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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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やっとおうちに帰って参りました。

そしてお荷物がおうちに戻っていたので(会場から宅急便で本を送り返してます)
いくつ売れたのか数えてみました。


じゃじゃーん、28冊です!


通販も順調にお申込み入ってます。
本当にありがとうございます。

思ったよりも早く、無くなる可能性もある??かもしれないので
欲しいな~と思って下さる方、お早めにお申し込みいただくのがよろしいと
思います。
私はともかくゲストさんの作品が本当に素晴らしいので^^

こちらのサイトで取り扱ってます。
http://www.chalema.com/book/qedtatanana/



ところで会場でblock24のさかきこうさん、ねむりいぬのおざわたまきさん、
風色の桔梗の彦多さんにお会いできました。

皆さんかきさんには、ワインは樽で、日本酒・焼酎は一升瓶で
用意してあげてください。
たまきさんは走り出さない程度に飲ませてあげてください(笑)
とのことでした。

沢山お話できて、4日は本当に幸せな一日でした~。

今月チャット会のお話も出ています。
主催者様からお許しが出たらこちらでも告知させていただきたいと思います。



4日の日に無料配布しました毒草師本のお話をアップします。
タタ奈々結婚式漫画のその後の話です。

この話の前段階の帰り道で史紋さんは、おそらく禮子ちゃんからここぞとばかりに
いじめられてるんじゃないかと思います。
そんな設定で書きました。
お話は続き記事からです。

拍手[6回]





五月の末ともなると、一日晴れた日は夏日と言ってもいい。
それでも今日はさわやかな風も吹いて心地好い一日だった。

日曜日だったものの、僕は仕事が詰まっていた為、職場に二、三の資料を
取りに出掛け夕方頃マンションに戻った。



そこで。



近頃出会わなかった人物と出会った。

そう。
奇人変人隣人で自称『毒草師』の御名形史紋である。


しかも今日はかなりオシャレをしている、ような気がする。
いや、いつもだって決してだらしない格好をする人物ではない。
神経質なまでに洗濯され、糊の効いたスラックスにジャケット。
但し、色のセンスはずば抜けておかしく、白黒で固めた中にいつも一ヶ所、
真っ赤な物を身につけている。

それが。

今日は若干控え目な印象で、グレーのサマースーツに白いワイシャツ。
ただシャツから覗いたスカーフはやはり深紅だったけれど。

手には大きめの紙袋。
結婚式の引き出物に見えるけど…。


「御名形さん、結婚式だったんですか?」
「ああ、君か」
眉一ミリすら動かさない、能面顔がこちらを向く。

そしてどう言う訳か、僕の顔をじっと見た後、こう言った。
「予定は全くしていなかったのだが、君は今日この後時間があるかね?」
「いえ、特には。部屋に入って、夕飯の支度をするだけです」
「良かったら、以前に行った自由が丘のバーまで飲みに行かないか?」



驚いた。

いや、この奇人変人隣人と飲みに行ったことがない訳じゃない。
それにもう彼が隣に引っ越して来てから、結構経つから、
この無表情の隣人が、意外にその表情ほどは冷たい人柄ではないことも
、それなりには知っている。
それでも――――彼の方から飲みに誘って来たのは、全く珍しいことだった。

「か、構いませんけど、御名形さんはいいんですか?折角立てた予定が崩れますよ」
「………今日はあえて崩してみたくなってね。では荷物を置いてくるので、
 十分後に一階のエントランスで」



僕は首を捻りながらも、会社から持って来た資料を置いて、
ジャケットを羽織ると一階の玄関に向かった。




◆◆◆


自由が丘のバーは客は僕達だけだった。
僕は喉が渇いていたこともあって、カンパリベースのカクテル、スプモーニを頼む。
そして彼は、やはり変わらぬ表情のまま、朝鮮人参から作られたと
言うちょっと変わったリキュール、スーズをロックで頼んでいた。


「今日は知り合いの結婚式だった」
彼は突然話し出した。
いつものことだが、本当に唐突だ。彼に時候の話や世間話をしろと言うのは、
ペンギンが空を飛ぶより難しいかもしれない。
「こちらに来てからのお知り合いですか?」
話の着地点がどこに向かうか、全く見えないまま、僕は彼の話を聞く。
たとえ奇人変人相手でも、礼儀は存在する。

「……いや、那智に住んでいた頃の―――こちらに出てくる直前にある事件が
 きっかけで知り合った」
「那智で知り合ったのに、東京の方で?」
「彼らは和歌山に旅行で来ていた」
「それは、それは。それでこちらに来てからも付き合いがあったなんて、
 余程気の合った方だったんですね?」
グラスに口を付けると、グレープフルーツの爽やかな酸味と、
カンパリの苦味が火照った体を冷やす。
「偶然に花嫁の方と、中目黒駅で再会して連絡先を交換した」
彼もグラスに口をつける。



さっきから感じていたが、今日の彼――――御名形史紋は変だ。
いや、変なことはいつもなのだけど、いつもと違って少し、
ほんの僅か元気?がないようにも見える。


はっきり言ってしまえば、淋しそう?



