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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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ちらと小説?など書いてみました。
というか、漫画では描けない(笑)と思ったので、絵よりもつたない文章で^^;

『伊勢の曙光』のネタばれを含みます。
多少、超微量の大人表現を含みます。
あとタタ奈々でさえあれば、どんな妄想でもOK!という方だけ
画面をスクロールして下さい。

























































『CALL MY NAME』

いつもは感じない温もりで、目が覚めた。
横を見ると、ずっと恥ずかしがって少し離れて横たわっていた彼女が、
すぐ胸元にすりよって、かすかな寝息をたてていた。
 
自分の気持ちにあれだけ素直な人なのに、行動は気恥ずかしさからか、
気持ちを裏切るらしい。
昨夜は少し強引に抱き寄せなければ、なかなか彼女の全てに触れることが、
かなわなかった。
 
 
少し驚いたのだが
彼女は経験がなかった。
 
 
でも不思議ではない。
中学、高校と女子高で大学では自分と知り合った頃、付き合っていた男性がいたか?
と言った感じで、よく話すようになった翌年の頃には彼女にはそういった相手が
いなかったようだ。
社会人になって再会してからは、全くそんな話は聞かなかった。
処方箋薬局の薬剤師では、そんなチャンスにも恵まれにくかっただろう。
(自分はそれに感謝しなければならないが)
 
 
悪友の小松崎が、事件の報告と称して電話を寄越してきた時、最後にこう言った。
『お前が助かったと知った時、奈々ちゃんボロボロに泣いてたぞ。
 ---なあ、俺の相手は特急どころかリニアモーターカー並みだったから、
 間に合わなかったが、タタル、お前の相手は各駅停車なんだ。
 感謝して、早く年貢を納めた方がいい』
 
相変わらずめちゃくちゃな理論だが、言わんとしてることはよくわかった。
 
『…ああ、俺もようやくわかった』
 
 
 
そして彼女はここにいる。自分の隣に。
 
知っていたら、もう少し優しく出来たのに、彼女は行為が終わるまで言わなかった。
察することが出来なかった自分に腹がたつが、彼女に触れた途端、夢中になってしまって、
精神的ゆとりなんかどこかに失くしてしまっていた。
こう言う時、自分が男なのに嫌気がさす。
 
 
身を割かれるより、辛かっただろうに---
よく眠っている、その額にそっと口付ける。
 
昨夜髪に触れた彼女のすべらかな指や、柔らかい口唇。切なげで優しい眼差しも、
全てが自分を肯定してくれた。
 
これは終わりで始まり。
 
 
「きゃっ」
いつの間にか、自分の胸元に寄りかかっていたのが、恥ずかしかったらしい。
目覚めたばかりの瞳で、おずおずとこちらを見る。
「タタルさん、今…何時ですか?」
わざとらしくため息をついて見る。
結論を放置し続けた自分に、一番の非があるが、これくらい許されるだろう。
「ひとつ約束してくれないか」
「なんですか?」
「ベッドの上くらいは、そのあだ名はやめて、名前を呼んで欲しいのだが」
「………………」
 
そんなに躊躇うことか?
 
「た、た…崇さん」
「何?奈々」
自分もほんの少しの勇気を奮う。
 
名前は呪だ。
愛しいと言う気持ちを、永遠に縛る呪。
 
 
すると彼女はそっと胸元に頬を寄せて、恥ずかしそうに微笑った。

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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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