タタ奈々と空稲で二次してます。
どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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させて頂きます。
空稲ペーパー郵送配布受付始まりました。
こちらのサイトで受け付けております。
でもまずは空稲、続きが出来たましたのでup!
今回のテーマはプロポーズ?←
そう?付きです。
頑張れ!空井くん。
小説は続き記事からです。
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頑張れ!空井くん。
小説は続き記事からです。
◆◆◆
「早くわたしをお嫁さんにしてくださいっ」
とろけそうな笑顔がこちらを見つめている。
思わず抱き締めてそのまま…と言う衝動に駆られるが、
そう言う訳にはいかなかった。
入間に仕事で来た比嘉さんが「これ、手土産」と言って置いて言ったのは、
なんと日本酒の一升瓶だった。
「ウチのカミサンの蔵で造った新酒だよ。たまたま丹波の珍しい品種の米が
手に入ったらしくて、これ市販はしてないんだ。
良かったら稲葉さんと飲んで」
比嘉さんはいつもの一見人の良い笑顔で、入間の広報室を後にした。
自分はそこまで飲まないし…彼女は――まあ、
彼女の家で二人きりで飲むなら、
構わないかと思った。
そしてその週の土曜日、酒肴の材料になるものを買って、
彼女の家を訪れた。
今日は珍しく仕事がなかったようで、
エプロンをした彼女が出迎えてくれた。
掃除の真っ最中らしい。
「い、いらっしゃい」
「…………」
「どうしたんですか?」
「いや、なんか…」
思わず、彼女をじっと見てしまう。
「…いいな、と思って」
まるで新婚みたいで。
もし声に出して言ったら、彼女は怒るのだろうか?
松島から入間に異動して、彼女と再会した時から
――とうに気持ちは決まっていた。
『結婚したい』
そう思えるのは彼女以外いなかった。
片山さんに話したら、また自分がマゾだなんだと言われるだろうが、
P免になってから仕舞いこまれてしまった感情を、
取り戻せたのは彼女のお陰だった。
今でも、パイロット候補だった時分に見た空を夢に見ることがあるが、
それを喪失と感じずに済むようになったのは、
P免になったからこそ出会えた彼女の存在があったからだった。
こんな想いを持てる相手を、人生の中でそう、持てる筈もなく、
他の人間のことなど考えられなかったから、
彼女を失うことなど――出来ないと思っていた。
だからこそ、安易に『生涯を共にしたい』と言葉に出せず、
すでに八ヶ月が過ぎようとしていた。
「比嘉さんの奥さんが作ったんですね…確か、比嘉さんは空幕広報室の前は
入間の広報室ですよね?」
「うん、今でも入間には比嘉さんの知り合いが多いよ。
お陰で僕も助かってる」
彼女はグラスに注いだ、透明な液体を見つめて言った。
「…比嘉さんが、関東からあまり異動しないのは、
奥さんのお仕事のこともあるんでしょうか?
造り酒屋は簡単にやめられないし、例えば遠くに異動になった、
比嘉さんに着いて行く訳にもいかないですよね」
「以前…片山さんがそんなことを」
「この間の槙さんと柚木さんの結婚式の時、相変わらずお二人が
仲良さそうだったんで…そう言う理解もあるからなんですね」
食事は終わって、二人ソファでグラスを並べて、
比嘉さんのお土産を空けていた。
彼女は今の所落ち着いた雰囲気だ。
「こうやって形象(かたち)に残せるってすごいなあ」
グラスの中身を見つめて彼女は呟いた。
「リカの仕事だって立派に形象に残るじゃない。
しかも沢山の人が見る」
「…相変わらず、グルメとお笑いばかりです。
それも伝えることに無駄はないと思って、
頑張っているけど」
「…やり甲斐のある仕事に出会えるかも『縁』が
あるかもしれないね」
「比嘉さんのように、周りの方を支えることをやり甲斐にすることも、
一つの生き方なんだなあ…って最近つくづく思います。
全くの思い上がりなんですが、仕事を寿退社する同僚を見て
『キャリアを捨てるなんて、バカバカしい。
人に食べさせて貰うんじゃない』って、単純に思ってました。
…でも」
グラスを傾けると、柔らかな芳香の冷たい液体が喉に滑り込む。
「辞めた同僚はほとんど職場結婚で、テレビ局の仕事って
どちらかがサポートに回らないと、家庭生活なくなっちゃうんですよね。
いつも局にいる仕事ばかりではないし、
同じ部署にいられる訳じゃない。
今なら解るけど…彼女たちは支える側に回ったんだと。
一人で働いてると、何もかも一人で出来るような錯覚を起こすけど、
決してそうじゃないんだ…ってこの間の槙さんたちの
結婚式の時に考えました」
彼女は両手でグラスを持って、俯いてそれを見つめた。
「自衛隊も広報官みたいに後方支援の仕事がないと、成り立たないしね。
第一線ばかり見てしまうと、支える仕事の必要を
考えることは少ないから
…僕もP免にならなければ一生解らなかったかも」
「そらい…大祐さんっ」
振り向いたら、やけにかしこまった彼女がこちらをじっと見つめていた。
「結婚して下さい!」
「…………」
「早くわたしをお嫁さんにして下さいっ」
がばりと首に腕を巻き付け、彼女が抱きついてきた。
大体グラスに四杯くらい?
