」
海自の総務部のエリアに入ってから、空自以上に規律正しい印象を
覚えながら、それでも相手の気遣いらしい言葉に笑顔で応対する。
「ありがとうございます。偶々スタッフとして加わらせて頂きました」
「自分は此方に配属になる前は厚木の航空団に所属しておりました。
だから、大変興味深く見せて頂きました。
元々海自は旧海軍からの伝統を引き継ぐ部分も
ありますから――戦前の飛行隊は海軍の所属ですしね」
海野三佐は笑顔で、応接セットの椅子を勧めた。
 
 
 
取材は順調だった。
その日外出していて、会うことの出来なかった海自の広報室長は、
『勇猛果敢、支離滅裂』を旨としていた空自の鷺坂室長とは違い、
後日挨拶に向かった際には、生真面目で固い印象を受けた。
海自の白い制服も、何処か近寄りがたさを覚えさせるからかもしれない。
空自を取材した時のノウハウは、今回は余すことなく生かされそうだ。
担当の海野三佐は手際の良い人物で、此方が必要な資料は
求める前にはもう揃っていると言う様子だった。
だからわたしも社で余分な仕事にかまける必要もなくなり
――よって彼との同居に向けて、準備を始めることが出来た。
「東京郊外……ってどのあたりがいいでしょう?」
ノートパソコンを覗き込みながら、呟いた。
彼はキッチンでコーヒーを淹れている。
わたしが好きだと言っていた豆を手土産に、
週末恒例のようにわたしの部屋に泊まりに来たのだ。
「リカが通いやすい方がいいよ。終電が無くてしょっちゅう
帰れないんじゃ、意味がない。
僕は都心から郊外に向かうのだし、ラッシュに巻き込まれることはないから」
「中央線沿線なんかはどうでしょうか?
西武線も繋がってるから、入間基地へも出やすいかも」
早速不動産のサイトに沿線の情報を入力する。
「国分寺……拝島、この辺りならば。
あ、小金井も場所によっては中央線も西武線も使えますね」
「小金井なら花小金井から所沢乗り換えだし……リカは大変じゃない?」
彼はコーヒーカップを置くと、わたしの隣に座った。
コーヒーの甘い薫りと、彼のほんのりとした温もりを感じて、ホッとする。
「この距離なら……いっそ貯金下ろして車買おうかな」
「ええっ!?」
思いもしないことで彼が驚いたので、わたしも釣られて驚いてしまった。
「な、な、なんなんですか。何かわたしびっくりするようなこと、
言いました?」
「いや、だって……リカ、運転出来るの?と言うか免許は?」
「あるに決まってるじゃないですか。大学2年の時に取りましたっ」
「……その後運転は?」
「ペーパーですけど、更新はしてますよ」
「…………」
彼は黙り込んでしまったので、引き続きパソコンで物件の
検索を続けた。
「高松ハウジング……此処、結構いい物件扱ってますよ。
マンションも一戸建ても。明日電話をかけて、早速行ってみませんか?」
ふうっ、と彼はため息をついた。
「全く君は……」
わたしの髪を撫で、手のひらを優しく肩に落とすと、そっとわたしを引き寄せた。
「疲れてる?」
「今週はそんなことは。海自の担当の人も、手際が良くて」
「……それも、気になる」
彼は何故か困ったように眉をしかめたが、顔が近付くと小さく微笑んで、キスをした。
抱き締められて、思いの外熱い体温と、口唇から感じる
飲んでいたコーヒーの薫りで自分が満たされていく。
するともう何事も考えられなくなる。
最近いつもこうだ。
彼に抱かれると、もう身も心も全て預けきってしまう。
彼と付き合い始めた頃、あれこれと考え過ぎていたのが嘘のように。
キスが雨のように次々と落とされる。
ベッドに移動するべきかしら……。
そんな気持ちもぼんやりと霞みがかる程、彼の増していく熱に、
そのまま身を任せていた。
 
 
 
「此処、裏が公園なんですね」
東京にしては緑の匂いが濃い。
わたしが住んでいる人形町のマンションとは大違いだ。
「すぐ近くに小金井公園がありますし、有名なゴルフ場も。
結構穴場です。武蔵小金井駅と花小金井駅の間は、
路線バスが運行してますし、便利な立地ですよ。
勿論マンションは駐車場が付いてますから、マイカーも置けますし。
都心への交通の弁は悪くありません」
「陽当たりもいいですね」
「ええ、リビングはやや南西ですが、カントリークラブの木々が
上手い具合に遮っていて、夏場もそれほど暑くない筈。
今、最上階の4階しか空いてませんが、角部屋ですしお奨めです」
訪ねた不動産屋のスタッフに連れられて訪れた、三件目の部屋だった。
初め店舗の方で、沢山の物件の写真や図面を見せられ、
その中から5件をピックアップして、実際の部屋を見てみることにした。
新築から中古まであったが、今見ているこの部屋は築三年とのことだった。
「あ、この部屋……天井斜めなんだ。天窓もある」
「最上階角部屋ならではの作りでして。このマンションには、
この部屋とあと東側のひと部屋だけが、この作りです。
寝室の隣になりますが、6畳間ですから、将来的には子供部屋としても
よろしいかと思いますよ」
「子供部屋……」
ふと想像してしまった。
この部屋の住人は、女の子だろうか?男の子だろうか?
男の子だったら、彼のように『パイロットになりたい』と言うのだろうか?
「リカ?」
ぼんやりしていたのか、彼は不思議そうな顔で此方を見ている。
わたしは思わず耳まで赤くなってしまった。
 
 
 
その後一戸建ても含めて、二件見たが、一番気に入ったのが
公園に隣接した、あのマンションだった。
彼も納得したようで、すぐに契約に入った。
空き部屋だけに、いつ引っ越して来ても良いと言う。
週末だけでも此方で過ごせるよう、互いに荷物を移すことになり、
わたしも勤め始めてからずっと住んでいた人形町のマンションを、
今月で解約するよう手続きをした。
未来(さき)が見えて来ると、心も軽くなるものなのか同僚から
「稲葉さん、最近とても楽しそうね」と笑われてしまった。
そしてそれも悪い気分では決してない。
「え?懇親会ですか?」
電話の向こうからは、低いがよく響く海野三佐の声が聞こえる。
「ええ。稲葉さんとは、確かに来月行われる横須賀での
カレーフェスタに海自が出店することに対しての取材だけのお仕事ですが、
稲葉さんの空自とのタイアップの番組を見た室長が、
是非稲葉さんには海自を知って欲しいと申しておりまして
……今後何かの仕事のお役に立てて頂けたらと」
「懇親会は構いませんが……いえ、是非に参加させて下さい」
しかし海自自身の取材はいかがなものだろう?
わたしが今担当しているのは、昼の料理番組なのだ。
ただ個人的興味はあるし――広い意味で考えたら、
今後何かの番組を作る時の縁(よすが)になるかもしれない。
「じゃあ、来週水曜日はご都合つきますか?」
「水曜日ですね。わかりました」
電話を置くと、早速スケジュール帳に書き込む。
今週の土曜には彼と同居する部屋に引っ越しをする。
忙しくなってきた!
充実感ある日々に、幸せって多分こんな感じ、と思いながら、
また午後の仕事に向かう為、お昼休みを取ることにした。
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自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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