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タタ奈々と空稲で二次してます。 どちらのジャンルも原作設定をメインとしております。
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やっと一月頃からずーーーっと続いてた不調の波が
抜けてきましたヽ(^。^)ノ
久しぶりに体が軽い…。


さてこちらも久しぶりのSSの更新です。
本の為に漫画のネタばかり考えてたせいか、
どーもSSが書いては止めて、書いては止めて…な感じで
全く進まなかったw
ようやく1本仕上がりました。

この一年くらい書くことにばかり夢中で、あまり読書してなかった
せいもありますかね~。


SSは続き記事からです。



拍手[40回]



◆◆◆


いつの間に寝てしまったのだろうか?
確かに今週はハードスケジュールだった。
年度末に入ると、処理をする書類やメールは三倍に増える。
そして松島から入間に異動になり、そろそろ一年が経つことを思い出し
――彼女とこうした間柄になって、一年が経とうとしていることも考えた。
だから週末はやや無理をして、彼女の部屋を訪れた訳だが、
ふと小さな温もりと微かな甘さを感じる彼女の髪の匂いを感じて、
ソファに寄りかかって眠ってしまっている状態から目覚めた。
彼女も書類片手に眠っている。
今、何時だろう。
いつの間にか肩に凭れて眠っている。
僅かに震える長い睫毛。
彼女も疲れているのだろう。
本当によく眠っていた。
彼女を起こしたくなくて、身動ぎも遠慮される。
赤くなって膨れたり、滅多にないけれど眩しい鮮やかな笑顔で微笑んだり。
目覚めている時の彼女の一挙一動に、心を揺り動かされることは
出会ってから今も変わらないが、こうして柔らかに身を任せて、
無抵抗な寝顔を見ることが出来ることに、何よりの喜びを感じる。
彼女にとっての自分。
そんなことが解って。
寝息すら微かだ。
ようやく出窓に置かれた時計を見た。
自分がこの部屋に来てから四時間が経っている。
彼女はいつ頃隣に来たのだろう。
自分は彼女の帰宅にも気付かなかったらしい。
 
 
 
「おはよう」
「……大祐…さん?……わたし、あ、やだ。今何時ですかっ?!」
「明け方の四時、ちょっと前」
「ど、どーして起こしてくれなかったんですか!
 大祐さん、起きたらプリン、二人で食べようと思って…」
「あんな遅い時間によくお店開いてたね」
驚いた表情で彼女を見る。
「…昨夜頑張って、また作ってみました。
 その…昨日、メール見てから慌てて」
そっと両手で頬に触れた。手の甲にかかる柔らかな髪。
目の前にあるのは焦がれてならなかった存在。
一年前は手を触れるのもやっとだった。
「…どうしたんですか?じ、じっと見て」
「どっちにしようかなって」
「え?」
「プリンが先か、リカが先か」
彼女が大きな、しかも結構真剣な目付きで見返した。
「……」
「だ、だ、大祐さん。に、二秒だけ先に」
彼女の顔が近付いて、口唇に柔らかで冷たい感触。そして…甘い。
「ん…」
離れかけた口唇をまた塞ぐ。今度はこちらから。
「二秒…でも一秒でも今の君、逃せないから」
迷いは吹き飛んだ。
だって今、この瞬間しかない気がする。
髪の甘い匂い。
柔らかな声。
滑らかな感触の頬。
丸ごと全て、自分だけのものだと主張できるのは。
クッションに寝かされたまま、彼女は少しだけ困った表情だったが、
小首を傾げてこちらを見て言った。
「どうせ明け方だし…。一緒にシャワー浴びますか?」
「…リカから誘うの珍しいね」
「え、だってもう何度も…恥ずかしがっても仕方ないじゃないですかっ」
「ふふ、こうやって馴れていくんだなあ」
嬉しくなって、背中から抱き締める。
 
 
 