彼女にしてはもった方かもしれない。
微かな香水の甘い匂いがする。
「わ…わたし、この前はハンバーグは真っ白になっちゃうし、
りんごをウサギさんにするとカピパラになっちゃうけどっ」
とろけそうな眼差しがこちらを見た。
「お掃除もお洗濯も頑張るし…ちゃんと大祐さんのお嫁さんしたい」
心音が上がるのを自覚しながら、それでも理性をフル回転して、
すがりつく彼女の背をぽんっと叩いた。
「僕も出来れば早くそうしたい」
「今して下さいっ」
「えっ!」
「今すぐ」
彼女の熱を帯びた口唇が、しっかり重なる。
この辺りが――自分も限界だった。
甘く囁く声に耳を傾けながら、こちらからもキスを返した。
「えっ…エエっ!?」
ぼんやり目覚めると、彼女の驚く声が聞こえた。
「ん…おはよう」
「お、お、お、重くなかったですか?」
昨夜の流れから、彼女は僕の上に重なって眠ってしまった。
多少悪戯心もあり、笑いながら言う。
「…昨夜は積極的だったね。君から乗っかって来たんだし」
「えーーっ!!」
途端首だけではなく、滑らかな肩、普段は白い胸元まで真っ赤に染まる。
彼女は掌で顔を覆い、俯いた。
「……記憶ないです」
だから僕以外の前でアルコールは飲ませたくない。
日本酒は四杯が限界…を記憶に留める。
「…わたし、何か言いました?」
これも当然覚えていない。
彼女からのプロポーズは、どうやらノーカウントである。
それに――多分自分から言わなければならない言葉もあるだろう。
「続きは?」
「え?」
「昨夜は途中で、リカ、寝ちゃったから」
「……………」
抱き寄せて、額から頬、口唇へと自分の口唇を重ねた。
「ノーカウント?」
「…比嘉さん、わざとですか」
「やっぱり一升瓶は多すぎたね。今度は四合瓶で」
「大丈夫です。ちゃんと素面の時に言います」
「いやー、片山さんがうるさくてね。稲葉さんに一服盛ったら、
空井くんも言いやすいんじゃないかとか言うもんだから。
それじゃあやり過ぎだしねえ」
電話の向こうから穏やかな比嘉さんの笑い声が、聞こえてくる。
大して効果はかわらなかった気がしたけど。
「槙くんたちも二年かかったしね。でも空井くんの次の異動までに、
決まってるといいと…お節介とは思ったけど」
「いえ、そんなことは」
なかった。
元々が空幕広報室の鷺坂室長が仕組んで、出会った自分たちだったのだ。
初め頑なな彼女の相手をする自分を、比嘉さんと片山さんは肩代わりを
申し出たのだと後から聞いた。
「今となってはスッゲエ野暮だよな」
片山さんも先日、笑って言っていた。
今見える条件は決して良くはない。
でも――。
外に出ると、もう秋の終わりを迎える入間は、真っ青な空で、
来月の三日には航空祭でブルーが空を飛ぶ。
…彼女は仕事抜きで来ると言っていた。
その時に、きっと。
今度は自分から。
しっかり記憶に刻んで、忘れられないように。
背後から爆音がして、輸送機が一機、着陸したのが解った。
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森伊蔵
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性別:
非公開
職業:
主婦
趣味:
読書・お絵かき・料理
自己紹介:
次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。
……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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