そこまで考えて、いや、ありえないからと首を振った。

彼は目の前の棚に並べられた、色とりどりのリキュールの瓶を見つめている。
「それじゃあ、花嫁さんの招待で出席されてたんですね?」
当たり障りのなさそうな話題から始める。
「いや…招待状は花婿から来た」
眉がピクリと動いた。
「花婿さんもお知り合いなんですね」
僅かにしかめられた眉を横目で見つつ、再びグラスに口を付けた。
ある考えが頭を過った。

いやまさか。
ありえない。
しかし、でも。
この隣人も奇人変人とは言え、一応『人』なのだ。
そう言う―――人間らしいこともあるかもしれなかった。



「御名形さん、失礼を承知で聞くんですけど」
とても緊張した。
ちょっと冷や汗も出てたかも。
それが伝わったのか、やや心ここにあらずだった彼がこちらを見た。
僕は思い切って、言葉を続けた。


「もしかして―――その、もしかしますけど、その花嫁さんのこと、
 お好きだった…とか」
僕はごくりと唾を呑んだ。
彼は、と言うと――――。



「そう言うことになる」




!!!。



聞いた僕の方が驚いてしまった。

と、言うことは、この奇人変人は失恋して、今傷心状態だと言うことか。
「初めからわかっていたことだから、それを確認しに行ったことになる」
「そ、そうなんですか。――――それにしても、どんな方なんですか?
 その、ちょっと興味があります。御名形さんが好きになる女性って、
 想像が出来なくて」
驚きのあまり、少しぶしつけな言葉だったが、彼は気に止める様子もなく、
話し始める。
「そうだな……。根気強い、忍耐力のある人だった」
「結構硬派な女(ひと)ですね」
「そんなことはない。彼女の側にはかなり気難しい人間でも、
 ずっと側にいたくなるような空気がある」
リキュールを飲み干して、彼はお代わりをした。
次はズブロッカをロックで。無理もないけど、どうも今日は飲みたい気分らしい。
「いつもじっと人の話を根気強く聞いている、そう言う女性だった」
彼の眼差しは遠くを見つめている。きっと今日の花嫁を思い出しているのだろう。
この明らかに普通の、僕のような一般人とは感性の違う隣人を、
なんと言って慰めたものか、言葉は見つからなかった。
だからあまり思いやりのある受け答えではないのだけれど………。
「一度会ってみたいですね。御名形さんがそんな風に言う女性」



彼はこちらを見た。
そして、今度ははっきり眉をしかめた。
「やめた方がいい。平和な生活の為にも」

「へ?」
あまりに真剣な表情に見えた気がして、こちらは意表を突かれた。
「どう言う意味ですか?」
「彼女こそ、まさに『麗しき禍』だからだ」
「わ、禍?」
「彼女は人と出会えば殺人事件に出会す『縁』の持ち主だ。旅行に出れば、
 その確率はかなり上がる。
 そして―――事件に出会しても、彼女自身は全くの無傷で済むと言う
 強運の持ち主でもある」
「…………何だか恐ろしいですね」
僕もお代わりを頼んだ。グリーンシャルトリューズを使った、オーベルニュを。
「それがもし、事件巻き込まれ率九十九・七五パーセントで
 しかも危険度も高い君と出会ったら―――どうなることか。
 周りの迷惑の為にも、人類の危機回避の為にも、そんな危険は侵せない」


なんなんだ、それは。



「そんな女性で――――花婿さんは平気なんですか?」
僕は当然思い浮かぶ疑問を伝えた。
すると彼はしばらくじっと考え込んだ。
お代わりのグラスが来たので、口を付ける。
ライムの酸味が鼻をかすめる。


「彼なら―――大丈夫だろう。これもまたそう言う運の持ち主だ。
 多分彼らは出会うべくして、出会っている」
ふと隣を見ると、もう今日何度目の驚きだろう。
彼は口許に僅かながら笑みを浮かべていた。
「そうだ、初めからわかっていた。手に届くようでいて、
 届かない蜃気楼のようなものだ」
「蜃気楼……ですか」


全く意外だし、可哀想とも思わないのだけれど、僕はこう申し出た。
近所づきあいも大事だ。
「御名形さん、今日は僕、奢りますよ」


彼は一瞬驚いたようだったが、前を向くと言った。
「有り難く受けよう」




その後、二杯程飲むとバーを出た。空は晴れているのに、
微かに雨がぱらついた。
「こう言うの、狐の嫁入りって言うんですよね」
「狐の嫁入り……か。確かに今日には相応しい」
そう言って振り向いた表情は、先程よりずいぶんすっきりして見えた。
「また君の家のベランダを借りたいのだが」
「今度は何です?言っておきますが危ない草はダメですよ」
「朝顔だ」
「それなら構いませんが」
ぱらりと降った雨はまるで、幻だったよと言うようにすでに降り止んでいた。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
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著作権も一応手放してはいないので、
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……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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