バスルームに入ると彼女の綺麗な曲線を描いた、白い身体が見えた。
「はい」
シャワーを渡された。
彼女は身体を洗ってる真っ最中だった。
そうこの匂い。
甘いのにどこか密やかな。
彼女のボディシャンプーの匂い、なんだ。
何故か早くなる動機に、彼女とまともに向かい合うのが苦しくなり、
目を反らしてシャワーを浴びた。
「頭、洗ってあげますから、屈んで」
「え?」
「いいから!」
ちょっと強引に、頭を下げさせてシャンプーをかけた。
細い指が地肌に触れて、思わず身体が反応してしまう。
全く彼女はこう言う時の『男心』なんて全く無視だ。
「ふふっ。大祐さん、髪の毛柔らかい」
屈んだまま、ちらりと横を見ると、彼女の白い胸がはっきり見える。
「シャワー、かけますよ」
温かい湯が足下にも当たる。
「ふうっ」
思わず息をついた。
ギリギリの抑制とそして心地好さに。
「次はリカの番。頭下げて」
彼女は頬は染めたものの、素直に頭を下げた。
こうして向かい合うようになってからは、
だんだんと当たり前になって来たものの、市ヶ谷の広報室で
知り合った頃から考えたら、奇跡のようにも感じる。
彼女の柔らかで細い髪に触れる。
男の武骨な指で洗うのが、なんだか気が咎める感じもしたが、
彼女はじっとしている。
耳の後ろにふと指を滑らせた時に、彼女が思わぬ声を出した。
白い肌が染まる。
「ごめん、痛かった…?」
「……………」
彼女からは返事がない――のでそのまま洗い続けた。
「やっ……もう!だ、だ、大祐さん、わざとでしょっ」
「な、なにが」
落としたトーンなのに、何故か艶めかしく聞こえる彼女の声音に、
少しドキリとする。
「む……」
彼女が泡のついた髪の毛越しに、横目でこちらを見た。それで気付いた。
「リカ、もしかして…」
また彼女の頭――耳の後ろに指で、つうっと触れた。
びくり、と今度ははっきり解る反応があった。
「ここ、弱いんだ」
「……ヒドっ」
「欲しい?」
「……い、言わないっ」
「今まで隠してた、罰」
「か、隠してなんか…っ。わたしだって、今初めてびっくりして…!」
背中から抱き締めて、シャワーの栓を捻る。
頭の上から、熱い湯が泡を洗い流していく。
けれどそれだけではなくて――。
こちらの指先だけではなく、彼女は頭上から降り注ぐ水滴にも、
僅かに反応しているようだった。
「リカがこんなに早く堕ちる…って珍しいね。本当にまだ……欲しくない?」
「――――っ」
吐息が漏れて、彼女がかくんとこちらに寄り掛かる。
「ベッドに行って、仕切り直すより……」
「……今」
先程指で触れた部分に口づけると、僅かに伏せられた長い睫毛が震える。
「は、離れ…ないで」
「………うん」
彼女の言葉がなくても、多分密着した身体を離すことなんか
出来なかっただろうけど…。
彼女の身体をなぞっていた指先を、つ、と下へおろした。
彼女自身に触れる。
白い背筋が綺麗に弓なりに反った。
「………っ、」
柔らかく溶けていく中に、指先も溶かされていくような錯覚を覚えながら、
彼女の求めるままに指を動かす。
「いい?…ここでも、大丈夫?」
彼女の表情は見えなかったけれど、こくりと頷くのを見て、
背後から彼女を抱き抱えて、一つになった。
 
 
 
「…うん」
「な、なんですか。ニヤニヤして」
「この前食べたリカのプリンより、甘いね」
風呂から上がって、人心地つくと、先程までの彼女との
重なりあう熱はそのままに、何だかさっぱりした。
ソファに並んで二人プリンを食べる。
「レシピは同じですけど…カラメルシロップ焦がさないで済んだから」
口を尖らせて言いながらも、どことなく嬉しそうな彼女が愛しくなる。
入間に異動になる前に時折感じた彼女の存在を、
今は確かな手応えと共に感じる。
勿論それは――互いを肌で知ったと言う、
事実もあるのかもしれなかったけれど。
ふいに彼女が髪に触れた。
先程の感覚の余韻がまだ残っていてびくりとする。
「今、ドライヤー持って来ますから、乾かしてあげますね。
 大祐さんの髪、放っておくと、本当にクリンクリンに
 丸まっちゃうんだもん」
撫でる細い指先はやっぱり何処か悩ましい。
「……………」
「どうしました?変な表情(かお)して」
「いや…」
ふうっと、ため息をつく。
無意識に意識している。
そんな彼女の少女めいた表情に、嬉しさともどかしさを感じながら、
そっと抱き寄せた。
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次女妊娠中にQEDにはまりました。
当然ですが、原作者および版権元様とは
一切関係がありません。
閲覧に関しては、個人で責任を負ってください。
著作権も一応手放してはいないので、
ご利用の際はご一報下さい。

……なんじゃ!このネタ!?と
思ったら、目をつむって十数えてなかったことに
して欲しいです^^;
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